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ちびっ子猫口調TSサタンちゃまは悪魔ガチャで頼れる部下を集め、仲間と一緒に異世界大陸を楽しく冒険するにゃん♬  作者: 大空司あゆむ
日本クエスト編

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サタンちゃまと皆んなで食事

 

 俺たちが牛タン屋に入ると店員や先客たちが振り返り二度見した。全く失礼な話だが、なにせ聖女さまと角がある竜神さまが入って来たんだ。注目されるのは仕方ない。

 前者は有名人で後者が角と尻尾が生えた幼女。まぁ悪く言えば、イベント帰りの目立ちたがり屋の頭の逝かれたコスプレーヤーに見えたんだろう。


 俺たちは奥の席に着くと牛タン定食を頼んだ。もちろん全額聖女さまの奢りだ。

 彼女はチームのリーダーだから当然と言える。それだけに日本政府からお金を貰っている証拠でもあるな。


「ねぇっ竜神さまはなんで怒ってたの?」


 早速メリーが竜神さまに聞いた。

 デリケートな質問を躊躇(ちゅうちょ)なく聞ける。

 もっとも無神経な点は置いといて、彼女の行動力は見習うべきだな。


『そりゃあ我の聖域に魔王の配下が魔物を置いていったからじゃ』


 偉そうに腕を組む竜神さまが答えた。

 しかしそれってつまり外来種の不法放流と一緒だな。

 やはりと言うか、魔王の配下が置いていったと言う事実は重要な証言だな。


「竜神様っそいつはどんな奴でぃ?」


 肉厚牛タンを歯で千切ってから谷川シェフが聞いた。


『ああ、今でも覚えておる。短髪の美形で男の癖に化粧した魔族だったワイ』

「ソイツはまさかっ!俺の家族を無茶苦茶にした13(トレデキム)構想楽団幹部の一人。美の死将ノクトゥルスじゃねえのかっ!?」

『落ち着くんじゃ谷川』


 立ちあがった谷川シェフが身を乗り出し聞いた。

 彼の壮絶な過去を知っているからカッとなる気持ちは分かる。だけど竜神さまは彼をなだめた。


『奴がその美の死将か分からんのじゃが……美にこだわっていたところによると……関係者かも知れんな』

「それはいつのことでっ!?」

『じゃから落ち着くんじゃ谷川〜まぁその、確か半月ほど前じゃったかなぁ……』


 竜神さまは忘れ掛けた記憶を掘り出そうと天井を見げた。


「それじゃソイツはまだ日本にっ?」

『ああ、まだ居る可能性はあるじゃな』

「だったら急いでソイツをっ!」

「待ちなさい」


 我を忘れた谷川シェフが一人店を出ようとしたので、聖女さまが呼び止めた。


「なんでぇ聖女様……」

「そんな手掛かりも無しに闇雲に探すより、残り四つのクエストをこなしてその最中に、貴方が追っている死将と出会す可能性が高いと思わない?」

「……確かにそうだな……」


 聖女さまの考えに納得した谷川シェフが席に戻った。


「ところでよぉ……」


 話題を変えた谷川シェフが鋭い目でエイトさんを睨んだ。すると肩をビクつかせる気弱な天使。


「天使さん黙ってるけどよぉ……アンタ色々知ってるんだろ?」

「……………………………………なっ、なにを?」


 歯車が錆びた機械人形のようにエイトさんの首が、ぎこちない動きで谷川シェフに向けた。

 しかもメッチャ沈黙ためたし動揺している。天使だけあって嘘がつけない正直者だ。


「日本政府が隠している三百年前の出来事と三年前から始まった異世界大陸の出現と魔王は関係あるのか?」

「……………………………………………………かっ、関係無いのだ…………………………………この店はクーラー効いてないのだ……」


 長い沈黙のあとエイトさんは店内を見回すと、額の汗をハンカチで拭ってそう言った。

 クーラーはちゃんと効いてるし嘘が下手な天使だ。それに店に失礼だろ。その言い訳は……。


「と、とにかく知っていても今は言えないのだっ!」


 簡単に口を滑らすと思いきや、案外口が(かた)いエイトさんだ。


「そうね。全てのクエストを終わらせ、異世界事変対策本部広報の朱雀さんに秘密を教えてもらいましょう」


 聖女さまの意見に皆うなづいて意見する者はいなかった。しかしエイトさんが手をあげた。


「あらどうしたの天使様?」

「聖女様一つ気になることが……」

「呼び名は聖女でいいですよ天使様。それでなにか?」

「……現勇者は魔王を倒せる実力を持っているか知りたいのだ」

「あら……あのクズ勇者のことですか……」


 酷い言い方だけど、女好きで人を見下す軽薄勇者ガレオにはピッタリな呼び名だ。

 しかしたこ焼き屋は何故か勇者の動向が気になるらしい。


「あーーアレは魔王を倒すのは無理なのだ。他に有力な勇者は現れてないのか?」

「それなら本命と言える奇跡を起こした少女の元に着々と名のある英雄が仲間になっているそうよ」


 聖女さまでなくメイドのサガネさんが答えた。どこで仕入れているのか、異世界大陸の最新内部事情に詳しい。


「……それは不味いのだ……」

「なにが不味いのよったこ焼き屋?」


 箸を片手にメリーがエイトさんに聞いた。


「……先に勇者に魔王が倒される事態になったら……この世界は終わるのだ……」

「はあ〜? 勇者様が魔王を倒せば一件落着じゃないの?」

「……そんな単純な問題ではないのだ……今はまだ詳しくエイトからの口から言えないのだが……確かに勇者は魔王を倒せる。しかし、完全に魔王の魂を消滅させることは出来ないのだ」

「それって魔王は無敵ってこと…………?」


 絶望的な情報を聞いてメリーの表情が曇る。しかしエイトさんが首を横に振った。


「い、今は言えないのだが、ここにいる聖女パラルなら魔王を完全に倒すことが出来るのだ……」

「マジで? それじゃ勇者一行と一緒に冒険して最後に魔王の首を、聖女様が勇者に譲ってもらうのはどうかしら?」

「確かにいい手なのだが……その勇者が譲ってくれるか未知数なのだ……」

「だったらなによっ!そんなに魔王討伐を勇者に先越されるのが不味い訳を言いなさいよ!」


 カッとなって立ちあがったメリーがエイトさんに指差し聞いた。

 確かにもっともな話だ。駄目だ駄目だと言われ訳を一切言わないエイトさんに皆苛立っている。

 勿体ぶらずにせめて訳を言ってくれればなぁと俺は思った。


 しかしエイトさんは『全てのクエストを終えた時に知ることになるから今は冒険に集中するのだ……』と言って皆をなだめた。

 まぁ、ここでエイトさんを尋問しても決して口を割りそうにないし、コツコツと残り近畿、四国、九州、沖縄のクエストを終わらすしかないね。


 このあと食事を終えた俺たちは仙台で一泊(当然ドケチ聖女さまの指示で車中泊だ)してから翌日東京に戻ることになった。

 しかし、政府依頼クエストは残り四つか……真実を知るまでもう少しだな。


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