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74.
視線を落としたその先に、蒼く光る何かを見つけて、舞は思わずそれを手に取った。
「綺麗……」
思わず、感嘆と一緒に吐息がこぼれる。
それは目の覚めるように鮮やかな蒼い華をかたどった、精緻な創りのネックレスだった。
華のそばに滴型のクリスタルがあしらわれており、月光のような銀色をしたプラチナの細い鎖は照明を弾いてキラキラと輝いていた。
舞は装身具の類を身につけることは少ない。
新年の儀など、公式の場で義務的に身を飾ることはあっても、普段は簡素な服を好んだ。
仕事を始めてからは、闇に紛れるような黒で体を覆うことばかりだった。
普段なら目もくれないような華美なアクセサリーは、そんな舞をせせら笑っているように思われた。
お前に、こんなものを身につける資格があると思っているのか。
自らの手を汚し、幾人もの男の竿を斬ってきた、人ならざる化け物に。
そう問われているようで、舞は思わずそのネックレスを手放した。
隣にいる秋山が怪訝な顔をしているのに気づいたが、何も言わず歩き出す。
「少し休憩しようか」
追いついた秋山が、近くのカフェを指さして微笑んだ。




