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ラッキー
先日、学校から卒業祝いで思いがけずプリペイドカードをもらった。
誇らしげに高校の校舎が印刷されていた為に、人前で使うのは憚られた。
最近はキャッシュレス決済をする機会が多い。特に現金の残高が少ない時は口座から下ろさずに支払いが出来る。
しかし件のプリペイドカードは中々使える店が限定されており、見た目も相まって使いづらかった。
ふと訪れたコンビニで、現金の持ち合わせが無い時があった。
おずおずとプリペイドカードを使えるか申し出たところ、支払いに使えるという返答だった。
取り敢えず安心してカードを出すと、レジスターに吸い込まれたカードの残高が四千円強であった。
おや、案外良いものであったでないかと感心したが、その瞬間にそのカードは只の支払い手段と化してした。
一種の躊躇いや勿体なさというのは消え失せ、カードに刻まれた若干の恥と内輪的な感情は金券に変わってしまった。
そう思い乍らコンビニを出て、穴の一つ空いたカードを見つめた。この穴が増える度に特別感は更に失われてゆくのだろう。普遍的なものになりゆくのは当然の摂理だが、やはり金銭的な側面を自覚するとげんなりした。
学舎で得たラッキーは、穴が開くにつれて段々と零れ落ちていった。




