11 龍の国ドラグーン
俺はファブリスの背中に乗って上空を移動していた。
下を見るとさっきまでいた街やそのまわりの森が小さく見える。
『あそこの国……えーとアルフレッド共和国の領地からは出たほうがいいな』
「同感だ。でもお前、守護神だったら外に出てないわけだろ?国と国の境界線とかわかるの?」
『ばっちり覚えてる……と思う』
「なんか不安だな。まぁいい。なるべく遠いところに行ってくれ」
『了解!』
ファブリスがなにかを呟く。
『移動短縮魔法』
そうファブリスが言うと目の前に幾何学的な模様をした魔法陣のようなものが浮かび上がりそのなかに突っ込んでいった。
「ちょ……待て待て待てぇ!!!」
ファブリスは俺が叫んでいるのを無視し魔法陣に首を突っ込むと突然、俺たちを光が包んだ。
俺が目を開けると下には先程よりも発展している都市があり賑わっているのが見えた。
さらに俺を驚かせたのは空に多くの龍が飛んでいたことだ。
そのうち一匹がファブリスに寄ってくる。
その龍は光のように明るい色をした龍だった。
『お帰りなさい!お兄ちゃん!』
その龍は人間の少女の姿に変えるとファブリスに抱き着いた。
『ただいま』
俺が色々と混乱しているとファブリスが俺に姿を変えたいから降りろと言う。
俺が降りるとファブリスの妹?らしき人物が口を開く。
「ねぇこの女、誰?お兄ちゃんは私意外の女を作っちゃいけないって言ったよね」
あ。
コイツ、ブラコンだ……
「コイツは俺のそういうやつじゃねぇ。すまんな俺の妹が」
「別に」
妹は頬を膨らませて俺のことを睨んだ。
「これは俺の妹で光龍のフェルナンドだ。で、コイツがルーナだ」
「よろしく」
「こちらこそ」
俺とフェルナンドは握手をする。
するとフェルナンドが俺の耳元で小さく囁いた。
「(負けないから)」
・・・
あー。俺、そういう関係じゃないんだよねー。
つーか見た目これでも中身は男だから。
「えーとルーナ?全然言ってなかったけどお前のことルーナって言っていいよな?」
俺はコクリと頷く。
「じゃあルーナ。俺がこの街を案内するよ。ようこそ!龍の国ドラグーンへ!」
「ドラグーン……」
俺の手を引っ張り街の広間にゆっくりと降下していく。
近くにいた住人が俺たち(というよりファブリス?)に気付いて騒ぎ始めた。
「黒龍様が帰ってきたぞ!」
瞬く間に住人が俺たちを取り囲む。
「お前って意外と偉いやつだったりする?」
「まあな。一応この国の王族だ」
「ホワッ!?お前、そんなに偉いのにあそこに戻ろうとしてたのか!?」
「いや、だって仕事したくねぇじゃん」
「お前ってやつは……」
俺は呆れて大きくため息をついた。
その後、王宮に行ったのだ第二王子が相手を連れて帰ってきたと噂がなんか盛られて伝わっていてまわりの美女たちの誤解を解くのが大変だった。
それで俺が『千年越しの悪夢』だとファブリスが父親である国王に紹介するとみんな納得したように静かになった。
「そうでしたか。『千年越しの悪夢』様……」
「そんな物騒な名前で呼ばないでください。普通にルーナでいいです」
「ではルーナ様、あの女中どもが準備いたしますのでしばしお待ちください。お前たち!お召し物をお用意しろ!」
「かしこまりました。ルーナ様、こちらへ」
「は、はい」
俺は女中にどこかへ連れていかれた。




