#3
今日は、税理士さんの鷹津さんが来るため久遠さんの事務所へ
「こんにちは」とジェスチャーで挨拶して部屋に通される。
バックから領収書と家計簿を出して待っていると久遠さんが来た。「おはようございます。自警団の方は昨日、話を付けて来ましたので、しつこいやつじゃない限りは大丈夫ですよ」と伝えてくれる。
ペコッと礼をしていると「時期だな」と言いながら筆談セットを持ちながら入ってくる髭の中年。
鷹津さんである。
「俺が、最後か」と確認しドアを閉めてくれるためフードを取る。知らないが居そうな場所ではフードを外さない。姫関係で面倒だからと人見知りだからだ。
「では、始めるか。聞こえなくなったら言ってくれ、こっちに変えるから」と筆談セットを叩いている。
今月の家計簿・領収書を見せて説明。
先月、売った術石の売上を教えてもらい公式用の家計簿に記入。
基本的に石のお金は貯金している。必要な金額を下ろして使っている。
「そうだ」と久遠さんが、石鹸の事を説明。「で、一番人気の香料が観月作なので、売るか作り方を教えて欲しいそうだ」
「こいつは作り方を教える方だな。特許申請してくれ」と鷹津さん。
実は、商人の鷹津さん。会計士はボランティアだったりする。
私の石を卸売してくれたり、商品化しそうな物が在ると相談している
町の人は、私の事で相談するとき特に商売関係は久遠さんに話を通してくれる。
そして販売は鷹津さんがやってくれる。
最初は自分でやりなさいと言われて居たが、対人スキルが低すぎて代行するようになった二人。ボランティアで後見人・税理士をやってくれているからこそだな。
ちなみに、商品化とかのお話は、持ってきたがはが有料になっている。
「で、作りたかとサンプルあるかい」と言われるためバックをガサゴソさせて出す。
「これかい」
「多分。前回の石鹸はこれ。石鹸にしたらこんな香り」と実物をだす。
この後、畑仕事をするため手洗いセットをバックに入れていたのだ。
二人で香りを嗅いでいる。そんなに珍しい香りでもないが、ほのかに可愛い香りがするので、京子さんにでもあげようかな?とかおもって新しいのを持ってきている。
「こう言う香りはご婦人達が好きそうだな。他にも有るならついでに申請するが…」
「ある。これも」ともう一個出す。
こっちの方は、すれ違ってきた夫婦ににゃんにゃんな気分になる匂い。直接嗅いでは効果はないが、石鹸に入れてシーツとかを洗うと相手側が…となる物だ。
浮気防止に喜代ちゃんに依頼されて、皐月ちゃんと作った一品。売買権は貰っている。
「なんだこれ」と二人の中年。
「喜代ちゃんに浮気防止にって言われたから皐月ちゃんと作ったの。石鹸に入れて使うとにゃんにゃんしたくなる香り。直接嗅いでも効果はないけどね」
「はぁ!?何てもの作ったんだよ」
「だめ?」
「いや。ダメじゃないが…。長女依頼で次女共同制作って、どれだけ力入れたんだよ」
「うーんと。一滴で雰囲気。二滴で確実?だったかな?
母さん達世代で効果を試したら。
喜代ちゃん達が世代なら一滴で10個くらい作成したら毎日だった(汗)って言ってた」
「強力過ぎるだろう!!」
「え~。浮気防止でしょう?よそ見出来ないくらいにゃんにゃんすれば良い。そして、子供を作れば良い。但し夫婦限定だけどね」とニヤリッとしたら呆れられた。
「申請しとく」
「頼んだ」と力なく打ち合わせをしている中年
「お歳暮で贈る?」
「「いらんわ」」と怒られた。
なんで?
「他にもないか(危ない物は)」と聞かれたので、お気に入りのピン留め・マント留めを出した
桜のデザインの普通のピン留めみたいだが、実は人避け効果を掘っている。マント留めの方は対になっているから、これを着けている人は見失わない効果が着いている。
「で、これは」
「迷子防止ピン留めと対の迷子発見マント留め。但し、人見知りさん用」と胸を張って言うと「もうだめだ」と久遠さん「なんちゅうものを」と鷹津さん
何故か二人で慰め合ってる
「え。だめ?意外と注文あったりするよ。
溺愛中の嫁さんにとか狼族とかに」
「細々と注文受けろよ」と鷹津さんがツッコミをしてきたため「だって、知り合いだけに限定してたら、狼族で大ヒット。量産して~って言われたから特許申請して技術提供したら楽かな?と思ってね。最近の花嫁道具の一つになっちゃったんだもん(泣)」と説明をしたら納得された
「狼族は番を離さないからな。しかも、番は美人が多いし」
と言うことで、三品特許申請することになりました。
何故か疲れぎみの中年たち。好きなことをしているだけで周りに迷惑かけてないのに~と思って片付けをしているとドアがノックされ劉ちゃんが覗いてきた。
「終わりました?」との問いに頷く二人。
「妹さんどうにかしろ!!」「ほんとですよ」と言われ、私と商品を見て笑っている「加減していないのか?」
「喜代ちゃんの以外は、セーブしたもん」
「ならしかたないですよ。観月は気が向いた物しか作らないですので。それでもセーブしているものなんですよ」
「とんでもない物しか作らないのか?」
「とんでもない?便利グッズだと思いますよ。ピン留めしかり香料然り。まあ、浮気防止はすごいですけど」
「浮気するやつが悪い。子はかすがい」
「だそうです。連れてっても?」
「ああ。また、来週な。申請降りたら再度打ち合わせをするから」と見送られる。
フードを被り劉ちゃんに「どうしたの」と聞くと「畑仕事だ」と言われる。
どうやら父さんに連れてくるよう言われたらしい。
この時期、姫関係で忙しい。
多分、畑仕事でストレス発散するみたいだ。
畑には既に両親と京子さんが働いている。田んぼに水をはってたり畑でうねを作ったりしている。
みんなでやれば、2家族分は直ぐに終わる。さて、手伝いしますかと作業用に着替え鍬をもって行こうとすると、知らない人が目の前に立っている。しかも、帯刀している。
やだ。恐い。近くに来んな!!と思っていると誰かに庇われ抱き締められた。
抱きしめているのは母。
庇ってくれたのは父である。
母が「大丈夫だよ」と背中をなでてくれる。父が見えないようにしながら「なにようか」と問いだしている。
「すみません。この畑の持ち主ですか?我々の主が、米と言うものを所望してまして」
「断る。家族分しか蓄えがないのでな。ここら辺で、米を販売してほしいなら農協に行って来れ。多分あるはずだ」と説明。
「しかし」
「しかしじゃない。畑前に立ち入り禁止の看板見なかったか?
ここいらの者じゃないみたいだが…」
「見ましたがなにか?ただの畑には不必要じゃないですか?」
「各家々にはルールがある。それを破って置いて、いけしゃあしゃあと。出ていけ」と怒鳴る父だが相手も引きそうにない。
米と言うことは、ここら辺の人ではない。多分東。
あすこら辺の主食だったはず。帯刀していると言うことは有力者の関係者。
面倒臭い臭いがする。家に帰りたい。母の腕のなかで京子さんを見つけて手招き
「どうした?」と京子さん
京子さんの服を握りしめて母を見ると頷き
「おとーさん。一度連れて帰るから」と家に帰ろうとすると相手側が動く。
「お待ちください。まだ話が」
あー面倒臭い
母の腕を叩いて父の後ろにしがみつく。
珍しく対人モードに変更して「なによう」と問いかける
「貴殿が、飛翔か」
「ちがう。石を売ってるけど、神殿内限定」「別人か。では飛翔殿は」
「知らない」と答えておく。たまに拾った石を神殿に売るのは一般的。
「飛翔殿と時期が同じだが」
面倒臭い調べたんか!!「受診したから」
「成る程。たまたまだと」
「その後、家族旅行した。その分の旅費」と答える。
「あのときの温泉よかったわ」と母が言ってる「私も行きたかったです」と京子さん。
それを確認して納得したのか少しだけ離れていく。
なにかを考えていが無視。
母に近寄ろうとしたとき「すみませんが」と言われビックと父にしがみつく。
あまりにも過剰反応だったのか、母が抱き締めてくれ京子さんも心配している。
「なんだ。まだあるのか」と呆れる劉ちゃん。
「いま、このくらいのこの色の石持ってますか?」と石を見せていらしい
「みー。最近石を拾ったか?赤だが」
「拾ってない」とフルフル頭を動かす
“最近は”拾ってない。
「だとよ」
「残念です。米の件は農協に訪ねることとします。お手数を掛けました」と去っていく
あーやっと帰ったと安心していると帰るぞと父
多分、気が削がれたから明日やることにしたんだろう。
「母さん。劉一。着いてってやれ。片付けは俺がやる」と指示している
「そうね。帰って一休みしたいわ」とのことで帰宅。
「なんだったんでしょうね」
「今の時期、宝石・術石を欲しがる人が多いからな。たまに拾って来るから、目をつけられるのさ」
と説明している兄。迷子防止のため手を繋いでいる京子さんを引っ張って見つけたキラキラの元へ
「え?」
「な。見つけて来ただろ」と後ろから着いてくる家族。
草むらの中にはキラキラが5個くらい。青が多い。
「キラキラ」と笑うと「よかったわね」と母さん。「よかったな」と兄さん。ビックしている京子さん
キラキラをポケットに入れて満足して家に帰ると家の前に人混みが…
「なんだろね」と言い合い近づくと玄関前で姫と自警団。
「なにしてる」と劉ちゃんが声を掛けて行くと「劉一さん。妹さんが」と助けを求めている
「なにしてんだ」と姫に聞いている。姫の後ろには有力者。面倒臭いから兄さんの横を通り“ただいま”と家に入る
「どうゆうことだ。ここは彼女の別宅ではないのか」と有力者
「そう説明をしたのか?ここはお前の姉の家だろうが」と呆れて言っている
「私のだよ。みーがこんなの作れるはず無い」
「だから自分のか?お前が、後ろの人たちと遊んでいる間に、頑張ったからだろうが。それも解らんとは」といい家に上がって来る兄たち。
それを見ていた野次馬が解散。姉だけを残して有力者も去っていく。
なんだかなと思いながら石を箱に入れておく。キラキラは1ヶ月楽しめると笑っていると「何ニアケてるんだ?」と聞かれたので「キラキラ」と答えておく
「そう言えば“最近”は拾ってないだったな」
「うん“最近は”なかったよ」
そんな会話を聴いて驚いている京子さん。まだまだだな。
「あるんですか?」
「あるぞ多分」「あるはずだわ」「あるよ」と三者三ようの答える「みる?」ときけば頷くためキラキラ言わない石を棚からとって貰う。
棚のなかにはしきりが多くあり、キラキラ入れている箱を1個づつ入るようにしている
「これ」と 兄が無造作にとってくれた箱を見せる。
複数の色の宝石・術石達に驚いているみたいだ。
「すごいですね」「だろ」といいラブラブしているのを見ていてそう言えばと母とお茶を飲みながら思い出す
「いーもんほしい人」と声を掛けて注目させる。箱を棚にしまい近づく兄夫婦・なーにと母。
「これあげる。祝い。出来たでしょ?」と安産の祈りを込めて作ったネックレスを差し出す
「え!何でわかるんですか!!」と驚いている。
兄も驚いているところを見ると気づいたのは今朝かね。
「ほんとか」と聞かれ嬉しそうに頷く京子さん。
母をみると驚いているも嬉しそうである。
「母さんにも」と健康祈願を込めて作ったり髪紐。
「ありがとうね」と受け取ってくれる
兄たちに椅子をすすめお茶を飲む。
「本当に何でわかったんですか」とのこと「3つ心音したから」と答えておく
なぜかしらおめでたはわかるんですよ。
「よかったわね。双子かしら?」と母
今日は赤飯かな?と思いつつゆっくりする




