序章
–小鳥さん、あなたの見てきた世界を教えて–
僕はあの日、こんなことを言う少女に出会った。
–いや、彼女は少女ではない。彼女の瞳は、そこらにいる人間よりも輝いていた。
僕は、人間よりも遥かに沢山の場所へ行ったことがあるという自信を持っていた。だから僕は、彼女に沢山のことを教えた。
自分たちの頭上に永遠に広がる、真っ青な天井が空であるということ。眼下に広がる硬かったり柔らかかったりするものは地面ということ。そして、地面に生えているものは草や花や木であること。
木が沢山あるところ、それが林、森であること。草が沢山あるところが草原であること。花の沢山あるところが花畑であること。
世界には、ときどき空に届きそうなぐらい大きなものがある。それは山というものであること。
地面をずっと進むと、透明なさらさらしたものが流れている。それが水であること。そして、流れているのは川であるということ。
川はいずれ大きな水の集まったところへたどり着く。そこが海であること。
–小鳥さんは、全てを見たことがあるの?全てを知っているの?–
彼女は僕に聞いた。僕は勿論さと答えた。
しかし、今思うとその答えは間違っていたのかもしれない。
僕の知らなかったこと、それは“ココロ”だった。
僕は彼女に出会う前、そして彼女と共に旅立つ前、“ココロ”というものを知らなかった。
これから僕が話すのは、僕と彼女の一年間だ。
彼女は不思議な“もの”だった。
彼女は人ではなかった。彼女は人形だった。
こんにちは。作者のここねです。
この作品を読んで下さった方で、もしも、
ここの表現はおかしい。
誤字脱字。内容が分からない。
などございましたら、ぜひ私に教えて下さい。よろしくお願いいたします。




