17 裏ステータス②
魔法陣を抜けると壁に本棚がずらりと並んでいる大きな部屋に出た。
そしてファブリスは部屋の真ん中に設置されている柱に近寄るとその柱に触れた。
「裏ステータスについて知りたい」
すると本棚から一冊の本が飛び出し、あるページを開いて俺たちの目の前に舞い降りた。
そして俺たちはその本を覗く。
裏ステータス
生物が持っている無意識に発動する内なる力(特殊能力や無詠唱スキル、無詠唱魔法)を具体的に表示するステータス。しかしその表示方法は不明。
「……よくわかんねぇな」
「だな」
「だって情報少ないじゃねぇか!意味不明!」
「ははっ!それな!」
「なに?エク…?」
「まぁいいだろ。早く帰ろうぜ」
「なにひとつとして解決してないけどな」
「ははは…」
俺たちは再び魔法陣を抜けて部屋に戻った。
その後は二人でゆっくりお茶をしながらお話したり裏ステータスの話をしたりした。
「でもどうやったら見れるんだ?裏ステータス」
「俺、親父に聞いてみるよ。親父ならなにか知ってるかもしれない」
「ぜひそうしてくれ」
「そういえば今度、ドラグーンで一番強い戦士を決める大会があるのだが見に行くか?」
「そんなのあんの?」
「ああ」
「見に行きたい」
「じゃあ特等席を取っておくぜ」
「サンキュー」
「俺の好きな人のためならこんぐらい平気だよ」
「……っ!」
俺のハートにグサッと矢が刺さった気がした。
コイツ、もしかして狙ってやってる?
「どうした?なにかあったか?」
たぶん俺の顔は真っ赤になっていることだろう。
マジはずいわ。
「なんでもない」
俺はカップのなかのお茶を恥ずかしさのあまり一気飲みした。
しかしそのせいかお茶が気管に入ってしまう。
「ゴホッゴホッ」
「大丈夫か?」
そう言ってハンカチを渡してくる。
紳士…!
「ありがとう」
マジでファブリスの顔のまわりにキラキラが見えたわ。
これは恋しそう……
待て待て。俺はなにを言っているのだ。
男の俺がコイツに恋するなんぞ100パーない。
たぶん…
俺がゴホゴホ咳をしているとファブリスが背中をさすってくれる。
「ひゃっ……」
俺はいきなり背中をファブリスにさすられたことに驚いて変な声を出してしまった。
なんだよ「ひゃっ……」って。
なに女みたいな声、出してるんだよ。
ちょっと変になってる気がする。
「ゴホッゴホッ」
その後、ファブリスは咳が止まるまで背中をさすってくれた。
大会当日。
俺はファブリスが取ってくれた席で二人で試合を観戦していた。
スタジアムはかなり大きくファブリスが取ってくれた席はVIPしか見れない席でかなり見やすい。
試合は前回王者に各地からやってきた戦士が勝負を挑み負けたら即退場、勝ったら次の人と戦うという形式だった。
さすがに前回王者の称号は伊達じゃなくまだ生き残っている。
しかし俺は思った!
こいつら、弱すぎじゃね?と。
どいつもこいつも身体能力が雑魚。
これならまだポイズン・ゴライアバイのほうが速い。
(※ルーナさんは余裕で龍を倒せますが龍はこの世界ではトップクラスに強いです)
まぁ前回王者は見たところ一番強そうだったし攻撃力、スピード共にすごい。
これでポイズン・ゴライアバイと同じぐらいだ。
俺はそんなことを思いながら退屈な気分で弱者たちの試合を見ていた。




