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語られるモノ  作者: 百目


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14/20

若さ

年を取ると時間の感覚が短くなる。

まあ、実際その通りなんだよ、普通はな。


でも、そうはならなかった奴が居るんだ。

そいつは何と言うか、可哀想なぐらいの童顔でな。

男では中々可哀想な奴なんだ。


需要があるとか言ってやるなよ?

当人は相当悩んでるんだから。


んでな、そいつが言うには。

どうにも時間の感覚が前にも増したって言うんだ。


何をするにも最高に集中してて、

何と言うか怖いぐらい周りが見えなくなるんだな。

だからそいつは滅茶苦茶エリートになったと言うか、物覚えが高く、異常に器用に立ち回ったんだよ。


でもな、そんな奴がたまに昔馴染みの友達、まあ俺も含んで絡む時があるんだよ。

アホみたいな話とか色々交えながら。

そんな時に些細な事故で怪我をしちゃったんだな、そいつ。


するとなとんでもなく痛がるんだ、

それはちょっと異常でさ、

わんわんわんわん泣き続けるんだ。


いくら何だって大人がさ、

ちょっとした怪我の一つで大声で泣くのは異常だろ?

挙句の果てに救急車まで呼ぶ始末でさ、

流石に心配した何人かが任せっきりとも言えず同乗して運ばれた。


そこからは完全に噂話になるんだが、

どうにも色々訳ありの病気持ちだったらしい。

普段は特に問題ないんだが、何かの薬を飲むタイミングを間違えてたみたいでな。

そのせいで痛みが異常なまでに響いてたんだってさ。


後日お見舞いに行ったらさ、

何かもう、疲労感の塊みたいな顔色で挨拶しててさ。

直ぐに良くなるらしいんだが、

あの日からあいつの事を考えると。


時間の感覚が増えても、

薬一つの問題でやつれるまで痛がるのは嫌だなと思ったんだ。

病気にしろ薬にしろ、

俺は適度に痛みに鈍感でありたいと思ったよ。

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