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竿斬りの舞  作者: 凪子
第一夜
3/146

3.

母屋にある食堂の席につくと、既に父親と母親が食事を始めていた。


「おはようございます。お父様、お母様」


「おはよう、舞」


母は気弱な笑顔で何気なく付け加えた。


「朝食が済んだら、(めぐみ) 様にご挨拶に行きなさいね」


舞はぴくりと眉を動かした。透きとおった黒い瞳で母を見つめる。


母はたじろぎ、たちまち視線を逸らした。


舞はよく知っていた。母が、何の用もなく萌に会いに行けなどと言うはずがないということを。


だが、言葉はいつも曖昧に濁される。


母は繰り返される惨劇から目を背け、常識の埒内(らちない)にある世界しか目に映すまいと拒絶を決め込んでいる。


血に染まったこの右手を見ても、まだ欺瞞に満ちた微笑みを浮かべられるだろうか。


思って、舞は苦く笑った。

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