30歳、現実。
物語のために少々差別に聞こえるかもしれないので、苦手な方はスルーしてください。
元から恋愛には疎い方だと思う。
何か夢中になることがあると一点集中のため、恋愛を後回しにすることが多かった。
学生時代も恋愛については「まぁ、そのうちいい縁があれば」ぐらいに思っていた。
社会人になってからは小さい頃からの夢だった建築士になるため、慣れない社会人生活+資格勉強を頑張った。
今では大手企業でそれなりに役職がついて、大きなプロジェクトの設計を担うまで成長したと思う。
それでも日々勉強が必要で毎日遅くまで仕事を頑張ってきた。
ひどい時は日付を跨ぐことだってある。
それでも周りの人たちとたまに愚痴を言いながらも楽しく仕事をしていた。
それなのに。
【結婚するの〜!】
「…お、おめでとう」
電話口からの突然の爆弾に驚きを隠せない。
今年これで6人目…
30歳という節目に立たされた今、女性はまたふるいにかけられようとしている…
最近では晩婚化しているとは言うが、それでも普通の人たちは当たり前のように恋愛をして30歳を目安に結婚をする。
そして結婚しない女性はどこか不良品のように感じられた。
必死に仕事して、それなりのキャリアを積んでも結婚してないだけで急に負け組を感じるのは自分が独身だからなのか…
こんなにもキャリアを積んで、1人で生きていけると割り切ればいいかもしれないのに、そこまで強くはなりきれなかった。
焦る私はアプリに相談所・街コンにと出会いを求めはじめた。
とはいえ、今まで恋愛を蔑ろにしていた自分にとってどれもうまくいくことはない。
時間を見つけては人にあってみたり。
出会いの場に行ってみたり。
疲弊する一方だった。
それでも細々と続けて、アプリでまぁまぁいい人かもと思った人と仕事終わりにご飯に行くことになった。
ブラックと言われてる建築業で定時にあがってご飯に行くことがハードに思いながらも、そんな文句を言っていては始まらないと思い急ピッチで仕事をして無理矢理終わらせた。
少し遅刻しながらもご飯を食べ、意外にも話が噛み合うかも?と好印象を受けたてた今。
「すみれさんはこの後まだお時間あります?」
お相手の人が1件目のお店を出たタイミングで声をかけてきた。
「え、まぁ、時間は〜」
そこで可愛くない私の発言。
思わず無理矢理仕事をきりあげたせいで、残ってる仕事を明日の休みに少しやりたいがよぎる。
だからもう今日は帰りたいとかも思ったり。
時計を見ようとした時
「時間はありませんよ」
いつも聞くよりもワントーン低い声が答えを出す。




