表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

ラッキー

 先日、学校から卒業祝いで思いがけずプリペイドカードをもらった。

誇らしげに高校の校舎が印刷されていた為に、人前で使うのは憚られた。


 最近はキャッシュレス決済をする機会が多い。特に現金の残高が少ない時は口座から下ろさずに支払いが出来る。

しかし件のプリペイドカードは中々使える店が限定されており、見た目も相まって使いづらかった。


 ふと訪れたコンビニで、現金の持ち合わせが無い時があった。

おずおずとプリペイドカードを使えるか申し出たところ、支払いに使えるという返答だった。

取り敢えず安心してカードを出すと、レジスターに吸い込まれたカードの残高が四千円強であった。

おや、案外良いものであったでないかと感心したが、その瞬間にそのカードは只の支払い手段と化してした。

一種の躊躇いや勿体なさというのは消え失せ、カードに刻まれた若干の恥と内輪的な感情は金券に変わってしまった。


 そう思い乍らコンビニを出て、穴の一つ空いたカードを見つめた。この穴が増える度に特別感は更に失われてゆくのだろう。普遍的なものになりゆくのは当然の摂理だが、やはり金銭的な側面を自覚するとげんなりした。

学舎で得たラッキーは、穴が開くにつれて段々と零れ落ちていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ