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▷アグリーメント  作者: px-h
第4章 天使と精霊と人と神
30/64

『欠片』

ぴぎゃああああああああああああああ!!!




背を向けて飛び立とうとした高菜は、妙な物音を感知して、振り返った。


(やば──っ!!)


危険感知とでもいうのか。

好奇心のある魂とは裏腹に、『これは駄目』『戻るべきだ』という状況のときは、頭に警鐘が響く。

怖いくらい鳴っている警鐘と、スローモーション状態の視界。

これは、もう、『放って良い』

頭が、心が完全に理解した、してしまった瞬間。





視界が白く染まった。





視界に影が重なって、窓から羽が飛び込んできた。


「で?これから、どーするの?」


「……何で帰ってないんですか?」


先程会ったばかりの金髪の少女──璃桜瑠りおるである。


「いやさ?それがね、魔法……ていうか転移かな、使えなくなってる」


空気が一気に重くなる。

けれど、璃桜瑠は澄まし顔で続けた。


「クソババア様ら辺だと思うんだよね、核破壊するか?」


最後だけ1オクターブほど、口調と共に璃桜瑠の声が下がる。


「それって……天界と下だけか?」


同じく、光棄も下が……いや、高かった女の子の声を普段のように戻しただけではあるが、低くなった。

ちなみに、敬語だった時も高い声だった。


「うん、此処まで来れたし……で、どーすればいー?」


「お父さんの友達に協力取り付けて、【門】を守っておけ」


少し考える素振りをした後、光棄は答える。


「私は?」


璃桜瑠の隠れている左目(・・)が、薄く光った。


「敵の情報集めとそれをこっちに持ってくる人、それから敵を軽く引っ掻き回して来る人と……あー、あっちに味方しようとしてる人を探し出す人も要るや……」


光棄はそれに気づかないのか、指を見つめながら折り返し、今は4になっている。


「わあ、じゃあ私は──」


「え?全部だよ?」


「は?」


「だから、ぜ、ん、ぶ、だ、よ?」


「……多すぎんだろ」


できるでしょ?と言いながら笑う期待の目を前に、無理だと言える度胸が璃桜瑠にはなかった。


「人員不足です~もっと増やしてやろうか?」


「そっかそっか、じゃー仕方ないね~ふざけんなよ愚妹」


「そうそう仕方ないから、よろしくね、お姉ちゃん!」


互いに本音と建前を笑顔でぶつけて話し合う。

璃桜瑠は都合の良い時だけ妹ぶる光棄にうんざりしながら、閉じていた羽を開いて光棄と別れた。





「──分かったわ、姫花」


自分の話を聞く内に顔が激しくなっていった母様を見て、伝言を伝えられたことに安堵しながら、同時に激しい寒気に襲われました。


「母、様、あの……」


きっと今の自分は顔が青いでしょう。

心臓が、死んでしまうのではないかと思うくらい跳ねていました。


「先に戻って(天界へ行って)休んで頂戴」


「ありがとう、ございます」


母様にお辞儀をしながら転移陣を魔力で頭に創っていきました。


〖あぁ全く、本当に役に立てていないですよ〗


心が心に言います。


〖10年前から、なにも成長できていないじゃないですか〗


【分かってます!このままでは駄目なんだってことくらいは理解しています!!】


〖弘〗は言うけれど、【姫花】の声が訴え続けます。

あの時の記憶が消えることなく蘇ってくるのです。

……その時、やっと異変に気付きました。


(高菜の糸が……ない!?)


天界に行ったなら糸が切れることなんてあるはずなくて、でもなら何故……と考えを巡らせていると、ポン、と『クソババア様』が浮かび上がりました。


(姉様が何かを仕掛けた?それでクソババア様が乗って……いや、それだけなら糸が切れるのはおかしいですよね)


先程創っていた魔方陣は糸が切れたのに気づいた瞬間消えてしまったので、試しに、と下位魔法【水球ウォーターボール】を展開してみます。


(……正常)


問題なく発動し、手のひらサイズの水が現れました。

続いて、天界へ行ける【転移】を展開。


(正常……じゃない!)


発動する、と思ったら、出来上がる前に割れてしまいました。

発動することを確認した【水球ウォーターボール】や、常時発動させている【探索サーチ)】は使えますから、きっと地上と天界を繋ぐ転移系の魔法がアウトです。


(ということは、アイツらが姉様や私たちを天界に来られないようにしたくて?)


──『欠片』が見つかった──


ふと、思い出したのは、兄様の言葉でした。

(なるほど、欠片を手に入れたい、けれど姉様がいたら不可能だから、転移を封じた、ですか)


ピースが、ゆっくりと、けれど確実に、はまっていきます。


(……なら、高菜の糸が切れたのは?姉様は欠片が見つかったことをどうやって知ったのでしょう?)


『天使』、『人』、『獣人』……。


次に思い浮かんだのは、この三つ。


(……獣人や人の血を濃く持っていた姉様や高菜は、僕やクソババア様やクソジジイ様より霊力に敏感なのでは?)


その可能性は、どれよりも現実的で、残酷で、悲しいことでした。


(きっと、高菜が気づいたのはステージの上です。校内に『欠片』がいたとしても高菜の力では気づけないでしょうし、全体を見渡せるステージだから気づけたことだった。だから飛び出したし、羽を出すのをやめたのでしょう)


──じゃあ、あの姉様が飛び出さなかったのは何故?


(誰よりも精霊を追っている姉様が飛び出さなかったのは、きっと、高菜を止めるためでも天界に知らせるためでもなく……)






【〖とうの昔に、気づいていたからなんでしょうね】〗






いつもより文字多めだからね!

割り勘、割り勘!!

ちなこれ学校のパソコンで全部打ったから。

めっいつもより文字多めだからね!

割り勘、割り勘!!

ちなこれ学校のパソコンで全部打ったから。

めっっっちゃ頑張ったから!!

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