キャンプ。
いらっしゃいませ~本日もよろしく。
ということで…やってき…てない…門で停止中。絶賛止められています。
旦那何処に?魔の森まで遊びに!はぁ?…ってな具合だ。
そもそも、城壁の外、特に”魔の森”に出る人は少ない。冒険者やら、薬屋(薬草摘み)、ある季節、旬の果実を穫りに集団で行くくらいだ。そんなところに子供連れて遊びに行く…無謀と言われても仕方なしだわ。
「…旦那ぁピクニックって…」
呆れ顔の門衛隊長…。
「じゃあ、狩で。」
「…」
「…切実なんですよぉ~おいらの稼ぎ足りないせいで…子供たちに満足に…肉とってこねぇと…」
「…旦那、そういうのいいから。はぁ、わかった、なにやらゴブリンの目撃例が多いんだ、注意してくれ。」
「じゃ、害獣駆除で。会敵したら狩ってきますよ」
「…なんでもいいから、注意してくれよ。通ってよし」
”疾風””赤兎”に分乗し、駆け出す。
「はいよ~”疾風”」
”ひひひぃいい~ん”
”ごがっかどがっかどがっか!”
「雹君は言わないの?」
「…うん。」
「そう…おかしいわねぇ。おじさま居るのに…」
セツナっち…。もうやったのよ。それ。
途中、3匹のGを見たが…
”ごがっごどっどっごぉご!ごきゃ!”爆散…
馬達の蹄にかけられて…粉微塵だ。
適当に、馬達をはしらせ、川沿いの開けたところにでた。見晴らしも良いし、ここで良いか。
「さぁ、着いた。ここを基地にしよう。トワ君適当な馬車出しておいて。休憩場にする。」
「おっけ」
「まずは周辺の索敵だ。注意しろ!ここは魔物も出るぞ」
「父さんは、狩り?」
「うーん子守りかなぁ…馬たちも走らせてあげな。」
「「狩りだぁーー!!」」
「そうだよ。動物、魔物、キノコや果実…たくさん採ろう。キノコは毒があるのが多いから見つけたら、父ちゃんたちに聞いてから採るように。じゃぁ、雹偵察よろしく。解散」…
「とりゃぁ!」
”ビヒュウ!”
宙を舞うGヘッド!青い軌跡と共に…詩人…?
「ナイス!カイ。ライはもっと手数を」
「りゃりゃ!わかった!雹兄ぃ!」
「ピギヒィイイ」
切り刻まれるG。追い詰められて泣いてんな。あれ。
会敵したゴブリンは悉くが、実戦組手の相手にされて狩られていく。
”びいいいいぃぃぃぃぃー”うん?
おいらの傍らで自分で狩った兎の皮を剥いてるファム…
「お父ちゃん、むけた!」
まだ湯気の出てる肉塊となった兎を披露する、愛娘…
「…良い子」
カオスだ…
近場でビルックとセツナっち監督のもと…あれ、トワ君だ交代?まぁいい。キティsが川遊びしてる。お?小魚か?捕まえたのだろう、きゃっきゃ、きゃっきゃと…”ぱく”!ぱくぅ?
「は?食ってんぞ、ルル、魚!トワ君!?」
「大丈夫みたいよ。」
のほほんとトワ君。見張だろうが!
「ほんとかよ…寄生虫とか…後で焼いて食べようよ…」
…やはり、カオスだ…
”がさずるぅ、がささ…”セツナっち、どでかいカメレオン改めバジリスクを引き摺って登場。
「良いの獲れたわ~バジリスクでしょこれ?」
…マジでカオスだ。
ビルックと昼食の用意。うどんを造ることにした。
出汁は野鳥と猪肉、キノコ多め。塩で調える。
キノコの出汁がこれまた…香茸に似たのを見つけたのが大きい。うまし。
是非にも早々にカツ節をみつけよう。
煮干、焼き干しなんかも作れるが…東京湾の冬の大ハゼも正月の雑煮用に焼き干しにしたなぁ…半分以上焼いた時点で食っちまったが…田舎じゃハヤや、イワナも焼き干しにしてたな。あっちは熱燗用だけど…フグヒレよか美味かったよ?(個人的見解)
小麦粉をこねるこねる…中力粉?しらん。とにかく塩水でこねる。なんとなくグルテンっぽい?感じがしてるのでなんとかなるべ。最初に塩水と馴染ませる工程が大事だ。さわさわと優しくね。
疲れてきた…踏みたい…ビニルないからなぁ…滑らかな革のシートとか…だが革の臭い移りそうだよな…
まぁ、こんなもんだべ。暫くねかす。ふう。汁もいい感じだし期待大だな。
うどんももったりとしてきたので仕上げもみもみ。打ち粉して伸ばす。これがなかなかの重労働…お店のプロはスルスル伸ばすが。一般人にゃ無理だよ。ちと歪だがいいだろう。
打ち粉して、たたんで切って出来上がり~。
さぁ茹でるべ。
まずは味見。ちゅるん。うんうん。うどんだ。硬くなるとも思ったが…それを見越して細く切ったのが吉と出たようだ。茹でると膨れるからなぁ。
大きめの木の器に出汁をいれ、つけ麺スタイルにした。
”ずぅずぉおおぞーー”
「久しぶりのうどん。旨ぁ~」
「うん。美味しいねぇ~」
おいら達は箸だからいいが、子供達は悪戦苦闘…雹はいつも一緒だから多少は上手か?ビルックは普段使ってるな?料理のときか?普通に食ってる。
”ちゅるん””ちゅるるるん”
「父ちゃん…とれない」
「「この!”ちゅるん”このぉ”ちゅるん”父ちゃんこいつ、逃げるぞ!」」
フォークじゃきついか…二口分くらいずつお椀に入れてやる。こらファム手づかみはだめよ。
お椀の中をフォークでかき混ぜてすすってる。
{美味しい―}
好評のようだ。
{おかわりー}
…まさに!ワンコうどんだ…お後がよろしいようで
おいらが食う暇ないぞこれ。
「おじさま。替わるわ。」
「セツナっちサンキュー。どっかの、腹上にして寝てるやつに聞かせたいよ…」
「愚弟がごめんね…」
「!俺か!」
お主以外おらんだろう。
「ふぅ。」
「ご苦労様。」
「おう。まさかこんな落とし穴が…箸使いすぎて手が痛い。」
「はははは。食べるもんね~チビ達。父さんこれ簡単だけどおいしいね。前に食べたすいとんと違った楽しさがあるよ。」
「これも厚さや、細さなんかで食感も味もかわるぞ。髪みたいに細いのもあったぞ。後これくらいのすいとんのお化けみたいのも。」
「おもしろいね!」
「ああ、あと、汁だ。汁次第で別物になる。具材や、出汁を変えれば無限大だ」
「うん。魚醤なんかもよさそうだね。塩漬けの魚とか…」
思考の海に出航したようだ。
「おっと、ビルック」「…」
「かえってこ~い」
「…!なに?」
「キノコを天日でカラカラに干しておくと日持ちする。使うときは水につけて戻すのだが、その時の水に恐ろしいほどの旨味がでるんだ。」
「わかった。試してみる!」
塩蔵は…いいか。収納あるし。
…おいら達がいなくなれば…か…
「そうそう。物によちゃ、塩漬けでも保存できるぞ。」
「いろいろ試してみるよ。」
お子ちゃま達が船を漕ぎだしたので寝かせる。腹掛けだけでいいだろう。
子供達をセツナっちに任せて、近くの沢をみにいく。
お!沢蟹だ。こっちにもいるんだなぁ。唐揚げか?
石をどかすと…わらわらわら…結構いるじゃない。よし!
”収納”から、でかい鍋をだし、せっせ、せっせと集める。いるわ、いるわ。
”しゃかしゃかしゃか!”
綺麗な水が循環するようにして、と。でかいハサミは取っちゃうか…いて、いて、この!
「「…父さんなにしてるの?」」
目をこすりながら、ライ、カイがやって来た。
「お?いいところに来た。手伝え。こいつ等の大きいハサミをもいでくれ。」
「「…」なにすんだ?」
「?うん?食うんだよ?」
「「わかった…」」
「変?」
「ううん、こんな小さいの食べてもおいしいの?」「食うとこあるの?」
「あとで実食だ!」
しばし、のんびり。ピクニックだなぁ。あ鳥だ!キジみたいで、尾羽がきれいだな。 ”びしぃ!” …?」
「ケー!」
雹の投げた石がその鳥を見事にとらえ、地に落す。
「鶏肉ゲット!」
…ないす雹…。
お子ちゃまたちがもぞもぞしだしたので直、起きるだろう。
じゃ、オヤツの準備を始めっか。
流水に晒していたカニの水気を切る。火に鍋をかけ、そこに椿油に似たものを入れる。なかなかの値段だった…油、特に植物系は高価だ。薬として使われる場合もある。
美味のためだ。温まってきたころにお子ちゃまが起きだしてきた。
さてと揚げるか。生きたまま、ダイブ イン!
”ばち!ばちばちっ!”
あ!火が強かったか?中身が出てきた…多めに入れて温度を下げる。良く火をとおさないとね。
揚がって真っ赤になったサワガニをまな板に並べていく。
おお!機械的でなかなかカッコいいなぁ。真っ赤で3倍速いはずだ!油も切れていい感じだし。圧倒的ではないか!わが軍は!
揚げては並べ、揚げては並べ。我が軍団の陣容が膨らむ!
「ふははははは!壮観ではないかぁ!」
「おっさん…」
「心の声が漏れたようだ。軍団ハイというやつだ。で、どうよ我が軍は!」
「…お子ちゃまに狙われてるぞ?」
調理台の周りに、興味津々な我が子達が囲む
「ま、まてぃ!塩をかけて…まだ!ステイ!味見してから。ビルックおいで。」
「…これ、食べるの?」
「ん?まずそう?」
「虫みたい…」おふう…
「まぁ、似たようなもんだ。食ってみ」
「…うん」
”ばりばりぃぃばり”
おいらも一個。うんうん。普通に旨い。懐かしいなぁ
「どうよ?」
「おいしいです!出汁も取れそう…」
ぶつぶつ…旅立ったか…忙しいやっちゃ。
「よし!脚とか硬いから一個ずつ食べるんだぞ?いいか?刺さって痛くなるからな?小さいのは小さい子に優先な。よし!食っていいぞ」
{いただきまぁーす}
”がりばりばりばりばりばりばりがりがり…”
獣人特有の強靭なアゴで次々と粉砕されていくサワガニたち。
…嗚呼…我が軍が…壊滅間近だ…ミツル軍に栄光あれ!…かっ〇えびせんみたいだな。
「お味は?」
{美味しい―}
よかったね。
さて獲物も獲ったし。ピクニックも満喫。
「よ~し。帰るぞ!みんないるか~」
大丈夫だな。来た時同様分乗して帰る。途中すれちがった冒険者風の人が大口開けて見送ってくれたよ。びっくりするわな。この馬…
門に到着。順番待ちの間大人しく…やけに静かと思ったらまた寝ちゃったようだ。大はしゃぎで動いて、おやつに我が軍(サワガニ)を壊滅させ、馬に揺られれば寝るわな。たまにお外もいいもんだ。
うん?順番が来たようだ。
「まいど~」
「旦那、ピクニックだって?いいね~。」
「ええ。食費軽減も兼ねてね。うちの食うから…」
「はははは。」
「そうだ。トワ君、ゴブリンの数は?」
「36匹、姉貴がバジリスク1匹だ。」
「今日の駆除数は以上です。」
「…ご苦労様。バジリスク?…ゴブリン36ですか…上位種はどうでした?混ざりましたか?」
「ナイト級1匹、魔法職1匹だな。確認したのは。」
「そうですか…浅い森ですよね?」
「今回は浅い森だ。バジリスクはしらん。」
「了解しました。上にあげときます。村があるかもしれませんね…」
「川までいったのでその間は無いかと。」
「情報提供ありがとうございます。お通りください。」
手綱を引いて帰路に就く。さて、風呂入って寝るかぁ~
本日も2本いきます。




