#18
良い天気だなと思いつつ日向でまったりしていると後ろから悲鳴?が聞こえたような気がするが気のせいだろう。そろそろ双子の甥っ子達は学校かな?確認しないとと立ち上がり叔父さんに聞いてみようと居間に目を向けると倒され拘束されている人がいた。
誰だっけ?というか今日は来客の予定は無いはず。朝に隊長に確認した時はそういってたよね?と玄関から入ってきた隊長を見る。
頷きながら近づ居てくるため間違いない。そっと抱きしめピアスを触ってくる。
音を拾えとな?と疑問に思いながらも頷きながら促してくるため起動させると
「離せ!!俺を誰だと思う!!」との怒鳴り声。その声にビックリして隊長にしがみつくと微かに笑われた気がした。上を見ると笑いながら抱き締めてくる
「誰だと思う?」と聞かれたが、解らない為
「誰?」と聞くと笑いながら答えを教えてくれない。周りの人も笑いながら困ったもんだという顔をしている。拘束されている人は絶句しているし…
「観月は仕方ないな~。興味が無いものは記憶しないんだから」と笑っている隊長。
ダメですかね?興味が有ること以外は生活出来たらどうでも良いし。ここ数年は、隠居生活を満喫しつつ常連さんか友達の依頼しか受けてないけど。それで良いって言ってたじゃない。と睨み付ける。
そうだったな。と仲間同士で笑い合いながら「よく見てみろ」と拘束している人に注目するように促してくる。いつもは直ぐにと言うか目に入らないようにしている癖に珍しいと思い見てみる。
私と同世代位の男性。軍事と言うよりは事務方だろうと思われる細い体つき。衣服は上等な部類に入る物だろう。後は…あ~服に着いている十字のマークは…
「新しい神殿の関係者かな?」と呟くと耳元まで近づけて「そうだ」と答えてくる。
ビックと耳を押さえて顔を向けると後頭部を固定されそのまま唇を奪われる。
「なにするの!!」と多分顔が赤くなっているだろうと思うくらい熱くなりながら抗議すると「お仕置きだ」と胸に顔を押しあてながら言うのは如何なものですか。
他の人もいつも道理だと言う風に流さないでください!!助長しますから(泣)そして、問題解決。みたいに頷き合いながら連行していかないで下さい。このまま2人っきりにしないで下さい!!押し倒される!!っか離してください!!と抱擁から逃げ出そうと暴れてもどこ吹く風。暴れすぎて疲れてクタクタになった私を笑いながら抱き上げソファーまで移動。そのまま膝の上に座らさられる。
「最近体力落ちたな」と言われるが、原因はあんたら過保護集団のせいだから!!と言っていると「相変わらずですね」と元神殿長が入ってきた。
対面ソファーに座り「さて、どうして突撃を受けたかわかりますか?」と言われる。
どうしてって言われも「馬鹿だからでしょ?」と答えるしかない。何が馬鹿なのかと言うと新体制の神殿は“神子”を擁護する姿勢で尚且つ“保護”を“神子”が大切にするあまり怠ったせいで民衆や“保護”していた人からの批判。信用を底辺まで落とした。
そのせいで、医者や今までいた優秀な人材が流失。財源・人材の面で大変だとか言ってたな噂では~とと言うと頷かれる。
「他のところでも、人材を寄越せ。財源確保だ。といって横暴な事をしているそうです。今日のも術石を寄越せと言う趣旨の訪問でしょうね」と言いながら勝手に入れたお茶を飲んでいる。
村は流れてきた人達を受け入れ大きくなった。細工士や医者・癒しの手なども居るし武人達もかなりの数がいる。今はギルドに所属して近くの街との定期便や商人の護衛等をしたり農家の依頼を受けている武人。細工士は商人相手に品を卸している。癒しの手・医者等は近くの街や村等を巡回しながら診療所を開いている。それを聞きつけ長期滞在して治療している人もいるから有名になりつつある。「おっきくなったからね」と笑いながらソファーに下ろして貰うとそうですね。と笑っている。
「観月さんには色々頑張って貰いましたしね」と言ってくるが何かしたかしら?
「そうですか?困っているからと薬を出したり商品を流通させたり仮宿を作ったり私財を使って生活出来たらと言いながら無利子で貸出ししたりしているじゃないですか」と言われた。
「だってさ、仮宿を作ったのは病気を流行らせない為だし無利子で貸出ししたりしたけど、必ず返せる人だけ。医者・癒しの手は私が必要だから受け入れた。商品だって私が作って試しに使って貰っただけだよ」と言うとふふふと笑い合う男二人。
なんかもう良いと諦めてお茶を飲む。
「そうでした。こんなことより大切なことが!!」と何かを思い出したみたいだ。
「何?」とニヤニヤしている隊長に聞いてみる
「最近忙しかったかなら。お楽しみを用意した。あちらも丁度こちらに1度来てみたいと言ってたしな」と教えてくれるがなんのことやら解らない。なんの事。お楽しみって?と服を引っ張って聞いてみるがニヤニヤしている。
何がある?来るって事は誰が来るの?と聞いても教えてくれない。お楽しみって事だから楽しいことなのかな?何だろう~とウキウキ考えていると玄関から大きな音と共に「観月~」との声が…
この声!!と立ち上がり玄関に近づくと物凄い勢いで抱きついて来る人。
「観月だ~久しぶ~」と抱きついているのは二番目の姉。
「元気~」と笑いながらゆっくり近づ居てくる長女とお母さん。
え~何で居るの?つか仕事と家は~?
子供たちは?とビックリしていると「後から来るわよ」と笑っているお母さん。あれ?京子さんは?と疑問に思っていると「もうすぐ来るわよ。お父さん達も」と教えてくれる家族旅行?と聞いてみると「そんなものよ」と言いながら近づき顔を見てくる。
「色々有ったみたいだけど大丈夫見たいね」「「と言うか、あの人は当たり前のように要るんだね」」とソファーに座って居る隊長を見て眉間に皺を寄せている。
いつもの事だから気にしていない隊長。当たり前にお茶をすすめている。
あらっと言いながら居間に入りお茶を飲むお母さん。
「ほら、いつまでも引っ付いてるの?疲れちゃうでしょ?」と姉達を叱り座らせてくれる「どーしたの?」と言うと少し疲れた感じで笑いながら「あの子がやっと嫁入りしてね」と教えてくれる。紆余曲折あったが元々お話を貰っていた人に嫁に行ったと教えてくれる。やっと決着したんだねと言いながら居なかった時に起こった事を教えてくれる。わいわい話をしながら盛り上がる。
「そう言えば、大きいね」と感想を言っている姉。
一人暮らしにしては広い家。庭はそんなに広くないが、良い感じにしているからね~と言うと「違うから」と切って捨てられる。
?何が“大きい”の?と姉の顔を見てみると「解ってない!!ここの街の事を言ってるの!!観光とか色々できそうじゃん!」と力説しているが、そうかな?そうだっけ?と考えてみるが見るものなんかあるかな?と隊長を見てみる。
「観月はわからないと思いますよ」と頷いている。人が趣味に走っている間に発展したみたいだ。知らんかった。食べ物は定期的に八百屋が運んでくれるし消耗品は無くなる前に誰が勝手に補充してくれてたし。外に出ても森にしか最近行ってなかったな。客は押し掛けて来たり隊長達に伝達してきたりしてたから1年位町に降りてないな~と呟くと驚かれている。
「どうやって生活してきたの?」と呆れられたので、説明する。
「なんと言って良いかわかないけど、引きこもり過ぎだから。それを否定しないのも問題だけど」と非難した目で見つめている家族。「最近物騒だったので」と言い訳をしているが、どうだかといった目をしている。最近危ないんだ~と言っているとちゃんとしなさい!!と叱られました。




