98回目の告白
「……えっと。なにかな円井(まるい)くん?」
クラスでも地味と言われる青樹 空(あおき そら)を校舎裏に呼び出した円井 月也(つきや)。
彼は経験の全てを仕草に表し告白を行おうとしていた。
「……俺、青樹さんのこと、ずっと好きでした。俺と付き合ってくれませんか?」
「……ごめんなさい」
青樹にとっては初めての、円井にとっては37回目の告白は実を結ばなかった。
薄れゆく意識の中、円井は過去へと戻される。
原因は分からないが、円井は何度も一定期間をループしていた。
分かることは二つ。
青樹にフラれれば同じ時間に戻され、何もせずに時が過ぎればやはり過去に飛ばされる。
いつしか本気で青樹を好きになっていた円井は、さまざまな情報を集めループを終わらせる為に奔走していく。
※6話、3万文字程度の予定です