第3話『6人のチーム』
――13人目。
その言葉が、頭から離れなかった。
「PLAYER 00……?」
俺たちは誰も動かなかった。
学校の屋上。
そこには、確かに誰かがいた。
白い仮面をつけた存在。
そして、その隣に立つ人影。
俺たちと同じプレイヤー。
なのに。
スマホに表示されている番号は――
【PLAYER 00】
「おかしくないか?」
一人が言った。
「俺たちは12人だろ?」
「……そうだよ」
「じゃあ、PLAYER 00って誰なんだ?」
誰も答えられない。
その時。
屋上の人影が動いた。
「……!」
12人が一斉に身構える。
しかし。
次の瞬間。
人影は消えていた。
「どこに行ったんだよ!」
誰かが叫ぶ。
俺たちは周囲を見渡した。
いない。
どこにもいない。
まるで最初から存在しなかったかのように。
その瞬間。
俺のスマホが震えた。
――ピコン。
画面を見る。
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【CODE 01】
《零番目の記憶》
【探索フェーズ開始】
【GAME AREA 01】
【制限時間】
# 24:00:00
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「24時間……?」
俺が呟く。
すると、画面の数字が動き始めた。
# 23:59:59
# 23:59:58
# 23:59:57
「カウントダウンが始まった!」
誰かが叫ぶ。
24時間。
この時間内に、何かを探さなければならない。
でも。
何を?
どこにある?
その時。
街中のスピーカーから声が響いた。
『CODE 01』
『第一段階を開始します』
空気が変わった。
『12人のプレイヤーを――』
『6名ずつに分割します』
「……何?」
全員のスマホが一斉に光る。
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【TEAM SPLIT】
【RED TEAM】
【PLAYER 01】
【PLAYER 04】
【PLAYER 06】
【PLAYER 08】
【PLAYER 10】
【PLAYER 12】
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【BLUE TEAM】
【PLAYER 02】
【PLAYER 03】
【PLAYER 05】
【PLAYER 07】
【PLAYER 09】
【PLAYER 11】
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「チーム戦……?」
俺たちは互いの顔を見る。
しかし。
まだ終わっていなかった。
『各チームに一つずつ――』
『同一のTAGを与えます』
街の中央。
巨大なモニターに映像が映し出された。
そこには。
二つの黒い箱が映っている。
赤い箱。
青い箱。
『TAGを回収したチームは、次の記録地点を選択する権利を得ます』
「それだけ?」
誰かが叫んだ。
スピーカーから返事はない。
代わりに。
画面に新しい文字が浮かんだ。
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【ただし】
【相手チームのTAGを奪うことが可能です】
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全員が黙った。
つまり。
俺たちは協力する必要がある。
でも。
同時に。
敵でもある。
『そして――』
声が続く。
『TAGを奪われたプレイヤーは――』
一瞬。
画面が暗くなる。
『感染率が上昇します』
「感染率……?」
俺が呟く。
その瞬間。
自分のスマホに新しい表示が現れた。
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【INFECTION】
【感染率:0%】
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他のプレイヤーも同じ画面を見ている。
誰かが叫んだ。
「これ、何のための数字だよ!」
答えはない。
ただ。
画面の下に小さな文字が表示されていた。
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【感染率が上昇すると】
【あなたはゲームに近づきます】
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「ゲームに……近づく?」
意味が分からない。
その時。
遠くから。
音がした。
――ゴン。
――ゴン。
――ゴン。
誰かがこちらへ近づいてくる。
ゆっくり。
確実に。
12人全員が振り返った。
道路の向こう。
そこに。
白い仮面が立っていた。
「……TAKER」
誰かが呟く。
白い仮面の存在が。
一歩。
前へ進む。
そして。
スマホに表示される。
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【TAKER】
【HUNTING MODE】
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「逃げろ!」
誰かが叫んだ。
12人が一斉に走り出す。
TAKERが動く。
速い。
人間とは思えない速度で。
俺たちを追ってくる。
「RED TEAMはこっち!」
「BLUE TEAMは反対!」
俺たちは二つに分かれた。
6人。
6人。
俺はRED TEAM。
仲間と一緒に走る。
背後から足音が迫る。
俺たちは必死に逃げた。
でも。
これはただの鬼ごっこじゃない。
俺たちには目的がある。
TAGを探さなければならない。
その時。
俺のスマホが震えた。
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【RED TAG】
【位置情報を取得】
【GAME AREA 01】
【残り距離:312m】
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「見つけた!」
俺は叫んだ。
「TAGはこっちだ!」
俺たちは方向を変えた。
しかし。
その瞬間。
「――そっちは違う」
仲間の一人が言った。
俺は振り返る。
「何?」
「TAGは反対だ」
俺はスマホを見る。
確かに。
俺の画面には、今いる方向が表示されている。
「いや、こっちだ」
「でも俺のスマホには反対って出てる」
おかしい。
同じチームなのに。
情報が違う。
「どっちが本当なんだよ!」
誰かが叫ぶ。
その瞬間。
背後から足音が響いた。
――タッ。
――タッ。
――タッ。
TAKERが近づいてくる。
「今は考えてる暇ない!」
俺たちは走り出した。
俺はスマホを握りしめる。
そして。
自分の画面に表示された方向を信じた。
その先に。
赤い光が見えた。
「……あれだ!」
建物の中。
そこに。
黒い箱が置かれている。
俺が走り寄る。
箱に手を触れた。
――ピッ。
ロックが解除される。
中に入っていたのは。
一枚のカード。
俺はそれを手に取った。
カードには。
一つの文字が書かれていた。
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# ZERO
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「……ゼロ?」
その瞬間。
全員のスマホが震えた。
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【RED TEAM】
【TAG RECOVERED】
【CODE 01】
【第一段階クリア】
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「やった……!」
誰かが叫ぶ。
しかし。
俺は喜べなかった。
ふと。
背後を見る。
TAKERがいない。
「……あれ?」
いつの間にか。
白い仮面の存在が消えていた。
そして。
遠くから。
別の音が聞こえてくる。
――ピコン。
スマホの通知音。
俺は画面を見た。
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【BLUE TEAM】
【TAG STATUS】
【UNCLAIMED】
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「……BLUE TEAMは?」
その瞬間。
俺たちの前に。
一つのメッセージが表示された。
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【CODE 01】
【第一段階】
【RED TEAM】
【TAG RECOVERED】
【BLUE TEAM】
【TAG UNCLAIMED】
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そして。
その下に。
新しい文字が浮かび上がった。
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【次の記録地点】
【RED TEAMが選択権を獲得】
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「俺たちが……選ぶ?」
俺は画面を見る。
すると。
地図上に三つの場所が表示された。
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【A:旧校舎】
【B:地下鉄駅】
【C:中央病院】
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俺たちは顔を見合わせた。
どれも。
行ったことのない場所だった。
俺が選択画面に触れようとした。
その時。
スマホが震えた。
――ピコン。
新しい通知。
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【WARNING】
【PLAYER 00がGAME AREA 01に存在します】
【現在地:不明】
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「……PLAYER 00」
俺は呟いた。
その瞬間。
校舎の屋上に。
白い仮面ではない。
普通の人間が立っているのが見えた。
俺たちと同じ服。
俺たちと同じスマホ。
そして。
胸元に。
白い数字が表示されている。
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# PLAYER 00
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その人物は。
俺たちを見下ろしていた。
そして。
ゆっくりと。
口を開いた。
遠すぎて。
声は聞こえない。
ただ。
俺には。
その言葉が分かった気がした。
「……まだ、始まったばかりだ」
次の瞬間。
PLAYER 00は。
屋上から姿を消した。
俺はスマホを見る。
そこには。
新しい文字が表示されていた。
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【CODE 01】
【第一段階終了】
【次の選択を行ってください】
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俺は三つの場所を見つめた。
この選択が。
12人の運命を変えることになるなんて。
この時の俺は。
まだ知らなかった。




