プロローグ 荒れ狂う極寒の都市『スノーガーデン』
現在、北の国――雪の"聖"都市『スノーガーデン』では、数か月前から奇妙な病が流行していた。
その病に感染した者の身体には、何処からともなく無数の傷が刻まれる。
どれだけ手当を施しても傷が塞がることはない。
血は止まらず、やがて患者は全身から血を流し、変死体となって発見される。
誰も原因を知らない。誰も治療法を知らない。
ただ一つだけ、共通していることがあった。
死を迎える直前、患者たちは皆、口を揃えてこう呟くのだ。
―――――「遠吠えが聞こえる」
その不気味な言葉だけを残して。
そんな混乱の最中、スノーガーデンでは一つの慶事が予定されていた。
この国を統治するヴォルディ家の令嬢、スカラ=ヴォルディ。
そして東の国の王族、ニルヴァフ。
両国の未来を担う二人の結婚式。
誰もが祝福する、理想の婚姻。
傍から見れば、誰もが羨むほどお似合いの二人だった。
――だが。
彼女は、その結婚を望んではいなかった。
すでに心に決めた人がいたからだ。
その名は――バルド。
一人の平民。決して結ばれるはずのない恋だった。
時を同じくして。
極寒の地を目指し、一組の旅人たちと一人の勇者がスノーガーデンへ向かっていた。
黒杉楊一、アイリス、クレナ、ファノン、
フヴェズルングⅩⅢ課――フェレシア、アクレア。
そして、胸騒ぎを覚えながらも、その理由を知らない勇者――御剣正義。
彼らを待ち受けていたのは、
麗しき美女、忍び寄る影、原因不明の奇病、狂気へ蝕まれていく人々。
そして、この雪の国に眠る、玄武王の秘密。
果たして黒杉たちは、スノーガーデンを覆う闇を打ち払うことができるのか。
玄武王の媒体を手に入れ、月ノ城羽咲を救う希望へ辿り着けるのか。
雪に閉ざされた都市で、新たな戦いの幕が静かに上がろうとしていた。
「ここで貴方達を殺す」
「遠吠え?」
「えぇー!?黒杉君もいるの!!!???」
「どうやら招いていない客まで来てるようだな。」
「麗しの花嫁の登場だ!!」
「例え仕組まれた結婚だとしても、私は彼女が好きには変わらないんだ。」
「ヨウイチさん!しっかりしてください!!」
「「ヨウイチ!!!」」
「俺は執行者だ」
「私は勇者だ」
※フェレシア、アクレアの詳細は第11話の自己紹介をご参照ください。
っよ!W主人公!




