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まるばつ!  作者: お餅。
9/10

4話、昼食とバツ


〜4話、昼食とバツ〜


 やっと昼休み。

 久しぶりの授業ではあったものの、以前からマルくんに見せてもらっていたノートのおかげで苦戦する事はほとんどなかった。

 それに少し安堵感を覚えながら机の上の物を片付けていると……

 「おーい、クロスー!」

 僕の事を呼ぶ聞き慣れた声が、少し離れた席から聞こえてくる。

 「あ、マルくん…!」

 そう、もちろん声の主は彼だった。僕はそれに応えるようにそちらを振り向いて笑って見せる。

 「久しぶりの授業、どうだった?」

 「うん、マルくんのおかげでちゃんと内容解って授業受けられたよ」

 「ふふっ、なら良かった」

 マルくんは僕に向けて柔らかく笑いかける。

 「それじゃ、お昼ご飯食べに行こう!」

 「うん、そうしようか」

 僕らは互いに笑い合って、自分たちの教室を出た。


 そして揃って食堂へと着き、昼食を受け取ってから目立つ場所にある四人掛けのテーブルに並んで座った。もちろんそれはレクとトライが来た時の為だ。

 「ねぇ、クロス?」

 席に着いてから1分と経たず、マルくんが僕に話しかけてきた。

 「マルくん、どうしたの?」

 「えへへ、やっぱりこうして一緒に学校に居られるのって嬉しいなぁって思ってさ」

 僕が入院中で居ない間もマルくんやレクくん、トライくんたちも当たり前だが通っているのだ。

 一応マルくんはほぼ毎日、たまにレクくんとトライくんもお見舞いに来てくれてはいるしそれが僕にとってはもはや当たり前。でも三人が学校に居る間は勿論僕はそこに居ないわけで、僕が一人病室でマルくんの事を考えているのと同じだけ三人は僕の事を考えてくれているのかもしれない。

 「じゃあさ、マルくん。今日帰りにちょっと寄り道しない?」

 僕はその埋め合わせ──って程大袈裟ではないけど──に一緒に居てあげようと思った。

 「それ良いね、二人も誘ってみる?」

 「うーん、でも多分あの二人の事だから──」

 「おーい!マル、クロス!」

 そこまで話した時、並んだ僕らに向けて離れたところから声が飛んでくる。

 「レク!それにトライ!」

 それにマルくんが応えながら手を振り、僕も連られて手を振りながら呼び掛ける。

 「空いてるから二人ともこっちおいでよ!」

 振っている手とは反対の手で空いた向かいの席を軽く示してみせる。

 「おう、俺ら先に飯買ってくるから待っててくれ!」

 「うん、わかった!」

 そしてレクくんたちが買いに行くのを見届けてからマルくんがまた話し始める。

 「で…二人の事だから何?」

 「あ、えっと…ほら、普段忙しいだろうから来ないんじゃないかなって…?」

 いつも入院明けの登校日のレクくんたちは僕らのことを気遣って二人きりにしてくれていたような気がしたが、ただの考えすぎと思って軽く誤魔化した。

 「そうかなぁ?多分大丈夫だと思うけど…」

 「ホントに…?」

 「まぁ、確証はないけど…」


 そしてちょうどそのタイミングで二人がご飯を手に戻ってきた。

 「お待たせ、お二人さん」

 「あ、ちょうどいいところに…!放課後さ、四人で帰りに寄り道しないかって話なんだけど二人はどう?」

 「あー…久々なんだから二人で行ってきたらどうだ?俺はちょっと顧問と話があるしさ…」

 「そうそう。僕も朝、トモと話してた内容まだ終わってないしさ…」

 「そっかぁ、ちょっと残念…でも、次は一緒だからね!」

 「ああ、勿論!」

 トライは僕らに向けてニッと笑って見せた。

 「よし、約束ね!」

 僕も笑い返してからマルくんと笑い合った。


 「そういえばレクくんたちは、最近何か変わった事はあった?」

 「僕は特には無いかなぁ、強いて言えば新聞部が忙しいくらい。特にトモが最近かなりお熱でさ…」

 「あはは、相変わらず大変そうだね…トライくんは?」

 「俺も部活以外じゃ特に目立った事はないかな…ってそういえば最近部活で面白い事があってさ、聞いてくれるか?」

 「うん、なになに?」

 僕はずいっと身を乗り出すようにして話を聞こうとする。

 「一回部員が全然居ない時があってさ、まぁ偶然色んな人が違う用事で同時に部活休んだんだけどさ…」

 「へぇ、そんな事あったんだ…?」

 「それで仕方なく準備の為に助っ人で呼んだカズってやつがさ、途中の休憩時間で走り高跳びのバーを跳んで…結構高いのを跳んだんだよ。陸上の経験あるかって聞いたらほとんど無いらしくて部活もバスケ部らしいんだよな、陸上部に来ないかって誘ったんだけど断られて…いやぁ、結構勿体ないと思うんだけどなぁ」

 「もう、トライったらその話何回もするよね。そろそろ僕もその内容覚えそうだよ?」

 「あっ、マルくんがお見舞いで言ってた話ってこれのこと?」

 僕の入院中にマルくんが”トライがずっと同じ話をしてる”って言っていたのを思い出した。

 「いや、普通にそいつの記録が陸上部並なんだって…ホントその時はびっくりしたよ」

 トライくんはとても楽しそうに、面白そうにその話をしていた。


 その時、マルくんが声を上げた。

 「あっ、もうこんな時間…あと20分くらい。僕たち次移動教室だし戻らなきゃだよ」

 「ホントに?じゃあレクくんトライくんごめんね、またね!」

 僕とマルくんは立ち上がって食器のトレーを持つ。

 「ん、じゃあね。マル、クロス!」

 「うん、また!」

 そして僕らは二人で食堂を後にし、次の授業へと向かった…。

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