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竿斬りの舞  作者: 凪子
第八夜
84/146

84.

「もしもし?」


『この女は預かった』


朋子の声ではなく、変声器らしき不自然な声が応じた。


全身が総毛立そうけだつ。


「あなたは誰」


鋭く詰問する。だが電話の主は答えない。


代わりに、すすり泣くような声が聞こえてきた。


「朋子?……朋子!」


『返してほしければ、狭山一詩の竿を斬れ』


「朋子に何をしたの」


自分のものとは思えないほど低い声が言った。


『竿を斬れ』


「あの子に何かしたら許さない。朋子を返して。返しなさい!」


『竿を斬れ』


まるであざ笑うかのように、その声は言った。


そして、


『舞?舞なの?』


「朋子!そこはどこなの?怪我はない?すぐ助けにいくから、場所を教えて!」


朋子の声は涙に滲んでいた。


『分からない。分からないよ……気がついたらここに』


鈍い音と共に、『うっ』とうめき声が響いた。


「朋子!」


舞は喉が割れんばかりに叫んだが、電話は無情にも切れた。


「分かったかしら?早く指令を実行に移さなければ、大切なものがどんどんなくなっていくわよ」


一瞬、警察が頭に浮かんだが、日向野の権力は竿斬りさえもみ消してしまえるのだ、朋子の失踪など問題にならないだろう。


自力で探し出すしかない。


舞は今まで感じたことのないほど強い憎しみをこめて、女帝を睨み上げた。


「……外道」


走り去る舞の背中を、女帝の高らかな笑い声が追いかける。


「逃げてもいいわよ。お友達がどうなっても構わないというのならね」











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