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ギルド登録

「はぁぁ……」

 俺は溜息を吐いた。最近溜息ばかりのような気がする。何故溜息を吐いたかというと、フィクサに出回った噂のせいだ。曰く、廃墟に剣を素手でへし折る剛腕の人間が住みついただの、住んで早々衛兵沙汰を起こしただの、ゴーレムに冒険者を襲わせていただの。どれも半分くらい事実なので余計に質が悪い。まあ、お蔭であまり人が近づかないので良しとしよう。いや、良いのか? ……暇だな。ギルドに行ってクエストでもやるか。俺はローブ付きコートを羽織り、外に出た。窺い見るような視線を感じる。それをすっぱりと無視して冒険者ギルドへと向かう。


「冒険者ギルドへようこそ。本日はどのようなご用件ですか?」

 冒険者ギルドに入ると、受付嬢が話しかけてきた。ついギルドカードを取り出そうとして、やめた。こっちで使えるか分からないし。

「ああ、冒険者登録を行いたい」

「分かりました。こちらの紙に沿って書いてください。偽名でも構いませんが、記載された情報を変更する時は料金が掛かります」

偽名でもいいのか。まあ、その必要もないな。俺は紙に沿って枠を埋めていき、受付嬢に渡す。

「ありがとうございます。カース・セレブレート様で宜しいですね? ジョブは空欄ですが、宜しいですか?」

「ああ」

「では、こちらの魔石を握ってください。魔石が貴方の魔力を感知して、ギルドカードに登録しますので」

魔石を握る。すると僅かに魔力が流れ出るのを感じ、魔石が仄かに光った。

「はい、登録が完了しました。5千レミリになります。紛失すると再発行に料金がかかりますのでご注意ください」

5千レミリを支払い、銀色のカードを受け取る。

「分かった。クエストは向こうの掲示板のであってるか?」

「はい。通常依頼は依頼書を剥がして持ってきてください。常時依頼は剥がさずに番号を受付に伝えてください。また、貼ってはありませんが緊急依頼というものもあります。これには特別な用事がない限り従ってくださいね」

「ああ、分かった」

「次に依頼についてです。依頼を受けて達成できなければ基本的に失敗となり、報酬金以上の違約金を支払うことになります。採取依頼は指定の物を、討伐依頼は証明部位を、日常依頼は証明書をカウンターに提出することで達成となります」

違約金か。これはなかったな。

「また、依頼はF~A、Sにランク分けされており、自身のランクの+1~-2の依頼しか受けることはできません。パーティを組んだ場合はパーティの平均ランク+1が、そのパーティのランクとなります。カースさんはFランクスタートなので、F~Eを受けることができます」

この辺はゲームと変わらないな。

「ふむ……ランクはどうやったら上がるんだ?」

「ランクは何らかの功績を挙げる、若しくは自身のランクのクエストを規定数成功できることで受けることのできる準緊急依頼を達成することで上げることができます。後者で上がる人が多いですね。クエストについては以上です」

功績、か……よく分からんが、まあいいか。

「ありがとう」

「どう致しまして」

俺は受付から離れ、掲示板へと向かう。Fランクは薬草採取とか掃除の手伝いとかばかりだな……。Eランクでもせいぜいゴブリンか……ん?ここに隣接するアルス森林のゴブリンの大型集落の偵察?これにするか。可能なら殲滅とも書いてあるし。その依頼書を剥がし、受付へと向かう。

「あら、早速受けるんですか? って、これEランクですよ?」

「偵察だろ? 殲滅じゃないし、大丈夫だって」

殲滅するけどな。

「それはそうですが……分かりました、受理します。気を付けてくださいね」

ギルドカードを出して受諾手続きをする。さて、行きますか。

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