狐っ子。
いらっしゃいませ~
エキドレアからそんなに離れてないのが救いか。直ぐに着くだろう。
「はいよ~疾風!」
”ドド!ドッカッカ!ドッカ”
「トワ兄すげーーー!かっけーーー!」
「落ちるなよライ!」
さすが勇者様…もう、裸馬に乗れるのな………落ちろ。
「雹兄!雹兄!おれたちも!」
「トワ兄、はいよ~~~~ってなに?」
「雹よ!そういうものだ!」
嘘教えんな!ロマンではあるが…
「は、はいよ…」
クスリ。恥ずかしいか?
「雹うそだよ。トワ君も嘘教えんな!」
「そういうもんだろ?特に…おっさんは!」
「…否定はせん!」
ははははっと笑うファミリー隣で真っ青で震える裏切り者の職員さん。
ふふふ。…屑が。
”がたりごとごと…”馬車は順調に。
城門に到着。そこで職員さんがやってくれました!
「助けてください!こいつ等、盗賊です!仲間も監禁…殺害されました!衛兵長!衛兵長は?私です!助けてください!」
わらわらと衛兵が集まる。はぁ…面倒くさい。衛兵長。確か盗賊の仲間、内通者だったな…何を言っても無駄だな。いっそのこと、城門ごとぶっ飛ばしてやるか…(そこまで凄い魔法使えないけどぉ)
「それは本当か?」
ほんと、この街は鬼門だな。二度と来るか!って言いたいけど金になるんだよなぁ~ビジネスマンの弱いとこだ…。
「何とかいえ!」
「なんとか。」
「ぷくす。おっさん。それ、最高!」
「ふざけ 「おお!?ミッツ殿!」 …るな?」
ん?誰?…お?おお。確か、領主の右腕の…
「確か、ガルペン様でしたか?」
「私の名など…先日はお世話に。再会が叶いこちらとしましては喜ばしいのですが…なにやらお取込み中のようですが…」
「ええ。ここにいる衛兵達を直ちに拘束してください。話はそれからで。」
「解りました。拘束せよ。宿舎に監禁とせよ!城に伝令!騎士団派遣を!ミッツ殿、主からの書状を…書状をみてはいただけないでしょうか?」
「拒否した場合、こちらの不利益には?」
「いえ…主の”願い”です…命を懸けての…あなた達に顔向けできませんが……」
「いいでしょう。そこまでの覚悟。預かりますよ」
封を切り、ざっと目を通す。…ほんとうに…トワ君に書状を渡す。
「…わかりました。会いましょう。」
「ありがとうございます…」
「ありがとう?ありがとうになればいいですね。許せるとは思えませんが…必要な一族なのでしょうか?」
「テクス様は!い、いえ…覚悟はしています。話だけでも。」
「あなた達はどうなっても良いですけど。地に落ちようが。死のうが…子供たちには少しでも安らぎをと思っております。」
「ふん!」
殺気すごいよ…トワ君。おいらにも向いてるよ!
「伝令!テクス様にミッツ様が会談をお受けくだされたこと伝えよ!」
「はっ!」
「ここで待てば?」
「ええ。こちらに休憩所を用意します。」
「わかった。そうそう、商業ギルドのギルマスにも来てって伝言頼める?親分忙しそうだから…いるかな?」
「解りました!おい!ギルド長へ」
「おっさん本題、本題。急がんと。」
「本題?…あ、茶飲んでる暇無かったわ!ガルペン殿。私たちは帰る途中、なんとか?盗賊団に襲われました。馬車の中に頭目と仲間の女、そこのギルド職員 「うそです!”どがぁ!”っく…」 うるさい。ギルド長がくれば解りますよ。言っておくけど副ギルド長の…?…名前忘れたが、ヤツ粛清されてるぞ?たぶん。親分だし?」 …え?」
「聞いてないのか?そうか、出発遅れたしね。遅れた理由、教えようか?悪事がバレて、積み直ししてたんだよ。理解した?」
「で、では…」
「君は有罪。親分激怒!ってこと。可哀そうに。オーガが待ってるかもよ?」
「…」
「それで続きね。ここの門の衛兵も…特に長がグルだ。こいつが真っ先に助けを求めたろ。監禁そのままに」
「それはかまわんが…」
「で、その盗賊団のアジトが”街中に”あるんだと。」
「な!」
「なので、急襲してほしい。なんならおいら達でやる?」
「ご、ご一緒いただけますか。」
「その代わり”戦利品”はもらうよ?」
「了解しております。」
「では、ガルペン殿以外は遠巻きで逃がさないように。行きましょう。ほら、場所!」
「…」
「これ以上罪を重ねる?最後の善行だよ?」
「こ、こっちです…」
職員に案内され、示された建屋を見る。飲み屋?
ガルペン殿が指揮し、兵が裏口、勝手口などを塞ぎ、道を閉鎖する。
完了と同時に、ガルペン殿と一緒に踏み込む!
「処検めだ!動くでない!」
ガルペン殿が来訪の理由を述べる。
抵抗しようと立ち上がる者達は、ガルペン殿の部下に引き倒され拘束されていく。
「なんだ”、ぐぅうう」
「きさ、ぐげら!」
トワ君に先を促す、
奥の間は女が10数人…飲み屋兼、娼館のようだ。
「なんだおま、ぐおぃ」
トワ君に魔剣の鞘で張り倒されて、昏倒する賊。
「ほら、多かった…職員さ~ん。雹、地下制圧!」
「ガルペン殿、女も拘束よろしく。」
「はい」…。
「おみごと。」
外で、建屋に入ろうとして、逃げた人物やら、怪しい行動をした賊の仲間も拘束されたようだ。
娼婦の女とは別に、牢に女性が20人、人族の男の子が5人。
そして小さい女の子、5~6歳…いやもうちょい上かな…首にひもを付けられて…ビクビクして椅子の陰に隠れていた。
女性たちには理由を説明し、一時的に拘束を受け入れてもらった。賊が混ざってるかもだからね。騒ぐのが3人いたので猿轡して牢部屋に。
人族の男の子たちは部屋を移し、軽い食事。
問題はこの子。出来るだけ優しく…表情が硬い?慣れてねぇんだよ!トワ君にやらせれば…じゃなかった。
「大丈夫、だいじょぉ~ぶ。もう。心配いらないよ~おじさんがいるから。」
「おじさん…ぶたない?」
ムカ!…っと、我慢、我慢、顔にでちゃう。
「悪いことしてないだろ?ぶたないよ。」
「ほんと?」
「うん」
「ここのおとなのひとすぐぶつの…」
「そんなバカは、おじさんがぶっ飛ばしてやる!こいつか、この屑か!」
「おっさん…」
「あ!コホン…ごめん大きい声出ちゃったよ…許せなかったんだ。ごめんね。」
「うん…」
頭を撫でる…うん?違和感…指先にザらりと…しこり?かさぶた?
「ちょっとごめんね。」
髪をかき分けてみる…
「こ、これは…人族じゃない?」
”びくっ”
あ、ああ…そんなに怯えないで…
「大丈夫だよ。そこの豹のおにいちゃんね。おじさんの息子、子供なんだよ。痛かったね…」
そおっと抱きしめ、頭を撫でる…
「痛かったね…痛かったね…」
涙が、ボロボロ出る…
「ミッツ殿…」
「これが現実だよ。」
と、トワ君。
「トワ君回復!」
「ここで?」
「かまわん!言いたい奴は言えばいい。」
「おっけー」
「今から、お耳治すよいい?」
「いいの?」
「いいんだよ。恥ずかしいことじゃない。」
「うん。なおして。ママとおんなじなんだ~」
「ママは?」
「…」
「ごめんええぇ」
涙腺崩壊。
「おっさん邪魔、すこしは落ちつけ。ほれ、魔力よろ」
「ん…ああ。今からま、魔法かけるよ」
「うん」
「トワ君よろしくぅう」
いくらでもおいらの魔力を使っていいから!”充填!”マックス!リチウムパゥワァーーー!
「ああ!」
”ぴっかぁ!”
光に包まれる女の子。そのシルエットでわかる。耳と尻尾が修復されるのが!くっそ!尻尾迄切りやがって!
「おおお!」
そこには三角お耳、ふさふさのぶっとい尻尾…
「狐人族か…」
「わぁ~い。尻尾ももとど~り~お兄ちゃんありがとう!」
「…」
トワ君怖いって!
「よかったなぁ~綺麗な尻尾だ!モフモフだな!」
ちょっとなでる。
「おじさんのえっちぃ~」
「お?おお!ごめんごめん」
「おじさん、パパなら触っても良いんだよ…しっぽ。」
「…ついてくるかい?おじさんに?」
「パパになって」
「お名前は?」
「…ファム」
「よ~し!おじさんは今からファムの父ちゃんだ!兄弟いっぱいいるぞ!雹兄だ。で、トワ兄だ。そとに狼人族の双子…おうちには豚のお兄ちゃん、猫娘が3人いるぞ~」
「兄弟いっぱいいるね~覚えられないよ~」
ぽろぽろ泣いてるファムを抱き上げて
「おうちにかえろ~なぁ~」
「おっさん、やっぱりなぁ」
「父さん…ファムよろしくね!」
「うんお兄ちゃん」
また一人ふえました…
追伸、強面武官のガルペン殿。涙脆いようです。号泣してました。笑える…まぁ、涙腺の弱い奴に悪人はいない!(持論)
…。
”ぱんぱん!”地下室に柏手の音が響く!
「?…父さんなに?」
「いいものが入ってるようにってお祈りしたんだよ?」
「ふ~ん。おまじない?」
「ま、そんなもんだ。よし!行くぞ!御開帳~」
地下のさらに地下に隠し部屋とでっかい錠前の掛かってる大きな扉。そう!戦利品だ!盗賊がシコシコ貯めたお宝をごっそり頂く!鍵前は溶かして消滅させた。お宝?を前にしたおいらの執念の炎を舐めるな!
”ぎぎぃぎいいいいぃぃぃき”重い扉が開く…
金貨、銀貨、宝石類、魔石類、武器類と分類してある…几帳面だな!盗賊!。
奥の棚は”お宝”か?道具みたいのと、紋章の入った装飾品が綺麗に並べられている…こっちは魔導書?か?本が数冊…
「これは!…伯爵令嬢の…こっちは!…公爵の……」
なにやら大事っぽいな。知らんよ。おいら。
「おっさん、ソナー」
「そなー?なして?」
「テンプレだろ!隠し部屋の隠し財宝!」
おお!なるほど!気が利くな!トワ君!テンプレの伝道師と呼ばせてもらおう!
「集まれ!この部屋に集う 「おっさん。そういうの良いから…」 …ソナーぴこ~~~~ん!」
いいじゃん。ロマンじゃん。トワ君。
「トワ君ビンゴ!その台の下と、その壁!」
「おーらい、まずは、台から行くか。”ごそごそ”これか?”ばきいぃいい”こわれた?」
「ダメじゃん。変な音したぞ。」もう。
「あ、本?帳面…これは……」
「何なに?」
「…今回の事件の証拠。顧客リストだな。誰彼の偽名やら。この街の中の名前とか?」
「ほほぅゆっくり見よう。」
「ミッツ殿それを…」
「あとでね。職権で取り上げてもいいけど…死ぬよ?」「…」
「きつい言い方だけど…貴殿のとこの元?当主のおかげで遠慮しないことにしたんだぁ。悪いね~特にこの街では。ほんと2度と来たくない街だ。」
「壁いくぞ~ 「ステイ!調べてからよ”鑑定”で」 …?」
「だって壊すじゃん、トワ君…”鑑定”…」
隙間発見…槍をこじ入れて…っと!ほい。
”がらがらがらららがらぁ”
「いっしょじゃん。!おっさん!」
「…ああ」
「これは?」
「召喚陣に似てるな?」
「…悪魔召喚…」
「?ガルペン殿知ってる?」
「最近だと…10年くらい前かと…この街に悪魔が現われたのは…甚大な被害を…多くの兵士が死にました…」
「消していいの?」
「!」
「良ければ消すよ。ただし”今”だ。生えてる水晶も貰う。後で悪魔が出てきたから…ってのは無しだ。どうする?」
「…」
「私達から言わせてもらえば、この街がどうなろうと知っちゃこっちゃない。その時は、アヌヴィアトまで来た時に全力で討伐するよ。」
「判断ができません…」
「了解。じゃ、トワ君、武具とか金貨収納して門に向かおう!」
「おっけーこの上にあった酒樽も、貰っていいんだよなぁ」
…抜け目ないのぉ。うちの勇者様は…この店の在庫だろうけど…
「ま、いいでしょ。うちらの戦利品だ!」
とりあえず、女性と、男の子たちは騎士団に任せ、狐っ子を装備し、職員を引き摺りながら城門に戻る。
すでに城門の会談スペースには先方の若領主様とディシィさんだっけか?もう一人の腹心の。到着されてるようだ。それと…姫様もいるな?数人の警護の騎士の姿もある。
でも先に家族だ!少々時間をもらう。爆泣きガルペン殿が時間を取ってきてくれた。流石である。
ぐったりくつろぎモードのワンコ達を呼ぶ。狐もワンコか?
「ライ!カイ今日から妹だ、ファムっていう。仲良くな!」
「「おお!妹か?」」
「ファムです、ライ兄、カイ兄よろしく!」
「「おう!」こっちで燻製食うか?」「トワ兄ジュースちょうだい」
「うん!」
…ライ兄…父ちゃんにも分けてくれない秘蔵の燻製を…
「なんだよ…?トワ君…その目は?」
「おっさんの感情のベクトルが…」
「はははは父さんらしい。」
「うっさいわ!今から、”お話合い”があるようなんで、雹は子守り頼むな。万が一の時は手加減無用!相手が強そうだったら弟たち連れて逃げろ!そうそう追いつけまい。飛び道具に気をつけろよ。」
「…わかった。気をつけて」
「頼むぞ」
ポンポンと頭を撫でる。わちゃわちゃと燻製パーティーしてるとこに雹も混ざる…可愛い子供たちだ…さて…。
本日もお付き合いいただきありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。




