#21
朝、起きると横に居るはずの隊長が居ない。何で?と半身を起こして周りを見回していると起きたか。と入ってきた隊長。胸元のボタンを止めずにシャツを羽織っている。
「お早う。さっき久遠さん来てな、昨日の件を説明するために来て欲しいって言ってたぞ」説明してくれながら服を用意してくれる。1人で着れる。自分で出来ると言うも手伝ってくれようとするのには、ありがたいが止めて欲しい。今日も着替えた後、勝手に髪を結われてしまった。
も~と言いながら一緒に居間に降りご飯の準備をする。朝晩は共同。昼は分担。としている。何を食べる?と聞きながら食事を作りテーブルへ
「昨日のつってなんだろうね?」
「さあな。つけてきた理由もわからないしな」本当は、わかっているのかも知れないが、分からないと言って誤魔化してくれる。それは、優しさか?
朝食後、耳が大きめのフードを被り出かける。隊長は、茶色のズボンにシャツを着ている。出掛ける際は、迷子防止のフード止めを着けている。対の飾りは腰に挿してる刀に付いている。家の周りの森は危険が(私にとって)ないので護身用というか、対人用。
私自身も使えるけど、それは嫌らしく切迫詰まった状況にならないとかしてくれない。そう言えば、姫に会いに行って無いね~。新婚旅行で、会いに行きたい。などと会話をしながら鷹津さん達の店に行く。
「来たか」カウンターに珍しく居る久遠さんが気付いてくれ手招きされる。店にはおじさんと兄が居た。なんかあったのね。宜しく。そうお願いすると少し眉をひそめるが、分かったと近寄っていく隊長。ごめんなさい。とその背中を見送り久遠さんの方を見る
「顔が変わったな」苦笑しながら奥の部屋に案内してくれた。部屋には、昨日の人が並んでいた。1人は商人風の若者。1人は若者だが、町人とは雰囲気が違う。有力者がその影か…と心の中で思いながら勧められたた椅子に座る。
「お早う。この人たちが、君に用があるそうだよ。先ずは、商人のクレア君から」ペコッと紹介されて頭を下げるクレア君。
「初めまして、クレアです。貴方の名前は」
「聞かない方が良い。親しい人以外は、呼べない事になっているから」嘘を教える久遠さん。別に呼んでも良いよ。隊長が嫌がって合わせてくれなくなるだけで。
「そうなんですか。では、本題に行っても?」聞かれたので、頷く
「では。昨日のフード。あれを商品にしませんか?明るい色のフードに刺繍をしたら売れますよ」と興奮気味
そんな彼を見ながら手元の紙に“私の作品では無いんですよ。依頼の報酬として貰ったものなので、私にはできませんし許可も下ろせないですよ”と書いていく。書き終わったのを見せるとそんなぁと残念がっている。
「じゃあ、依頼人を」“知らない人。大抵はこの店を通してだけど、あの依頼は緊急性があったから受けただけ。名前も知らない”そう書き示すと更に落ち込んでいる。この国では、他人の作品を勝手に販売してはいけない。例え知らなくても、許可も無く売ると罰せられる。
「じゃあ、地道に探します」とショボんと帰っていった。
「さて、もう一人は」鷹津さんが説明しようとするとその声に被るように悲鳴が。
何かしら?ま、隊長も叔父さんが居るから大丈夫か。
もう一人の人は驚いているが、私達は普通にしている。
「何かあったんじゃ」腰を上げている
「大丈夫ですよ。今日は」笑っている鷹津さん。久遠さん。
「はぁ?どうゆう事だ」怪訝な顔をしている。
「ああ。あなたは知りませんよね。彼女と一緒に居たのは、元々神殿の武官ですから」説明しながら席に座るように進めている。
「レイ殿はここの出来た理由は?」
「知っている。元々神殿の退職者とその血縁者を集めた。そう聞いている」それが?と聞いている。
「それも有ります。ここの奥に私有地がありましてね。その主が快適に生活出来るようにって意味があるんですよ」鷹津さんが説明している。“そーなんだ知らなかった”そう言うとそうだろうと言われた。
「そう言えば、この奥に行けない様になっていたな。何故だ。それほどの人物が居るのか?」
「どうでしょう。それは、人それぞれでしょう」言いながらお茶を出してくれる。ありがとうございますと頭を下げる。
「さて、本題にいきますか。観月さん。こちらの方は、レーベルさん。略してレイさんだ。で、術石が欲しいらしい」紹介と用件を教えてくれるがキラキラ?限定販売しているじん。
「だよな。じゃあ。諦めてくれ」
「だが、然し!!それだと」切迫詰まった感じに言われたが、なんかね~
“何かあるんですか。久遠さん。叔父さん呼んできて下さい”お願いすると嫌な顔をしている。
「別に首を突っ込んで」そう言い入ってくる叔父さん。
“だって。守りたいみたいだし”
「は~。今の神殿は~」ため息している。何があるのかな?
「本来守るべき者を守らず、盾にする横暴さ。どうにかして欲しいな。うちのは、弱いのだから。無理はさせたくないが」ちらっとこちらを見てくる。
「観月はどうしたい?こいつに渡すと大変になるぞ」顔を見て聞いてくる。
“ここで、手を引けば男が廃る~なんてね。神殿が手を出せない所に行ってもらうわ”
「そんなところが…」驚いている。秘密だけどね。けっこうあるんだよ。
「お前。どこ出だ」ドスが効いた声で聞きながら入ってきた隊長。大丈夫か?と聞きながら抱きついてくる。
“お兄ちゃんは?”
大丈夫だ。といいながら抱き上げ膝にのせている。
「南ですが」少し困惑している。
「南なら。六の分だな。あいつなら“姫”が喜ぶなら良いよっていいそうだな」人からペンを取り上げすらすらと手紙を書いている。「お前の大事はなんだ?」聞きながら筆を止めない。
「歌姫です。本当に」
「歌姫か。女性だよな」
「はい」
「なら“姫”の良い話相手になるな。よし。これを持ってイースタに行け」手紙を渡している。
「ですが」
「なんだ?大切を神殿に奪われているのか?」なんともなしに言っている。
「それはないですが。イースタに何が」
「行ってみろ。全てを捨てても守りたいならばな」言い切ると帰るぞと帰宅を促される。頷くとそのままの体勢で運ばれる。多分だけど誰かを付けるだろうなと考えながら再び引きこもる




