2 正門までの道のり!!!
2人は玄関で靴を取り替え、外へでた。
春の暖かい風が、2人の髪を揺らす。
「おい。なんで着いてきてんだよ」
「何を今更!嫌がらせに決まってるじゃん!」
嫌そうな顔の七條と満面の笑みの七宮。
小さい花が咲いている、正門に繋がる道を歩いている。走るのは疲れたらしい。
「なんだソレ。もしかして家まで来る気?やだよ〜マジで」
「そんなに来てほしいのか〜!しょうがないなあ!」
「来るな!!!自分家帰れ!!!」
七條は段々早歩きになっていく。
それに気づいた七宮も当然、早歩きになる。
「着いてくんなよマジで!」
「嫌がらせなんだよマジで!」
真似する七宮。
「真似すんな!なんなんだよもう!」
「だから、嫌がらせだってば。ひかるくん」
「下の名前で呼ぶなあ!!!ひ、ひかり!」
七條ひかるくんと七宮ひかりちゃんである。
「顔真っ赤〜!!わかりやすいねひかるくん!」
「…!!帰れええ!!」
ついに七條は走りだした。
それを見逃さない七宮も走りだす。
走っていくと、前を歩いていたであろう、他の生徒達が見える。
それを避けて走る2人。もちろん注目を浴びる。
そしてコソコソと、「あれって入学式の時の…」と話し声が聞こえた。
(丸聞こえなんだよ!!くそ!恥ずい…!)
そう思いながらも、七宮に捕まりたくないので走る七條。
が、腕を掴まれた。
「え!?ちょっ」
すると、七宮は大声で叫んだ。
「はーい!!七コンビのお通りでーす!!あ、七コンビよろしくお願いしまーす!!」
掴んでない方の手を振り上げて、七宮(と七條)は盛大に目立っていた。
他の生徒達は面白そう等の理由で道を開けてくれた。
「ありがとうございまーす!!今後とも七コンビを応援して下さーい!!」
(ふざけんな!どんだけ目立ちたがりなんだよこいつ!!!)
七條は顔を真っ赤にしていた。
「七條くん!ほら、正門に近づいたよ〜」
「…ああ」
走り続けていた2人に、正門が見える。
生気をなくしたかのように七條は目が死んでいた。
すると、七宮は正門前で止まった。
腕を掴まれていた七條も転けそうになったが止まった。
「道を開けて下さり、ありがとうございました〜!では皆様、また明日〜!!!」
と、七宮が生徒達に言うと、
「また明日ねー七コンビー!」「何やらかすか期待してるぞー!」
等、生徒達から返ってきた。
「ありがとー!!」
そして2人は正門から出て行った。
はよ帰れ七條!!!