13 サイコパスと暗殺者
その後はファブリスに連れられて色々なお偉いさんたちと会わされた。
それも美男美女ばかりでこの国は狂っとるのか!と思うほどだった。
たしかに俺も結構、美少女だけど……中身がこれだからねぇ。
そんなこんなでパーティーは無事終了し風呂入った後に寝間着に着替えさせられたのだが…
「なぜお前と相部屋なんだ」
「俺も知らん。親父に聞け」
そう、誰の企みなのかコイツ(ファブリス)と同じ部屋になってしまったのだ。
「しかもベッドがひとつしかないってどういうことだ!」
「そりゃあ俺の部屋なんだからベッドはひとつしかねぇよ」
「レディーファーストだ。俺をベッドで寝させろ。男は床で寝ろ」
「は!?ここは俺の部屋だ!俺のものは俺のもの。だから俺はここで寝る」
「いや俺が寝る」
「いーや!俺が寝る」
「じゃあこうしようぜ。俺もお前もここで寝る。これでどうだ!」
「俺は構わないが男と一緒に寝るって抵抗ないのか?」
「ない!」
「待て待て待てぇええええ!!!」
その時、部屋の扉が勢いよく開いた。
そこでは金髪の美少女が仁王立ちしていた。
「お、お兄ちゃん!そ、そ、その女の人と寝るんだったら私も一緒に寝るわ」
「はぁ!?」
「いいから」
そう言うとフェルナンドが布団に潜りこむ。
「……なぜにど真ん中?」
「お兄ちゃんとその女の人が変なことしないように見張るために決まってるじゃない」
「俺はそんなことしないって!」
「本当?」
「たしかにコイツならやりかねない。妹さん、私のことを守ってくれる?」
「フェルナンドでいいわ。お兄ちゃんがこの人のことを触った瞬間にぶん殴ってやるんだから!」
妹さんはちょっと過激なようである。
俺は布団に潜りこんだ。
「二人ともちょっと酷くないか?」
俺たち二人は目を合わせて笑う。
「どうやら私たち、気が合いそうですね」
「そうですね」
「でもお兄ちゃんに手を出したら命はないと思え」
「は、はいぃ……」
うん、怖い。
「さ、お兄ちゃんも寝よ!」
ファブリスの妹さんもいるから襲われたりすることはないことは安心できる。
俺は目を瞑り眠りについた。
目を覚ますとすでにファブリスの姿はなくフェルナンドが横で寝つきが悪いのかすごい体勢で寝ていた。
そしてついにベッドから落っこちてしまった。
「いてて……あ。おはよーございますー」
「おはようございます」
「お兄ちゃんは?」
「さあ?どこに行ったのか私にもわからないんですよ」
「じゃあ二人で探しに行こうよ!」
「いいですよ」
俺はフェルナンドに手をひかれてパジャマ姿で部屋を飛び出す。
この人、朝なのになんでこんなに元気なんだろう…?
前からメイドさんが歩いてくる。
「ロザリアさん!おはようございます!」
「おはようございます。フェルナンド様、ルーナ様」
「ねぇお兄ちゃんがどこに行ったか知らない?」
「ファブリス様でしたら書斎にいらっしゃると思います」
「だって!ルーナさん行きましょ!」
「は、はぁ」
俺は全速力で走るフェルナンドに連れられて書斎らしき部屋まで来た。
そしてフェルナンドがドアをノックする。
「お兄ちゃん、入ってもいい?」
しかしなかから返事がしない。
「お兄ちゃん?」
フェルナンドが部屋に入るがそこには誰もいない。
その時、俺の『未来予知』のアンテナが反応した。
反射的に後ろに振り向く。
そこには黒ずくめの二人組が立っていた。
そしてその手には剣が握られていた。
俺は身の危険を感じ咄嗟に『変形刃』で両手両足を切断する。
フェルナンドが二人組の悲鳴を聞きつけて近寄ってくる。
「どうしたの?」
「この二人組が怪しかったので両手と両足を切断しました」
「怖っ…!」
「さてお前らはどういう用事で俺らに接近してきた?全部吐け」
「え?ルーナさん、俺って…」
「黙ってください。貴様ら早く言わないと殺すぞ」
俺は『変形刃』を首の前で停止させる。
「さあ、吐け」
「言う!言うから!」
「なにを?」
「依頼人のことだ!そいつは王族のひとりの側近だとか言ってた!」
「フェルナンドさん、王族は何人いますか?」
「お兄ちゃんに私……行方不明のお兄様、アルノルトお兄様、お父様、お母様だけです」
「では消去法でアルノルトさんということになりますね」
「それだ!そいつの言ってた名前は!」
「じゃコイツは用済みですね」
「え?ちょ……」
俺は容赦なく首を狩った。
フェルナンドが顔を真っ青にしている。
「ルーナさん……」
「?」
「ルーナさんて怖い人ですね」
「たしかに」
今更だが我ながらサイコパスだと思うのであった。




