73.
はたから見れば、自分たちはどのように見えるのだろう。
従兄妹?兄弟?それとも――ただの知り合いだろうか。
赤レンガ倉庫の中を二人並んで歩きながら、舞はぼんやりとそんなことを考えていた。
男の人と二人で外出するのは、随分と久しぶりだ。
中学のころも何度かそんなことがあったが、こんなふうに楽しく、自然体でいられることはなかった。
だから舞は、大人数でわいわいと集まるほうが好きだった。
「俺たちって、他の人から見たらどう見えるんだろうね」
思っていたことを的確に言い当てられ、舞は驚いた。
秋山は特に他意もなさげに、お洒落な店の一つひとつを物色している。
その間も、行き交う女性は必ず彼を振り向き、隣にいる舞に羨ましげな視線を注いでいく。
「秋山さんは……どう見えてほしいんですか?」
軽くコナをかけてみると、秋山は底知れぬ笑顔で、
「さあ、どうだろうね」
舞はがくりと肩を落とした。
本当に読めない人だ。
「朋子と一緒のあなたは、お似合いのカップルに見えましたよ」
秋山は目を丸くし、まじまじと舞を見返した。
「あれ?知ってたんだ、朋子ちゃんがうちにバイトで入ったの」
舞ははっと口をつぐんだ。
「おかしいな。朋子ちゃんに、君には内緒にして、来店したときに驚かせようって言われてたんだけど」
優しい口調で言われ、舞は降参した。
「……ごめんなさい。偶然お店の近くを通りかかったときに見えたんです」
「なんだ、そうなのか。それなら寄ってくれればよかったのに」
秋山は白い歯を見せて笑った。
後ろめたい気持ちがあるのは自分のほうだと気づき、舞は顔を赤くする。




