表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

おはよう

 私の学友に故人がいる。枕元にはろうそくとりん、それから線香立てを写真の前に置き、毎晩「おやすみ」と言いつつ火を灯している。


 聞く所によると、ろうそくの火は黄泉の国の人にとっての目印になるという。

つまるところ現世に来るのはろうそくが灯されている間中であって、決して我々が起きている時間ではない。

こちらとしては大変なジレンマだが、要するにこちらの「おやすみ」は彼等にとっての「おはよう」に相当する。


 ところで、よく故人に対して眠るという語を使いがちだが、これは「おはよう」という言葉の上に在る様に思われる。

尤も、直接的な表現をするまいという使い手の心情はろうそくの灯りよりも明らかであるが。


 又、先述の「おやすみ」という言葉は「おはよう」と対の存在として扱われるが、あくまでこの二つは両立するものであり、一種の呼応と言えよう。


 しかし、その呼応が時間軸でなく、時空的な広がりを見せたらどうであろうか。

黄泉の国が年中無休であるかは分からないが、もしそうであるならばきっと応えてくれよう。

その時彼等は眠りから目覚め、こちらに「おはよう」と云う。


 そして彼等が又眠る時、我々は「おはよう」という一声から一日を始めるのだ。

そして、もしこの文字通りの夢物語が実現したなら、彼等と黄泉の国は一つの実体としてこちらに「おはよう」と告げるだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ