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竿斬りの舞  作者: 凪子
第八夜
82/146

82.







「どうして……」


どれくらい時間が過ぎただろうか。


真っ白になった頭を抱えたまま、舞は呆然と問いかけた。


「どうして彼なのですか。狭山一詩は性犯罪者ではないし、SPOとも関係がないはずです。なのにどうして」


女帝は腕を組み、艶然えんぜんと微笑みかけた。


「関係大ありなのよ。狭山コーポレーションは、北山組に多額の資金援助をしているの。SPOの経営母体けいえいぼたいはあの会社であると言ってもいいくらいよ」


頭を鈍器で殴られたような衝撃に、舞はよろめいた。


「狭山は地上げ屋として北山組を利用し、SPOは狭山の資金援助によって活動している。その大元を断たなければ、SPOを壊滅かいめつさせることはできないわ」


「だからといって、竿を斬ったところでどうなるのです。そんなことをしても、打撃を与えることにはなりません」


舞は青ざめたまま言い返した。


女帝は彼女をさめた目で見下ろし、


「そうね。だけど狭山の意力を削ぎ、跡継ぎを産ませなくすることはできるわ。ことによると、婚約破棄ということになるかもしれない。竿を失った男は、あらゆる意味で精力も意欲もなくしてしまうもの」


舞は突如として真実がひらめき、瞳孔が開いた。


「御前。あなたはSPOのことなどどうでもいい、ただ日向野にとっての商売敵である狭山コーポレーションを失墜しっついさせたいだけなんですね。

一詩兄さんの力と経営手腕が脅威なのでしょう。だから、」


「何とでも言いなさい」


女帝はぴしゃりと舞の言葉を遮った。


「あなたはどう思っているか知らないけれど、狭山一詩は聖人などではないわよ。

でも、そんなことは理由じゃない。

――あの子は私を怒らせた。ビジネスの表舞台から消えてもらうわ」


静かな殺気の宿った声だった。

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