地面を叩いてる人
地面を叩いてる人。
何て言うか川辺の土ってさ、何しても許されそうな感じあるよな?
公園とか道端よりは、海や山みたいな。
より自然的な環境だからそう思うんだ。
まあ管理されてそんな訳はないんだろうけど、
近くの川辺でさ、ハンマーを持った人が地面を叩いてたんだよ。
特に何も無い、ただの地面をひたすらにハンマーで叩いてたんだ。
ハンマーって言っても漫画みたいなやたら大きなモノじゃなくて。
建設現場で壁とか壊すような感じのモノで地面を叩いてた。
最初はよく分からなくて素通りしてたんだが、
どうにも決まって同じ場所を叩いてた。
そう言えば、そんな風景が現れる前には工具屋さんが近くでオープンされてて。
気になってどんな品があるか見てみたんだよ。
品揃えは現場向けの衣服や小道具、んでさっき言ったハンマー何かも売ってたのを覚えてる。
あの人も俺みたいにその店でハンマーを見付けて買っちゃったんじゃないかと思うんだ。
何と言うか欲しくなる魅力があったからなぁ。
使いたい欲求なのか、ストレスからなのか。
とにかく地面を無限に叩いてる人は毎日毎日、
俺が通うルートから毎回時間が合うせいか天気の都合以外見かける事になるんだよ。
でもそんなある日、
ピタリと見かけなくなるんだなぁ。
通報なのか何なのかは分からないが、
思えば近くに橋があるのを思い出した。
いや、俺も馬鹿だとは思ったけど。
何て言うかその人。
遠目ながら楽しそうに、もしくは恨めしそうに地面を叩いてたから何か避けてたのかも知れない。
あんな思いが何かに向けられたら、
そりゃ怖いし危ないから良かったとは思うんだが。
どうにも俺もそっち側の思いが強いらしい。
ハンマーじゃないけど、木刀とかコレクションするぐらいには武器に憧れるからさ。




