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お嬢様は追放されました!  作者: 大天使ミコエル


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101/106

101 差し入れをいたしましょう

 午前中、広場で手を振ってきたのはウィンリーだった。

「アセリアちゃん、あのね、」

 ニコニコと話すウィンリーと一緒に、ミラとベラがいる。今日はそれだけではなく、粉屋の奥さんを始めとする女性たちが集まっていた。

「これからみんなで橋造りの人たちに食事を作ることになったの。一緒に作ろう」

「あら、いいですわね」


 そんなわけで、香袋の作業場は、急遽食事を作る場所となった。

 作るものはサンドイッチ。


 ミラとベラが、

「誰に作るの?」

「もちろんよね?」

 とニヤニヤしている。


「誰か、特定の人に作ればいいんですの?」

「そうだよ。あたしのはお父さんに」

 ウィンリーが丁寧にパンを薄く切る。


「じゃあわたくしは、ハルムにですわね」

 ミラがニヨ〜っと笑顔になった。

「だよね〜」


「……バルドにはいいの?」

 ウィンリーがこちらを振り返る。

「あの方とは特に親しくはありませんわよ?」

「そっか」

 ウィンリーが少しだけ苦笑した。




 女の子たちが、丁寧にパンを切り、野菜を切る。

 野菜は、ニンジンにレタス。

 どうやら近くの家で、ベリーのジャムを作るチームもあるらしい。


 バン!

 その時、作業場の扉が開いた。

 太陽の光をバックに、立っていたのはオエグさんだ。

「みんな、これもお使い」

 と言って出してくれたのは、手のひらいっぱいのチーズの塊とバターの塊だ。

「キャー!」

 歓声が上がる。

「ありがとうオエグさん!」

「さすがうちらの姉御!」

 オエグさんはその歓声に手を振ると、すぐにスカートをひるがえし行ってしまった。


 アセリアも辿々しいながらも、なんとか見よう見まねでニンジンを薄く切り、パンにチーズやレタスを挟んでいく。

「うまいじゃない、包丁」

 ベラが顔を上げた。

「ハルムに教わりましたの」

「ほんと、なんでも出来るんだ」

「そのようですわね」


 そうしてできたサンドイッチは、なかなかに豪勢だ。

「みなさん、そんなに召しあがりますの?」

「そりゃあ、それぞれ二人分だし」

「……わたくしの分も?」

「そりゃ、そうでしょ」


 それはそう、ですわよね。

 けれど二人で食べるものを作っているのだと気付いた途端、なんだか力が入ってしまう。

 ただパンにバターを塗って、野菜やチーズを挟んでいるだけだというのに。


 そして数十分後。

 アセリアの前には、なかなかに背の高いサンドイッチの塔ができたのだった。

「半分に切ってバスケットに入れると綺麗よ」

 そんなことを聞いたものだから、アセリアは包丁を振りかぶる。

 ぐにん。

 サンドイッチは想像よりもよく滑るものであるらしかった。

 シェフはこんなことをしてましたの?


 結果、具がはみ出していたり、サイズが違ったりしたサンドイッチをバスケットに入れる。

 バスケットの半分は、丸パンに、グーズベリーとブルーベリーのジャムが収まった。


 女性たちはガヤガヤと、それぞれ手にバスケットを持ち、川へと向かったのだった。

楽しそうなガールズトークです。

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