第三十七話 解決の鍵を
全然お話が展開しなくてすみません。
ワタクシどうやら説明回になってしまう傾向があるようで…
「古代死霊魔法…」
誰が呟いたのかは定かでないが沈黙の中のその言葉の響きは、この場の者たちにその言葉をはっきりと意識させた。
「僕やイレルフはこの世界のことをよく知らないけど、やっぱりあんまり知られてない感じなのかな?」
ここには『紅蓮』のメンバーも居るが、合流した時に全てを打ち明けたので問題は無い。
だって初対面のディップさんに全部話したのに、仲間も同然のみんなに話さないわけにはいかないじゃないの。
「少なくとも俺は知らないね。吟遊詩人とAランク冒険者の2人はどうだい?」
「いえ、私も…。」「右に同じだ。」
伝説にすらなっていないとなると…
「じゃあ、その魔法は歴史の闇に消えていったと考えたらいいのかな?」
「うむ、その認識でよろしいぞ、アーティよ。誰が邪な考えを持って使おうと考えるか分からぬからな、徹底的に情報統制が行われたらしい。少なくとも公の記録には残っておらんよ。その代わりに死霊魔法の誤った認識として言伝で広まってしまったようだが…。」
なんとなく予想はできるがどれだけ恐ろしい魔法だったのだろうか、古代死霊魔法。できれば関わり合いになりたくないな。
「どうやら使い方は、故意に、知ろうとしなかったようだからな。我輩も知らぬ。安心するが良い。」
「とりあえず、普通には知られてない情報ってことはわかりました。しかし、どうしてそれをディープスさ「ディップだ。」…ディップさんがご存知なのです?」
「ふむ、では教えておくか。我輩の隠しているこの目が、我輩が普通では知ることもできぬ情報を知っている理由となる。」
そう言って外した眼帯から露わになったのは光の一片すらも反射しないような、漆黒、深淵と呼ぶに相応しい黒の眼差しだった。
「わっ、すごい真っ黒!」
悪魔の光もビックリな黒さだね!
「これは『深淵の魔眼』というものでな、シンエーン一族の初代当主が生み出し、代々受け継がれているものなのだ。」
「魔眼を受け継ぐ…?そんなことが可能なのでしょうか?」
「ヤマッコよ、そう怯える必要は無いぞ。魔眼を受け継ぐと言っても、別に抉り出しておるわけでない。そもそも知識を受け継ぐ為に作られたスキルなのだからな、継承することも権能に入っておるのよ。」
「知識を受け継ぐ?」
「うむ、この魔眼の能力は、前述したスキルそのもの、そして知識の継承、そして知られざる深淵、即ち未知の事柄を感知する、という能力である。お主らから話を聞いたのはこの眼が疼いたからなのであるよ。眼帯はただただこの眼を見せないようにするためだけであるな。ちなみに今もお主は反応があるぞよ。」
つまりは情報を打ち明ける運命にあったと。
「ふう、死霊魔法の誤解を解き、禁忌のことも教え、我輩の魔眼のことも話した!これで我輩はもう良いな?」
(おやぁ?なにか忘れているような…)
「あ!すっかり忘れてた!」
「あ、そういえば聞きたいことがあって来たんでしたね…」
「旅の目的じゃないか!?…俺も忘れかけてたけど。」
「スマンなディップ、まだ付き合ってもらうことになりそうだ。」
「あれだけ聞いておいてまだ目的を果たしていなかったのか、まあいい。さぁ、要件を言うのである。」
要件、それは即ち今回の一番の目的に必要となるもの!
「フレールさん。」
「ああ、依頼者である俺達から言うべきだよな。実はな、元仲間が魂だけとなって暴走しているんだ。それを助けてやりたい。蘇生という意味でな。」
「なるほどなるほど、魂の暴走か…。それはおそらく『古代死霊魔法』に引き起こされたものである可能性が高いものであるな。」
悲報:禁術、関わり合いになってしまいそう。




