コホーネ村に行こう。後編
それからは普通に爆買。
憂いも無くなりゃ、いつも通りさ!目につくお魚、大漁(量)ゲットだぜ!
トワ君の欲する小型の…とはいっても、現代日本でエビフライにすりゃ、一本2千円はするだろう大エビだ。クルマエビ系のタイガーエビだろう。身もしっかりしていて旨そうだ。
その子供?みたいなマキエビ(クルマエビの小さいの)に似たものは殻剥いてその場で食ったら絶品だったよ。もちろん、お買い上げだ!
この前来た時には見なかった、マグロ?に似た1・5mほどの魚が水揚げされていた。これは是非とも留守を任せたセツナっちに買って行かねばなるまい。お値段も一匹丸だとお手頃だった。下ろしてもらおうと思ったけど…内臓抜いて”輪切り”のようだ…後で自分でさばこう…
「ふぅ。さて…と。そろそろお昼にしましょうよぉ。結構買ったわねぇ。」
「じゃ、何を食べましょうか?っていっても、ここ、魚しかないし。塩焼きかな。」
「お刺身定食…米ねぇな…あ!お酢があれば、海鮮丼ができるじゃん!」
「まぁなぁ。海鮮丼然り、寿司もどきもできるな。」
「…まさか、おっさん、握れるの?」
「まさか…恰好だけだな。本職みたいにはいかないよ。巻物は出来るぞ。」
ホント猿真似程度さ。家で手巻きパーティするときは、おコメの水を減らすの忘れるなよぉ!べちゃべちゃになるぞ!
「…それでも…手巻き寿司もいいな!」
だから、お酢がねぇって。真剣に考えるか…酢酸菌…だったか?酒に種酢としてバルサミコ酢混ぜてみるか…酒粕からもろみ酢だったっけ…
「刺身…かぁ。父さん、造ってよ。僕に教えて。」
「うん?…まぁ、良いか…場所は?」
「大丈夫だよ!こっち!」
「よう!ビルック!どうしたね?}
「厨房借りるよ。おばちゃん。」
「は、ははは…スイマセン…おい、ビルック?」
「ははは。いいよいいよ。」
「あ、おばちゃん、僕の父です。」
「ほ~あんたがねぇ。」
「息子がお世話になっています…」
「いやいや、いいんだよぉ。こちらこそ、何時も寄ってもらってるしねぇ。世話になってるよ。」
「おじさん、貰ってくよ!」
「おう!」
隣の魚屋から勝手に…うんうん…信用も…よくぞ、よくぞぉ…ぐす…
「おっさん…ほんと忙しいな…涙腺だるだるだな。」
うっさいわ!
「ミッツさん。いいわぁ。わかるわぁ~うんうん。ぐすり」
「…で…これをおろせと…」
「うん。」
イカ、タイ、イワシ、ヒラメ…1mくらいのブリ…大量の魚が並ぶ。さすがに…
「こんなに食えんぞ…」
「教えてください。父さん。魚のおろし方を。」
「おう!任せろ!」
ビルックのお願いだ!父ちゃんに任せろ!俄然やる気にミニファイアだ!(?)
生きているイカは初めてだが…よし!うなれ!我が包丁!
…。
「ふぃ~。食った食った!生きてるイカ…美味し!おっさん!流石だな!ブリ刺しも!ブリしゃぶも!。ブリ大根も良いなぁ今度作ってくれ!」
そういうことは奥さんに頼め…と言いたいが…つくってやるさ。大根、煮る前から黒いぞ?
「このブリの”カマ”の焼き物ぉ~美味しいわぁ~脂がぁ。」
おカマだけにか!ニッキ殿!
「私は白身の魚、例の藻塩でしたか。これで食す刺身。最高ですな。」
カイエンどんはシブいからなぁ。焼酎がよく合うわ。
「私は、イワシのお刺身ね!この脂の乗り具合と言ったら。生姜醤油最高!」
いつの間にかにルカちゃんも居た…。
「やぁ。さすがビルックのオヤジさんだ。見事な腕前だねぇ」
おばちゃんも一緒に摘まんでる。あっとほ~む!
「父さん。ありがとう。さばき方の理解が深まりました。」
「ああ。そいつは良かった。練習あるのみ。どれ、もう一品。」
タイのカルパッチョ。ボウルに塩コショウ。レモン汁投下!よく混ぜて…と。先日見つけたオリーブオイル、を入れてガッツリ乳化!混ざれい!これでドレッシングはいいな。
タイの身を薄切りにし、ドレッシングをかければ完成だ。
ついでに昆布締めも仕込む。食べるすこし前に”収納”から出せば良いだろう。きっとカイエンどんは気に入ってくれるだろう。
ビルックが先ほど活イカを仕入れて?きた魚屋に再び行きイカを購入。生きたまま、醤油と酒、ちょこっと砂糖を合わせたタレに投入!暴れるから蓋をして放置。そう、沖漬けだ。墨を吐いてドロドロのままも有り…なにせ、スミはアミノ酸。うま味の塊だ。…だが、おいら的には動かなくなったら、タレを交換し、漬け直す。スミは少々生臭いからな。これで仕込み終了。氷室で一日置いてぶつ切りにしてそのまま食う。先に目ん玉と口を取っておくのを忘れずに。指で押せば取れる。たまに目玉が”ぶちゅ”ッとなって変な液が…ま、気にするな。
今日のイカはスルメイカっぽい形だからキモも期待できそうだ。ホタルイカの沖漬けも美味いんだよなぁ。
新鮮だが、死んでいるイカも大量購入。何にするかって?塩辛だよ。我が御池家のレシピ…と言っても特に変わったところは無い…はずだ。が、結構評判がいい。本肝漬けだ。
肝を破らないように取り出し、塩に埋める。そう。文字通りに。うちのは大量に塩を使うんだ。身の塩は一振り。ゲソは塩で良く揉んでぬめりと汚れを取っておく。
一日もすると身、肝とも余分な水分が出て美味くなり、臭みも軽減される。肝はどのみち酒で伸ばすんだけどね…隠し味は味噌、生姜。漬け込む時も塩を使う。仕込んだ直後は辛くて食えないが、3、4日もすりゃ、塩が馴染んで恐ろしく美味くなる。塩分濃度も高いので一週間くらいは平気で持つ。茶漬けや、炒め物の出汁、チャーハンも美味い。もちろん、酒のあてには言うことなし。
「おっさん…何造ってんだ?」
「イカの塩辛だが?ご飯のお供にこれ以上の物は無い。」
「父さん、すごいですね…本当に身近な食材なんですね。この前造ったアンチョビみたいだ…」
ま、今日は塩漬けだしな…肝潰して混ぜたらどんな顔になるかな?ふふふ。長期発酵させたのは魚醤の一種、魚汁になるんだよなぁ。作ってみる…か?
「ああ。ここだといくら時間がっても足りないね。エビの塩辛も造るか?塩シャケもいいな…」
「おっさん…やっぱ。変態だわ…塩辛、普通造るか?」
「ま、仕上げを御覧じろ。だ。美味いぞ。乾物だって作りたいし。ああ!そうだ。アンチョビどうだった?ビルック。」
「うん。美味しかった!ここに来てからも鮮度の良いものが上がったら小さい樽で仕込んでいますよ。結構な数仕込んでいます。大きいイワシでも試してます。パスタ…父さんが言っていた”ぼんごれ”?の隠し味とか?オイルパスタの主役にもなりますね。ランチで出しても大好評ですよ。そのままパンに乗せて、軽く炙っても美味しいし、あるお客さんはそのまま酒のあてに。」
そうか…
「そうか…良かった…うんうん。」
「っとに…忙しいなぁ、おっさんは。」
いいの!
買い物も一通り完了。今日も、護衛?のような方もちらほら。目礼だけして村から出る。
「楽しかったです。父さん。」
「ああ。おいらもだよ。ビルック。」
「ほんと、美味かったなぁ。また行こうぜ。もう少しいるんだろう?」
「そうだね…って、頭領殿が決めるんだろ?」
「だな!じゃ、もうしばらく滞在だ!」
と、まぁ、こんな感じでのんびりとさせてもらったよ。本当にのんびりだ。
暇を見ちゃ、ビルックの仕入れについって行ったり。
公爵殿のチェスの相手をしたり。
ご飯のお供の塩シャケ仕込んだり。
チェルシーちゃんと料理したり。
エビ剥いたり。
ミディ殿と料理談話したり。
イカの塩辛追加で作ったり、アサリ汁作ったり、干物作ったり、魚のフレーク作ったり…あれ?ほぼ料理じゃん…。
もうしばらく滞在したいねぇ。ここは。




