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お嬢様は追放されました!  作者: 大天使ミコエル


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113/122

113 台本会議をいたしますわよ!(2)

「じゃあ、あとの役を決めますわね」

アセリアは、一旦、空気を変えようと、指をピッピッと振った。


「乙女の父親と森の精霊たちですわ」


「はーい」

一人の少年が手を挙げる。

「どうしましたの?」

「役に当てはまらなかったらどうすんの?」


「みんな役に当てはめたらよろしいじゃありませんの」


「でもそれってさ、ヨンダイ精霊のことだろ?4匹じゃん」


「……よ・に・ん、ですわね」


そう。確かに、ユニコーンと共に森に住む精霊は四大精霊だ。

火、水、風、土。自然を司る精霊たち。


「別に、乙女に母親がいたり、精霊を5人にしたりしてはいけないということではありませんでしょ」


そう、楽しくやるための舞台。

アセリアは舞台というものは嗜んだことはないけれど、王都の舞台では、よくラストを変えた劇だの、脇役の物語を別の人間が描いたりだのをやっていると、調査書で読んだことがある。

5人目の精霊を何の精霊にするかは考えなくてはいけないけれど。


「えー!そんなのいいの!?」

子供たちは思いの外真面目で、アセリアは「ふふっ」と笑った。

「ええ。かまいませんわ」


「じゃあ、オレ火の精霊!」

と、一人の少年が立ち上がった。

するとその隣の少年も両手を上げる。

「じゃあオレは力の精霊!」


その瞬間アセリアは「ふっ」と笑ってしまった。


力の精霊?

四大精霊にそんなものはいない。

じゃあこれが5人目か。

けど、火、水、風、土の4人に、力だとバランスが少々良くないのではないだろうか。

大丈夫ですかしら。


そんなことを思っていると、ソフテがこれでもかとジャンプした。

「じゃあ、あたしかわいいの精霊〜!」


をこまでくると、アセリアももうダメだった。

「ふっ……ふふっ」


かわいいの精霊!


火の精霊に力の精霊にかわいいの精霊ですの!?まあ、それならバランスも取れていいかもしれませんわね。


もう、笑いを堪えて、

「いいですわね」

と一言口にするので精一杯だ。


そこで、その隣にいた女の子が立ち上がった。

「じゃあ、私は猫の精霊!」


猫の!?


「ふふふふふふふ」

手を口で隠すけれど、子供たちには笑っているのがバレてしまっていることだろう。


こんなの初めてだ。

笑いを抑えられなくなるなんて。


そこで弾けるように、少年がジャンプした。

「オレはドラゴン!」

もう、精霊ですらなかった。


「え、ええ!いいですわね!」

笑いながら、それだけを言う。


「ドラゴンって精霊なん?」

「かっけーから大丈夫っしょ」

もうアセリアには、そんなゆるい会話も、もう笑いを堪えるネタにしか聞こえなかった。


それから、残りの少年2人が、乙女のパパとママになった。


アセリアが、首を傾げる。

「ママでなくても大丈夫ですのよ?兄でも弟でも」


すると男の子がニコッと笑顔を見せる。

「ママがいないとかわいそうだから。大丈夫ですわ!」


ですわ!

なんですの!?

それ、わたくしの真似っこですの!?


「ふふふふふふ」


またアセリアが手で口を抑えることで、配役は決まったのだった。

配役が決まりましたね!

「ドラゴンって喋りますの!?」

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