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ちびっ子猫口調TSサタンちゃまは悪魔ガチャで頼れる部下を集め、仲間と一緒に異世界大陸を楽しく冒険するにゃん♬  作者: 大空司あゆむ
日本クエスト編

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サタンちゃまと友達

 

 天草市の金ピカスライム騒動から一夜明けてから、早速次のクエスト地の沖縄に向かった。

 沖縄まで海を渡る長距離だけど、飛行機を使わずに空飛ぶ車で行ける便利な時代になった。

 その代わり運転手の、サガネさんと谷川シェフとエイト(たこ焼き屋)には感謝だな。


 エアカーは航空機の制空権より下を飛行しなくてはいけない法律になっている。だから飛行機とぶつかる危険性はないし、道路と同じく車線で仕切られているのでエアカー同士正面衝突は滅多にない。

 まぁ、なんと言っても広い空だから道路みたいに渋滞にならないんだ。

 しかしまぁ、この身体が一生成長しなかったら運転免許取るのは無理だな。


 俺はいつものようにベッドの脇に座り足をブラブラさせていた。その隣にメリーが座り漫画本を読んでいた。

 なにをしようかと考えていたら、唐突に着信が入った。


 自分以外聞こえない電話音が脳内に鳴り響いた。当然隣に座るメリーは漫画本に夢中だ。

 昔は薄っぺらい板の携帯端末で電話してたみたいだけど、今は脳に埋め込まれたチップによってテレパシーみたいに、遠くの人と会話出来る。まぁ、最初頭に埋め込まれた時は怖かったけどな。


 で、着信が入ると電子音で教えてくれてスクリーンモニターを開くと、誰が掛けて来たのか名前が表示される仕組みだ。

 掛けて来たのは、


『ようっ久しぶりだな神崎』

「にゃっ!松川っ!」


 唯一の親友でクラスメイトの松川大吾だ。

 この身体になってから色々あり過ぎて、松川の存在をすっかり忘れていた。


『おいおいっマジで幼女になったんだな? しかもその口調って猫かよお前?』

「……ワ、ワザとじゃにゃいにゃっ、こ、この口調にゃ避けることが出来にゃい。仕様でアタチは強いられてるにゃ……」

『はっはっなんだよ仕様って意味分かんね〜クソ受けるな』

「……笑いごとにゃない。コッチは深刻にゃ……」


 久々に聞いた松川の軽薄な笑い声。

 コイツは親友と言ってもそれほど交流が深い訳ではない。実際頻繁にプライベートで遊んだりしなかったからな。

 なんつうか、お互い最下層同士なぁなぁで付き合っていた関係。だからあんまり松川といても楽しくはなかったな。

 メリーたちと交流してから、それがより良く分かった。


『ところでお前はヒマでいいよなぁ?』

「にゃっ?」


 いきなり松川はなにを言っている。まさか、俺を(あお)ってるのか?

 別にいいけど。俺がヒマな訳ないだろう。

 確かに今は車内でヒマを持て余しているけど、それはクエスト地に到着するまでだ。

 そのあと到着するなり聖女さまの犬にされた俺は、クエストの最前線に立たされる。(口調は猫だけど……そこ本当にややこしくて困る。犬呼ばわりされるならワンコ口調だろって)


『にゃじゃねーよ神崎。今自宅でニート生活だろ?』


 どうやらあの日。スカウトされて先に会場をあとにした松川は、幼女姿になった俺は誰にも選ばれずに家に帰って、授業が再開されるまで家でニート生活してると決めつけ勘違いしてるみたいだな。


 まぁ確かに、幼女なんて仲間にしたって足手まとい以外考えられないから、ロリコン以外はまず声を掛ける酔狂な冒険者はいないと見たんだろ。

 しかし、いたんだよなぁその酔狂な冒険者が……。


 俺は優雅に紅茶を飲んでいる聖女さまをチラ見した。


『俺をスカウトしてくれた冒険者さんはうだつのあがらないオッサン冒険者だけどよぉ、なんとか楽しみながら一緒に冒険してんのよ』


 聞いてないのに一方的に喋る松川だ。それはまるでマウント。上流に比べて微妙な自慢話。それでも聞いてて気持ちは良くない。

 つまりコレが、松川を親友と呼んでいいのか違和感がある要素だ。


『でっ、お前マジでどーすんの? まさか一人で居残り授業受けてんの?』

「……ごめん松川……」

『はっ?』


 なに素っ頓狂な声を出してんだよ。

 この際はっきり言ってやる。


「今(アタチ)は白銀の聖女さまにスカウトされて冒険で忙しいにゃっ」

『はあっ!? は、白銀の聖女様って超有名冒険者じゃねーか……た、確かに会場に来ていたけど、まさかなんでよりに寄ってお前を?』

「……」


 松川はマウント取りに電話したハズなのに、俺に逆マウント取られて混乱しているみたいだな。


「事実にゃっ、詳しくは言えにゃいけど、聖女さまはアタチの能力を見抜いて声を掛けてくれたのにゃ」

『……なんだよそれっ……マジで言ってんの?』

「事実にゃ」


 まだ信じてねーな。まぁ、認めたくないのは分かるよ。


『……そうかい……んじゃあ、俺忙しいから切るわ……』


 プツッ……


 マウント取れなくなって一方的に切りやがった。

 本当なんなんだろなぁ、全然楽しくない電話だった。


「ちょっと!なに一人でブツブツ会話してたの? 気持ちわるい……」

「にゃっ!」


 漫画本を閉じるとメリーが振り返り聞いてきた。

 この世界の常識をあまり知らない彼女に俺が電話の仕組みと、松川との会話を説明すると静かにうなづいた。


「ふ〜ん……ちびっ子にも友達いたんだ……」

「にゃっ!」


 失礼なっ!

 なに気ない陽キャの返しに、陰キャな俺の心に矢が突き刺さった。


「でもさ、そいつは本当に親友かよ〜く考えた方がいいと思うよ」

「そ、そんにゃこと言っても……」


 キツい忠告メリーはまた漫画本を開いて読み始めた。まぁどうせ絵だけを追って見てんだろうけど。


 それより松川が親友じゃなかったら、俺はトモダチと呼べる仲間がいなくなる。

 横に座るメリーなんかは果たしてどうだろうか?

 俺と友達か聞いたら頭殴られそうだから黙った。


『 トモダチ 』


 ぼんやり考えていると脳裏に見知らぬ声が浮かんだ。

 その声は機械的な音声だけど温かく俺に呼び掛けているように聞こえた。


 気のせいか、いや、誰だろう?


 誰か思い出せないけど何故か、とても懐かしい声に聞こえた……。


このあと、サタンちゃまの残り追加仲間予定は三人。

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