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4話 見よ、我の目は泣いておらぬ。

─バシャ


「きゅる!」


良し、これで5匹目よ。


作戦会議から5日ほどだ。


我はこの泉に棲む魚を主食にして活動する様になった。


ここの泉では夜と朝の狭間の時間に魚が水面を跳ねるのだ。


我はそれを狙って狩りをしておる。


無論、今までの必殺技は“おーばーきる”なので使いやすい、汎用性が高い且つ、少し冷凍するくらいの技を開発したのだ。


名を『氷結魔弾(アイスバレット)』よ。


魔弾の生成から射出速度、あらゆる面で最速だ。


我が内なるエネルギーを調整すれば仕留めた直後、冷凍するくらいになった。


これは良い技だ。


大味ではなく派手でも無いが、生活する上で欠かせないのだ。


良し、仕留めた魚を鞄へしまい、今日は一つ新たな場所へ向かうと決めていたのだ。


・・・違うぞ?逃げた訳ではないぞ?


ここの泉と似た様な場所が探索していて分かったのだ。


この森の中でな。


重要じゃぞ?


そしてその先に我が産まれた場所と似た様な穴があったのじゃ。


中の壁や天井は青白く光っておった。


餓鬼を追ってる時に見つけたものだ。


だが妙にも様子がおかしい。


餓鬼共入ってから1匹たりとて出て来んのだ。


相当強い獣がいるか、何かおかしな事になっとるかの二択だ。


気になる。


もしやこの鞄の様な物があるやもしれん。


そうと決まれば行くしかあるまい。


我も伝説の獣になるために幾らか修行を積まねばならぬからな。


良い修行場になると思うたのだ。


本当じゃぞ?


では、行くとするか。





着いたのだ。


泉と目の前に洞窟。


うむ、楽しみだ。


では、入るかの。


入り口は妙な石の段ができておる。


中々良い雰囲気だ。


目の前は一本道、ゆっくり行くか。


─ガコン


ぬ?


何か踏んだか?


─パキン


ん?


矢かこれは。


つまり、罠があるのか。


よく見れば血痕があるの。


餓鬼共はこれにやられたか。


恐らく毒も塗ってあろう。


我も怖くなってきた。


『氷鎧纏い(オートアイスアーマー)』が無ければ死んでいたかもしれん。


だが、伝説の獣になるためだ。


宝もあるかもしれん。


慎重に行こう。


そっと前脚を出すぞ。


─ガコン


─パキン


・・・うぬ。


我には『氷鎧纏い(オートアイスアーマー)』がある。


大丈夫じゃぞ、我よ。


─ガコン


─パキン


・・・なんか腹が立ってきたぞ。


今尻尾が壁に当たっただけじゃ。


この洞窟は誰も入れる気がないようだ。


そちらがそうやって持て成すならばこちらもそれ相応にお礼をしよう。


我は内なるエネルギーを出力できる最大限高める。


─パキパキ


周囲が凍りつき始め、我の周りに吹雪が来る。


この技は影響範囲が広すぎて無闇には使えぬのだ。


「きゅるぅ、きゅるあ!」


『氷結地獄(ヘル・コキュートス)』


吹き荒れる吹雪が洞窟全てを凍らせた。


ふふ、驚いたであろう。


我の正真正銘最強の必殺技だ。


改良はまだまだ出来るとは思うが、現時点では文句なしで最強なのだ。


床も天井も壁も全て凍った。


これで罠も“すいっち”も起動する事はないであろう。


やはりパワーこそが正義なのじゃ!!


「きゅーるるるる!」


ふーはははは!


では奥へゆくぞ!





「きゅるるるるる・・・」


ぐぬぬぬぬぬ・・・


先に言わせてもらおう。


すまなかった。


扉が凍って開かないのだ。


近くに宝箱もあって我は喜んで開けようとしたのだ。


凍って開かないのだ。


何も開かないのだ。


「くぅん」


─っ泣いてなどおらぬ。


見よ、我の目は泣いておらぬ。


ちゃんと凍っておろう?


うぬ、泣いておらぬのじゃ。


・・・日を改めてくるかの。

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