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僕の絵本日記  作者: 高冨さご
11月

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11月7日 『誘い』

トントントン トントントン

トントン ツー トン ツー トントン


不思議な歌が時に街のはずれで鳴り響いている。その歌が聞こえてきたならば、そっとその耳を閉じるべし。両手を両耳に押し当てて、何も聞こえぬように。


トントン ツー トントントン ツー


はてさて何の事だか。誰かが僕を呼んでいる。


トントントントントントン


これはきっと誰かが最後に残した言葉。


トントントン ツー


悲しみの叫びが聞こえる。耳を済ましてはいけない。知らないふりをしなければ。けれど、この中にいる多くの者は、その嘆きの声を拾い上げてしまう。なぜなのか。それは人間であるからだ。人間とは誰しも心を持ち合わせている生き物で、しかしその場所ははっきりと示されることはない。胸の中心あたりだと言う人もいるが、脳で物事を考えているのだから頭の中にあるのではないかと言う人もいる。僕が思うに心とは、カラダの外にあるものだと思う。


さてさて、また音が聞こえてきたぞ。君はこの音を無視して当たり前の日常が送れるかい?それともこの歌に惑いながら、共にあの世へ向かうのかい。


トントントントントントン


この歌は君の心をたたく音。さぁ心よ傾け、僕の声を聞いてごらんよ。

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