1 提出物、あんなに頑張ったのに…
課題テスト。
私立梨原学園では、入学式・始業式が終わった翌日、一日中5教科のテストが行われる。
所謂休み明けのテストである。
もちろん、新入生も受験合格後に課題が出たので、テストは全学年で行う。
高校生になって初めてのテストである。
チャイムが鳴る。
本日の課題テストの終わりの合図。
1年3組の教室では、歓喜の声やらで騒がしくなった。
「はーい、提出物を後ろから集めて下さーい」
この時間に監督だった教師が、騒がしい教室を静めた。
そして、後ろの席の人が提出物を集めていく。
(あれ?嘘だろ…)
そんな中、癖っ毛がひどい系男子が焦っていた。
(提出するやつがねえ…!??えええ!?)
カバンの中を探すが、ない。
すると、後ろ席の人が来た。
「…ないの?」
後ろ席の、いつも何かをウザそうにしている男の子が面倒くさそうに聞く。
癖っ毛ひどい系男子、七條はあきらめた。
「うん、ない…」
こうして、提出物が集められ、担任の天パな青山先生のおおざっぱなHRが終わり、解散となった。
他のみんなが帰っていく中、七條は考えていた。
(入学早々忘れ物なんて…!くそ!これは今日、もう一回ここに来て提出するしか…)
「七條くん?」
ショートカットの女の子が声をかけた。
「ん?ああ、じゃーな」
「そんな事言ってないよ?頭大丈夫?」
冷たい目で見られた。
「なっ!聞き間違いしただけだ!てかもう帰れよ」
顔を真っ赤にして、七條は言った。
「ふーん。あのさ、せっかくだし、遊ばない?」
「やだよ。七宮と遊ぶとか嫌な予感しかしねえもん。帰れ」
入学式に2人で(青山先生もいたけど)遅刻した事を思い出して、七條は断った。
「そっか〜!じゃあ遊ぼうか!」
「なんでだよ!俺は今日忙しいから無理!帰れ!」
「そっかー、提出物やったけど家に忘れたっていう嘘ついちゃったもんね〜」
「は?」
嘘なんかついていないんだけど?と七條は疑問に思った。
「え?提出物、やってなくて持って来なかったんじゃないの?」
大真面目に七宮は言った。
次の瞬間、七條は怒った。
「やったっつの!!!誰が好きで忘れるかちくしょー!!!!もうお前帰れよ!!!」
「ええ〜!つまんないの〜!でもどうせ明日出すんでしょ?遊ぼう〜」
「今日出すんだよ!!!他のやつと遊べ!そして帰れ」
七條はカバンを持ち、教室を出た。
それに続いて、七宮も出る。
「他の友達いないもん!ぼっちだもん」
「嘘つけええ!!!友達いっぱいいるって言ってただろうが!!」
「えー?みんな忙しいだろうしいー」
「もういいから!じゃあな!!!」
そう言って七條は廊下を走る。
「あー!走っちゃいけないんだー!先生に言ってやろー!!」
「小学生か!!つかお前も走ってんじゃんかああ!!」
2人は玄関に向かって走る。もちろん、廊下では走ってはいけない。
「あ、2人とも!廊下走っちゃいけないですよ!その…」
すると、後ろの方から低い声が聞こえた。
2人は振り返る。
「のぞむちゃん!!」
「おお、柴田じゃん」
相変わらず真顔の長身、柴田がいた。ベリーショートでハスキーボイスなだけで、女の子である。
「走ると滑っちゃいますよ!ここの廊下、特別な素材で作られてますから…」
「ありがと!でも俺、急いでるから!」
「大丈夫だよ〜!そんなことないって!」
2人は走り続ける。
柴田はそんな2人を歩きながら見ていた。きっとどこかで滑ると心配して。
「うわわっ」
七宮が案の定滑り、隣の七條を掴む。
「おい!おまっ」
その瞬間、七條も滑り、態勢が崩れる。
柴田は早歩きで2人の所へ向かう。
「だから言ったのに!」
柴田の目の前には、倒れた2人がいた。
「マンマミーア…!」と七宮。
「七宮…てめえ…!」と七條。
「ケガはないですか?七コンビさん!」と柴田。
七條は立ち上がり、また走り始めた。
「ケガは大丈夫。じゃ、俺急いでるから、また明日な!」
「走ったら危ないですよ!」
七宮も立ち上がり、七條のあとを追いかける。
「ケガはないよ!ありがと!じゃ、私は七條くんに嫌がらせしてくる!また明日ね〜」
「走ったら危ないですよって!!」
そう言って七宮は走っていった。
柴田は少々呆れた。
「あいつらはそーゆー奴らだよ、柴田さん」
そんな柴田の隣に、ニヤニヤしている天パの男性がいた。
「あ。あの時はありがとうございました」
入学式の事である。
「ん?俺、感謝される事したっけ?ハンカチはあいつらが見つけたからな」
あの2人は、柴田がなくしたハンカチを探していたため、入学早々、遅刻をした。
「いや、一緒にいたじゃないですか」
「そうか。まあ、今はあいつらがどうなるかだな!もう3時半だけど来れるのか〜?」
不思議そうに男を、青山先生を見る柴田。
相変わらず青山先生はニヤニヤしていた。
なんか思いついたので、また書き始めました。
テストなんてくそくらえ!!!!




