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ちびっ子猫口調TSサタンちゃまは悪魔ガチャで頼れる部下を集め、仲間と一緒に異世界大陸を楽しく冒険するにゃん♬  作者: 大空司あゆむ
日本クエスト編

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サタンちゃまと剣山の大蛇6 鋼鉄の守護者

 

 目的の穴掘り系悪魔モングーラを引き当てた俺はとりあえず、残りの悪魔たちをファイルに仕舞った。

 なにせ狭い崖付近でハズレ悪魔たちで大渋滞を起こしていたからな。(失礼、しかしレッドデビルばかり出すと言いたくなる)


「いや〜しかしサタン様は昔から変わらずお綺麗でスタイル抜群ですな」

「にゃっ!」


 モグラ型悪魔モングーラが俺に対して、あさっての報告を向きながら世辞を言い始めた。

 色々と突っ込む箇所があったが先にメリーが指摘した。


「ちょっとどこ向いて話してんのよモグラ。それにアンタの目は節穴? この垂直筒形ボディのちびっ子のどこがスタイルバツグンに見えるのよ?」

「にゃっ!」


 事実だとしても言い過ぎだメリー。ちょっとは出す言葉をオブラートに包めと言いたい。

 しかし俺の姿が見えてないのか彼は反対側に頭を向けて挨拶したな。でも責めないよ。だって目が退化して嗅覚頼りのモグラ型だからな。


「いやぁ〜すみません。ぼ〜としてました」


 頭を掻いてモングーラが向き直った。

 しかし彼の特長が良く分かった。ゴマすりと嘘つく癖と細かいところと少々難ありな性格だな。


『……』


 ちょっと難ありどころじゃないな……。


「モグラッちょっとこの下穴掘ってくれない?」

「はあぁっ? 誰がモグラだと小娘っ!」


 メリーに対してモングーラがお尻を向けて恫喝した。いやいや、見えてないだろそっちだよ。


「ちょっと……アンタさぁ、その姿形はどう考えてもモグラ以外何者でもないわよ」

「…………ぼ、僕はモグラじゃない。穴掘り悪魔モングーラだっ!」

「一緒よっ!」


 名前に関してこだわりを持ったモングーラはそこは譲れない。メリーも意地っ張りだからお互い睨み合って、しばらくこう着状態が続いた。

 で、このままだと日が暮れるので俺が止めに入ることにした。


「やめるにゃモングラー!」

「…………サタン様先ほど僕の話聞いてましたか?」

「にゃにが!」

「モングラーって怪獣みたいじゃないですか? いいですか僕の正式名称はモングーラです」

「にゃっ!」


 しっかり上司の間違いを修正したモングーラが、竜神さまが示した地面を掘り始めた。


「ほうっここだけヤケに柔らかい土ですよ。まるで一度誰かが掘ってから埋めたみたいですな」


 モングーラが結構重要なこと言って土を掻き出し掘り進めて行く。で、俺たちはちょっと待ってから後をついて行くことにした。


 モングーラはジグザグに穴を掘り進め、訳60メートルほど掘った先に、体育館ほどの空間が現れた。

 結構深く掘ったので垂直だったら落ちて死んでたな。


「本当に剣山の地下にこんな人工的な空間があるなんてね」


 メリーが空間を見渡した。そこにはポツンと石で出来た神殿が建ててあった。


「この神殿はいつの時代かしら?」

『ふうむ……かなりの年代モノらしいが……んっ?』


 竜神さまが足元に転がるなにかを拾った。


『コレはスマホじゃないか……』

「スマホッ?」


 手のひらサイズの黒い板状のなにかを拾った竜神さまにメリーが首を傾げた。


『現代人のお前たちは知らんのも無理はない。コレはスマートフォンと言って今から三百年前に使われていた通信機器だゾイ』

「これが昔の通信機って訳ね……て、ちょっと待ってそれじゃこの神殿は三百年前に建造されたってこと?」

『そうじゃ太古の昔に比べたらつい最近の時代じゃ』

「う〜ん……じゃあ、一体誰が……」

『神殿の中に入れば分かるじゃろ』


 結局はそうなるか……俺たちは神殿の中を調べることに決めた。


「じゃあ僕は入り口を見張ってますからサタン様はどうぞ先に」

「にゃっ!」


 俺にそう先を譲ったモングーラは穴掘りして身を隠した。別にいいけど主人を一人にするなよ。


 ギリシャ神話的な神殿の中は中世ヨーロッパ風の広大な空間だった。そして中央奥の祭壇に3メートルほどの長方形の宝箱が置かれていた。

 金と宝石の宝飾で彩られたその宝箱は置き場所も相まって、なにか神聖な入れ物に見えた。


「ちょっとアレって凄いお宝が入ってるんじゃない?」


 目を輝かせたメリーが、俺たちを見ながら宝箱を指差した。


『しかしなぁ、ここの守護神を倒さねば宝箱は開けさせてくれんみたいじゃな……』

「なにっ竜神様っ?」

『来るゾイッ戦闘準備じゃ皆の者用意せいっ!』


 ガチャガチャガチャッ……


 神殿の奥の通路から金属が擦れる音が近づいて来た。


『シュー〜〜ッ』

「ちょっとなによアレ!」


 通路に全長20メートルの機械仕掛けの蛇が姿を現し、宝箱を中心にとぐろを巻き鎌首をあげた。


「ほうっこの神殿の宝を護る守護者(ガーディアン)ってところか……」


 アゴを撫で回しヤケに嬉しそうに呟くシン・中島だが、すぐにうしろにさがった。


「ちょっと中島っ逃げる気?」

「黙れツインテールッ!俺が得意とするボディストップスキルは機械には通じねーんだ。だからあとは頼むぜ」

「ちょっと!」


 シン・中島は唖然とするメリーの手を叩いて石柱の陰に身を隠した。

 あ、やっぱり小者だ……。


『ギチギチ……』


 機械仕掛けの大蛇が鉄の舌を出し入れして臨戦体制に入った。

 宝箱を開けるには鉄大蛇と戦うしか手はないけど、一体誰がこのガーディアンを宝を護るために設置して行ったのだろう……?


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