人は変わるものです!
ぐっどぅ!も~~にん!快調!快腸!昨夜お米食べたせいか朝からもっさりだ!身体が欲していたのだろう!
胃腸の動きが普段の5割増し位だ。今も腹は減っていないがグルグル言ってるしぃ。お!動いてるな!と感じるほどに。喜んでるよ!内臓が!
日本人の腸は長い…なんて話があったが、この世界は西洋料理に近い食事、さぞや持て余していたのであろう!…本当かよ?何の根拠もないらしいがな!
「おはよう!トワ君!」
「おはよう!おっさん、朝から元気だな!」
「おコメパワー?そういや、日本人て西洋人に比べて腸が長いって本当?」
「変わんねぇんじゃね?そりゃ、でっかい白人とちっこい日本人じゃ違うかもしんないけど。比率で言ったらおなじだろ?20%も違えば胴が伸びるぞ?…おっさんの出てた腹は腸か?」
「うっさいわ!脂肪じゃ!伸びたら縮むのか?腸って?」
「知らんしぃ、どうでもいいわ!そんなの。鍛錬行くぞ、鍛錬。」
…まぁな。
中庭に行くと巨大な闘神像のようなムキムキの5体が…そこにうちのビルック君がちょこんと混ざる。
ビルック君もそこそこ引き締まってきてるなぁ。猪人族に進化か?あるか知らんけどぉ。
ビルックを中心に魔力回しをしているらしい…さすが、ニッキ殿。小川が流れるような感じだね。次席が”英雄”殿か…鉄板二枚持って暴れるというし。肉体強化魔法に一日の長があるのだろう。
「す、スゲェな…俺も真面目にやらねぇと!筋肉オカマに抜かされる!」
「うむ。良き心がけじゃ。頑張り給え!」
「なんかムカつく…」
ブーブー言いながら座禅を始める勇者様。
「さて…と。お待たせビルック…一丁やるか!」
「はい!父さん!」
入りは上場…そりゃ、魔力量はおいらの方が断然多い。だが、制御の繊細さはビルックの勝ちだな。いかに効率よく…と考えられている。ニッキ殿の影響かな?その辺りはおいらには必要なかったからなぁ…膨大な魔力でゴリ押しすりゃよかったから。
ビルックの魔力の通りがよくなるように…魔力経路が、管であれば広がるように…そう念じながら流す量も増やす。
「きついかい?」
「いえ…大丈夫です。心地いいです…父さん」
「そか…」
暫く…このままで…独学でここまでやって来たんだなぁ…偉いぞ!
「相変わらず、出鱈目ねぇ!」
「ミッツさんはそうだけど…驚くのはビルック君の方よ。」
「そうねぇ…」
「ハイハイ!朝食の準備よぉ~ビルック行くわよ!」
「…!はい!師匠!では、父さんまたあとで!」
「ああ。行ってきなさい…」ふぅ。
「ん?お前…あ、あ、アイザックかぁ?」
「!!!お、お前!ぱ、パテンスぅ?」
「はぁ…お前…その恰好?」
うん?…知り合いか?どうやら、馴染みらしいが…この反応を見るに、この道に入る前の知り合いだろう。
知り合いが、筋肉ムキムキ、ひらひらゴスロリメイドだったら…なかなかのパンチ力だな!
あのバクラも硬直|(いつもか!)。ドネリーどんも目を見開いちゃって…冷静沈着な彼をしてこの表情を引き出すとは…余程の事だな!アイさん!
「あ…ああ…」
「アイ!気をしっかり持ちなさいな。」
動揺を隠せないアイさん。そこに大姐殿の激励一発!ウォークライの効果があるのか!己を取り戻すアイさん。流石!”英雄”殿!…ん?伯爵とダブるな!クスリ。
「は、はい。お姐様ぁ。……こほん。あ、アイです。以後よろしく。」
スカートのすそを摘まみ軽くお辞儀。おぅ…。相変わらず、パテンス達は目が点だわ。
「…よ、よろしく…?」「こちらこそ…?」「…応…。」
ニッキ殿の後に続くアイさん。大姐殿もアンさんもこの場を捌けていく…
「…ドネリー、バクラ…みたか?」
「…まさかとは思ったが…近しい匂いを感じてはいた…。が…しかし…」
「…ああ。…まさか…」
「知り合いか?」
「え、ええ…何度か一緒に組んで仕事をした仲だ。細身の…優男の細剣使いだったが…」
「ああ…なんてことだ。全くの…いや、確かに面影が…」
「まぁ、お水が合ったのだろう…人それぞれの生き方があるさ。」
「まぁ、そうだけどなぁ…しかし、驚いたわ…スタックは知ってたっけか?」
「名くらいはな…引退したとか?一時期話題になってたな…」
「おっさん…やべぇな…ビルックに釘さしておかねば…」
「…まぁ、その時はその時で…」
「いいのかよ!おっさん!」
ま、その時はしょうがなかんべ。
おいら達はその後、型の鍛錬で汗を流してから食堂へ。公爵たちはもう起きているだろうが、出てこないな。食事を誘おうと思ったが別邸で朝食を摂るらしい。
食堂のテーブルに着くとおいらの所にはビルック自らが配膳に…その手のトレーには、アジの干物と、梅干し一粒。そして白飯、菜っ葉の味噌汁…憎いことに香の物…そう、ユズの入った浅漬けだ。大根が黒いのは…まぁ、慣れないとなぁ。ここに完成…アジの干物定食!降臨!
「ん?おっさんだけかぁ?」
「どう?完璧?だって、トワ兄ぃ、朝はパンの方が良いっていってたでしょ?」
「そうだっけか?ん?おっさん?」
「ああ…完璧だ…これ以上の物は無いな…海苔もできるだろう?いただこうか。」
うん。うん。美味い…もう、日本に未練はないな…ありがとう…父ちゃんはこの世界で死ねるよ。
「さて。今日は何をしようかねぇ。」
遊びにきたもんだから、暇…だな。ビルック忙しそうだものなぁ。邪魔しちゃダメでしょ?
「そうそう、ビルック。時間取れるとしたら明日だそうだ。今から西の漁村でも行くか?」
「ん?漁村はビルックと行きたいなぁ。それに、お昼…今日のランチはお主の熱望するカレーライスだろ?」
「あ?ああ!そうだった!俺は何処にもいかん!」…困ったもんだ。
…って、休暇だったな。暇上等!おいらものんびりしよう!
「福神漬けも欲しいなぁ…おっさん行ける?」
…振ってくんなよ…
「う~ん…どうかなぁ…近い物なら?ラッキョは行けるが…甘酢漬けの方は厳しいな…酢が無ぇ。」
「なるほどぉ…でもいけるんだな…さすが、変態…エレン達も好きにしてくれ。ランチはお勧めだぞ。」
「はい。今日、明日はゆっくりする予定です。」
「ああ。金もあるしなぁ。」
「あまり無駄遣いすんなよ~」
「んじゃ、俺は、公爵様のとこでチェスでもやるか。」
「公爵様の腕前はどう?」
「うん?アヴァロンさんか?腕前?面白いよ。慣れれば強くなるんじゃない?アーサーの方が強くなるだろうけど。頭柔らかいしね。」
…駒は違えど、公爵ともなれば軍略とかは生活の一部だろうからな。
「なるほど…将棋もいいかもしれないな…」
「作ってみる?そういや、将棋は見ないな…」
「駒も盤も木製だから…腐れたり、焼失したりしてんじゃない?駒にしたって、木片に字だけだろう?チェスと違って残ってないんじゃないかな。」美術品として…
「武将の姿かたちで作らせるか…どうよ?おっさん」
「…止めとけ、止めとけって。チェスと混ざってカオスになるぞ?」
「…一理あるな…」
「それに取った駒も使えるんだぞ?意匠や色が違ったら、何処の多国籍軍だよって。」
「それはそれで面白いな!ゲームにならんけど…そう考えるとよくできてんだな…」
「そりゃ、歴史の中で磨かれてきてるのだろうさ。」
「んじゃぁ、行ってくるわ。昼に会おう!」
颯爽と隣りの屋敷に向かうトワ君。
パテンス達も町へと繰り出すようだ。その背を見送る。おいら?おいらは、のんびり。
空き地のテラス席でお茶でもしようか。




