表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ガチャ転生!~異世界でFラン冒険者ですが、ガチャを引いてチートになります  作者: 武蔵野純平
ルドルのダンジョン編 |1章 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

63/99

第63話 ウォール登場~王位継承争いの対抗馬

1100pt達成しました☆彡

ブックマーク400件になりました☆彡

ありがとうございます!

今後もガチャ転生をご愛読よろしくお願いいたします。

 俺たちは、ヒロトルート5階層のボス部屋から撤退した。

 帰り道、エリス姫の騎士たちは激論を交わしていた。


「奴ら、どうやって低ランクの冒険者をボス部屋に連れて行った?」

「転移魔方陣であろうよ」

「6階層に転移して、階段を上がれば、すぐ5階層のボス部屋だからな」

「ならば、洞窟の転移部屋を封鎖するか? 兵糧攻めは、どうだろう?」


 確かに、それは一つの方法だ。

 ケビンは、ボス部屋にいた20人位の冒険者たちに、食料を届けなくちゃならない。

 兵糧攻めは、有効かもしれない。


「いや、転移部屋だけでは、ダメだ。1階層から順番に、階段を降りて行く方法もある」

「では、ダンジョンの入り口を封鎖するか?」

「そんな事をしたら、ルドルの冒険者全員を敵に回すことになるぞ!」


 ニューヨークファミリーのガシュムドたちは、高レベルパーティーだ。

 1階層から階段を降りて補給する事も、時間はかかるが無理ではない。

 マジックバッグを持っていれば、1回で大量の補給が可能だ。


「ならば、検問か?」

「洞くつの転移部屋とダンジョンの入り口の2か所で、24時間だな」

「待て! それは、人手が足りぬ」

「むう。姫様の守りが手薄になるな。そこを襲われては……」


 騎士たちの出した結論は、戦力不足。

 増援を待つだった。


 俺、セレーネ、サクラは、騎士たちの議論に加わらなかった。


 知り合いのパーティー『スケアクロウ』が、ニューヨークファミリーの傘下に入ってしまった。

 その事がショックだった。


 俺たちは、転移魔方陣を使って地上に出ると、まっすぐ冒険者ギルドに向かった。



 2の鐘が鳴っている。

 午後2時だ。

 夏の日差しが、厳しい。


 冒険者ギルドに着いたが、中には誰もいない。

 受付カウンターにも、ロビーにも、ギルド職員も冒険者たちもいない。


 エリス姫が、俺に質問して来た。


「ヒロトよ。今日は、ギルドは休みであったか?」


「いえ。朝、俺たちが来た時は、人がいました。裏にいるのでは?」


 冒険者ギルドの裏手には、解体場や訓練場がある。

 俺たちは通路を通って、裏手に進む。



 いた!



 冒険者やギルド職員が、訓練場を囲んでいる。

 みんな顔色が悪い。

 場の空気が……、異様な緊張をしている。


 ギルドマスターのハゲールとジュリさんもいた。

 真っ青な顔をしている。


 俺はジュリさんに話しかけた。


「ジュリさん! どうしたんですか?」


「ヒロト君、あれ……」


 ジュリさんは、訓練場の一角を指さした。

 そこには、血まみれの3人の冒険者が転がっていた。


 騎士たちが声を上げる。


「なっ!」

「これは!」


 訓練場の床は、血で染まっていた。

 尋常じゃない量だ。


 回復役のソベルさんが、倒れている冒険者の容態を見ている。

 だが、首を横に振っている。


 倒れている冒険者の顔が見えた。

 その顔に見覚えがあった。


「ディックだ……」


 俺にからんで来た3人組の1人だ。

 冒険者ギルドの訓練場で、俺がボコボコにした奴らだ。

 じゃあ、残りの2人は、トビーとジョージか?


 俺、セレーネ、サクラは、あまりに凄惨な光景に声も出ない。

 エリス姫も顔を青ざめさせて、俺の腕にしがみ付いて来た。


 ソベルさんが、ハゲールに報告した。


「3人ともダメです。出血量が多すぎたようで……」


 ハゲールは、ソベルさんに無言でうなずいた。

 唇が震えている。


 ハゲールは、訓練場の中央に立つ男に声を掛けた。


「な、なぜ、こんな事を! 3人とも、亡くなりましたよ!」


 その男は、甲高い声で、面倒臭そうにハゲールに答えた。


「ああ、そう。それは、可哀そうな事をしたねぇ」


 ネチッ! とした喋り方だ。

 俺は、声を聴いた瞬間に嫌悪感を抱いた。


 男の手には、高価そうな剣が握られている。

 余程、深く剣を刺しこんだのだろう。

 手元まで、べったりと血が付いている。


 男の元に一人の女が駆け寄りタオルを渡した。

 女の首には、奴隷の首輪が付けられている。


 男はタオルを受け取ると、何事もなかったように手を拭って剣を収めた。

 そして男が、倒れている冒険者を踏みつけてつぶやいた。


「弱すぎるな~。Lvが低すぎるな~。経験の足しにもならん……」


 エリス姫が叫んだ。


「ウォール殿! 何をなさるか!」


 ウォール?

 ウォールだって?


 俺は、エリス姫の執事のセバスチャンに、小声で確認をした。


「あの人が、ウォールですか? 王位継承争い対抗馬の?」


 セバスチャンは、頬をピクピクと痙攣させながら俺に答えた。


「ええ、あれが、そうです。アビン侯爵家の長男ウォール・オーランド・アビンです」


 あれがウォールか……。

 ウォールは、俺の想像していた男と違った。


 ウォールは、盗賊狩りや外国の戦争で武勲を持つ男だ。

 だから、筋骨隆々のマッチョな軍人タイプを想像していた。


 だが、俺の目の前にいるウォールは、軍人とはとても思えない風貌をしている。


 見るからに脂肪たっぷりの肥満体型だ。

 突き出た腹を、無理矢理に軍服に押し込んでいる。


 背は低く、足は短い。

 短めの金髪を七三分けにして、ピチッと油で撫でつけている。


 年は、25、6?

 いや、30才くらいか?


 ウォールの後ろには、10人の奴隷が直立している。

 全員魔道具の奴隷の首輪を付けられている。

 あれを付けられると、主人の命令には絶対に逆らえなくなる。


 男奴隷は、剣を腰にさしているが平服で裸足だ。

 女奴隷は、露出の激しい服を着ている。


 いや、ウォールに着せられているのだろう。

 そこに幼馴染のシンディがいない事に、俺はホッとした。



 エリス姫は、ウォールをにらみつけている。

 ウォールは、ニヤニヤといやらしい笑みを、エリス姫に返している。


 ウォールが、口を開いた。

 のんびりとした、厭味ったらしい口調だ。


「これは、これはぁ……。第三王女にして、王位継承候補筆頭のエリス姫ではございませんかぁ」


 エリス姫は、詰問する。


「何を暢気な事を、言っておる! そこの3人は、貴殿が倒したのか?」


「いかにもぉ」


「貴族と言えど、私闘に及び人を殺めるは、罪であろうぞ!」


「私闘? 違いますよぉ。不敬罪ですよぉ」


「何を……」


 突然、ウォールが大声をあげて、エリス姫の話を遮った。


「この者達は! 無礼にも! 僕を、侮辱したのだ! 侯爵家の長男の僕に!」


 ウォールは、顔を真っ赤にしている。

 エリス姫は、ハゲールに目をやった。

 ハゲールが、たどたどしく説明を始めた。


「た、確か……、あの3人は、ウォール様に、何か話しかけて……、それで裏へ行って……。ひどい悲鳴が聞こえて、駆け付けると、このあり様で……。でも、あの、ウォール様は、ご自分の家名は名乗らなかったので……、貴族とは知らなかった可能性も……」


 どうやらディック達3人は、また、やらかしたらしい。

 3人でウォールをいたぶるつもりが、返り討ちにあったのか。


 エリス姫が、真っ赤になってウォールの行いを咎めた。


「ウォール殿! 3人が何を言ったか知らぬが、何も、殺すことはあるまい!」


「いいや! このクソどもは、僕の事をデブとぬかしたのだ! 不敬だ! 万死に値する!」


 ウォールは、連れている男奴隷に八つ当たりしだした。

 腰に下げた乗馬鞭を握ると、男奴隷を手当たり次第に叩き始めたのだ。


 男奴隷達は、悲鳴を上げてウォールに許しを請う。

 だが、ウォールは、男奴隷達が悲鳴を上げる度に嬉しそうに片頬を釣り上げた。


 見かねたエリス姫が、止めに入る。


「ウォール殿! いかに奴隷と言えども、やり過ぎであろう!」


「うるさい! 奴隷は僕の所有物だ! 他人にとやかく言われる筋合いは、ないんだ!」


 ウォールは、剣を抜いた。

 エリス姫の護衛の騎士が、慌ててエリス姫とウォールの間に割って入る。


 ウォールは、クルリとエリス姫に背を向けると、壁際に直立する1人の女奴隷に歩み寄った。

 その女奴隷の周りから、他の奴隷が離れた。


 女奴隷は、恐怖に震えている。

 ウォールは、剣を握ったまま、女奴隷に乱暴な言葉を投げつけた。


「おい! オマエ! 死ね!」


 女奴隷は、唇を震わせながら懇願した。

 歯の打ち合う音が、ここまで聞こえて来た。


「……ご主人様、どうぞ、お許しください」


「うるさい! 死ね!」


 ウォールは、剣を女奴隷の腹に突き刺した。

 引き抜いては刺し、引き抜いては刺しを繰り返した。

 すぐに、女奴隷は倒れて動かなくなった。


 ウォールは、エリス姫の方へ向き直った。

 満面の笑顔だ。


 エリス姫の前に立つ騎士たちも、真っ青な顔をしている。

 エリス姫は、気丈に振舞った。


「ウォール殿! なぜ殺す! それも女ではないか!」


 ウォールは、甲高い声で笑い出した。


「ハハハぁ~! 違うねぇ。これは、僕の奴隷だよ。奴隷は、人間じゃない。物、家畜、動く肉だ」


「だからと言って! 理由もなく殺すなど!」


「良いんだよ! 理由もなく殺して! 奴隷なんだからねぇ。こいつらは、僕の所有物だ。いいかい? 第三王女様、良くお聞き下さぁ~い。ど、れ、い、は、人間じゃなぁーい! フー!」


 ウォールは一声叫ぶと、今度は男の奴隷に剣を突きさした。

 男奴隷が悲鳴を上げるが、ウォ-ルはお構いなしに剣の抜き刺しを繰り返す。



 奴隷に人権はない。

 ウォールの言った事は、間違っていない。


 どこの国でも、奴隷は家畜と同じ扱いだ。

 生殺与奪の権利は、主人が持っている。


 だが、ここまでイカレた事をする主人はいない。

 自分の評判が悪くなるし、人格を疑われる。


 サクラが、【意識潜入】で話しかけて来た。

 この状況の割に、落ち着いた印象だ。


(ヒロトさん、ウォールを調べますか?)


(ああ、俺はウォールを【鑑定】する。サクラは、【意識潜入】してウォールを探ってくれ)


(わかりました!)


 俺は、ウォールにスキル【鑑定】をかける。

 その瞬間、ウォールの動きが、止まった。


「おやぁ? 誰か僕を【鑑定】しているねぇ?」


 まずい、気が付かれた!


 ウォールは、【魔法察知】や【気配察知】やのスキルを持っていた。

 スキル【鑑定】が発動した際の、微弱な魔力か何かを感じ取ったのだろう。


 いや、【魔法察知】だけじゃない。

 ウォールは、異様な量のスキルを所持している。

 これは一体……。


 サクラが、【意識潜入】で話しかけて来た。


(ヒロトさん! ウォールは、地獄からの転生者です。奴隷を殺して寿命が増えたと、今、考えていました)


(地獄帰りかよ。それで、ニューヨークファミリーの後見をしているのか)


(おそらくそうでしょう)


 ウォールは、ニヤニヤと笑いながら楽しそうに、訓練場に集まっている人達を眺めまわしていた。

ポイント評価は、下よりお気軽にお願いいたします☆彡

ヽ(^o^)丿

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

■お知らせ■

蛮族転生! 負け戦から始まる異世界征服2巻

2026/1/23に『蛮族転生! 負け戦から始まる異世界征服』コミカライズ2巻が発売されました!
ISBN:9784046847034
出版社:KADOKAWA MFC

全国の書店、Amazon、電子書籍サイトにて、ぜひお買い求め下さい!

蛮族転生! 負け戦から始まる異世界征服2(Amazon)


★☆★ランキング参加中です!★☆★

クリック応援よろしくお願いします。

小説家になろう 勝手にランキング

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ