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29 ブローチの能力

「ふーんふふーん」

俺はベッドの上で嬉しそうに箱に入ったブローチを眺めていた。

からだが女性に変わった影響なのか、こういうものが自分のものになると嬉しくなる。

べ、別にファブリスに買ってもらったから嬉しいわけじゃないからな!

でもこのブローチ、貴重な鉱石でできてるって言ってたよな?

どんな鉱石なんだろう?


《スキル『鑑定』を獲得しました》


『鑑定』?

もしかしてこれで色々とわかるかも!

そう思い俺は『鑑定』を発動させた。



《インディゴ・サファイア》

世界に稀に発見されるサファイアで基本的に『空納』という能力を持っている。所有者によって様々な能力が追加される。

能力:『空納』『(ブラック)ステータス閲覧権限』



意外なところから(ブラック)ステータスを見るための方法が…!

俺は固唾を飲んで(ブラック)ステータスを開いた。

(ブラック)ステータスオープン」

ブローチから光線のようなものが伸びたかと思うとそれが四角く変化する。

そこには黒い字で(ブラック)ステータスと書かれてあった。



(ブラック)ステータス》

名前  ルーナ

種族  刀・付喪神

称号  付喪神

裏称号 NO.11

裏スキル

『浮遊』『自動翻訳』『思考加速』『伸縮刃』『預言』

特殊能力

『あなたの望みを』『天の加護(パーピュラ)システム』



なに?『あなたの望みを』って。

よくわかんないけどすごそう。

女神様!この能力ってなに?


《この情報は最高神によって制限されているため開示できません》


最高神?なんだそれ。

しかし女神はそれ以上答えてくれなかった。

俺は(ブラック)ステータスを閉じる。

その時、俺の腹がグーと鳴った。

「腹が減ったな。そういや今日、一回も食えてなかった…」

俺が部屋を出ようとしたとき唐突に扉が開いた。

「へ?」

俺は思わず口から変な声を漏らした。

「ルーナさん!一緒にお昼ご飯食べませんか!」

いきなり部屋に入ってきた人物はフェルナンドだった。

「いいですけど…なにを食べるんですか?」

「そこで問題です!私はルーナさんとなにを食べに行こうとしているでしょうか?」

「そうですね…ラーメン、とかですか?」

「いいですね!それにしましょう!」

「いや、お店決めてなかったんかい」

「てへへ…」

フェルナンドは照れくさそうに笑った。

「さあ、行きましょう!」

彼女は移動短縮魔法(ワープホール)の呪文を唱えると俺の手を掴んで魔法陣に飛び込んだ。

魔法陣を抜けた先には看板に「篤島」と書いてあるお店があった。

そしてフェルナンドは元気にその戸を開ける。

「こんにちは親方!いつもの!」

「あいよ!」

そう言うとハチマキを頭に巻いた店主が奥に消えた。

「フェルナンドさん、ここは?」

「ここは私の行きつけのラーメン屋。ここ美味しいんだよ」

「へぇー」

俺はじっくりと店内を見渡す。

ここは日本じゃないのになぜか日本らしさを感じる。

「あの…ルーナさん」

「はい?」

「最近ね、お兄ちゃんが疲れてるような気がするの。でもルーナさんが近くにいると楽になってる気がするんだ。だからルーナさんに近くにいてほしいの」

「わかりました」

「本当!?」

「はい。ファブリスさんが少しでも楽になれば」

「やった!」

「フェルナンド嬢は本当にお兄様のことがお好きですね」

店主がそう言いながらラーメンを二人の前に置く。

「もう店長ったら!」

「はっはっは!」

店長が豪快に笑う。

「さあ召し上がれ」

じゃあ…

「「いただきます!」」

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