第53話 天罰?
ワサビで苦しむマルティアに見せびらかすように[ガチャ]を68回分回した結果、特筆すべきものは一部を除いてやはりSR以上か。
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〈N 40個〉 下記抜粋
部屋×6 通路×3 ポーション(弱)×6 魔物×9
〈R 19個〉 下記抜粋
ポーション(中)×1 魔物×4 Fランクの魔物発生陣
〈SR 9個〉
・魔物:1体
ジェネラルリザードマン
・宝箱用アイテム類:3個
ポーション(強)×2 魔法書(雷)
・ダンジョン施設:1個
酒場
・日用品、動物、その他:4個 下記抜粋
高級ベッド一式
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URは無し、か。
「苦しめ方が悪かったか?」
「何とんでもない事言ってるんですか! そもそも[ガチャ]を回す前に私に何かする決まりでもあるんですか!?」
ヤバい。さすがに気づかれそうだな。なんとかごまかそう。
「ゲン担ぎだよ。フィギュラスが出た時、マルティアが絶叫してたしな」
「あの時からゲン担ぎのためだけにこんな目に遭わされてるんですか!?」
信じられないものを見る目でこちらを見ているが、俺がどんな人間かは今までの付き合いで分かってるからか、少し納得した様子になっていた。
それで納得されるのも微妙な気分になるが、今回は良しとしよう。
『う~ん残念だけど、人形造りに使えそうなのは今まで手に入れてきたアイテムと大して変わらないから、別にいいかな。前に出た〝虹の勲章〟を含めた素材だけ貰ってくよ』
「そうか。運が悪かったな」
『しょうがないよ。ま、これも天罰なのかな?』
マルティアを騙したことで人形造りに使えるものが出なかったんじゃないかと笑ってるが、意外と笑えない話じゃないか?
前もマルティアがダンジョンを充実させたいとかいう話をしてる時に回したら、ダンジョン施設のURが出たし、妙な隠し効果があってもおかしくはない。
さすがに偶然だと思うが、今までの経験を鑑みるとそうとは言い切れないのが怖いところだ。
〝酒場〟と〝高級ベッド一式〟が出てるあたり、酒飲んでふて寝したいとでもマルティアが思ったのが反映されたかのようだ。
そんな隠し要素があるのかもしれないと思ってはいても興味はないのか、今から古民家の横に自身の能力で出現させた工房の中で人形造りを始める為、フィギュラスは残念そうにして去って行った。
フィギュラスにとっては残念な結果だったかもしれないが、一部俺にとってはいいものが[ガチャ]で出たので、実はそこまで残念ではない。
「〝Fランクの魔物発生陣〟がようやく出てきたな」
「これRのはずなんですけど、なんでこれまで出なかったんでしょう?」
「物欲センサーじゃねえかな?」
もしくは単純に〝魔物発生陣〟はどこぞのソシャゲのごとく、他よりも出づらい設定になってるかだ。
だがSRの〝ポーション(強)〟よりも出ないのはさすがにバグだと思うぞ。
「まあ出ないものはどうしようもないだろ。さて、それじゃあこれは2階層あたりにでも――うん?」
「どうしたんですか?」
「いや、珍しく国の連中が植木鉢に要望書を突っ込んでるんだ」
「あの……植木鉢はもう止めません? 適当に入れられそうな箱は手に入っているんですし」
「そんな事はどうでもいいんだよ。今更変えるのも混乱のもとだしな」
「そうですか……。それで、国の人が要望書を入れてるって話ですか。最近は植木鉢の前に立ってクレクレ言ってるくらいでしたから、確かに珍しいですね」
「あれか? 欲しければ〝商人の間〟で交換するようにしたから文句でも言いに来たのか?」
戦力もダンジョンの広さも十分になったし、わざわざタダでくれてやる理由もなくなったから植木鉢の前に立っても渡さなくしたが、それが不満だったのか?
「植木鉢の前に立ったまま動かないが、読むまであそこで待機するつもりなのか。仕方ねえな」
別に無視してもいいんだが、一応友好的なダンジョンポジである身としては無視するわけにもいかない。
すぐに植木鉢からこちらに引き寄せ、その手紙の内容を確認することにした
「なんて書いてあるんですか?」
「待て、焦るな。今読んでるところだ」
ふんふん、なるほどな。
「俺達のダンジョンが次のステップに移る時が来たようだな」
「その手紙を読んで、何故そうなるのです?」
「見てみ」
ほいっとマルティアに手紙を渡すと、マルティアはそれを読み始めるが、今更だが日本語なのに普通に読めるんだな。できなきゃサポートにならないって言われたら、そりゃそうだろうけど。
「ダンジョンが何故いきなり消失したのか知りたい?」
「そんな事言われても、手紙とか渡せない以上、今のところ教えるにはダンジョンコアの前まで来てくれないと――って、そこじゃねえよ。続きを読んでくれ」
俺がマルティアにそう促すと黙々と続きを読み始め、最後まで読んだところで顔を上げた。
「はっ? 訓練所として利用したい?」
手紙を読み終えたマルティアが端的に相手の要望を述べていた。
「ちょうどいいタイミングだったな。〝Fランクの魔物発生陣〟が手に入ってなかったら、フィギュラスに無改造のマネキンを操ってもらうしかなかっただろう。
しかもそれだと向こうは経験値が手に入らないから、本当にただの訓練だったし」
「正気ですか、これ?」
「そりゃそうだろ。じゃなきゃこんな要望出してこないし」
「ですけどこれ、訓練所として利用するの、民間の人間なんですよ?」
「それは俺達には関係ないな」
「……人の心でも無くしたんですか」
「別に死ななきゃ問題ないだろ?」
一回までなら致死ダメージを受けても復活するんだし。
「さすがは〈慈悲ポイント未実装〉の男です」
「[称号]で弄ってくるのは反則だろ」
否定することができなくなるじゃねえか。
からかってきたマルティアは後でシメるとして、まずは承諾した事を伝えるためにあそこで突っ立ってる男に合図として抹茶パフェを出してやるか。
合意するなら抹茶パフェ、しないなら違う物をあの男に渡すよう手紙に書いてあったので、その通りにした。




