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  作者: yiyi
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東学狩り

午後5時30分


同じクラスの仲間2人と帰宅していた信二の目の前にハル高の生徒が現れる。

「なんだ、お前ら?」

「その制服はハル高か・・・」

信二はすぐさま自分達の危機感を感じ取った。


「東学の村田信二だな?」

「だったら、なんだ?」

「わりぃーが、しばらく眠ってもらうぞ」

同時刻、他の東学の生徒もハル高と争っていた。


バスの中、電車の中、場所を問わず抗争は続いた。

動いてる電車のガラスが割れる。バリーン!!

乗客が騒ぎ立て、駅員も駆けつけるが暴れる学生に手も出せない。


「は・・・は・・・お前等こんな事してタダで済むと思うなよ!!」

と口から血を流しながら言った。

「安心しろ、東学の不良全員を病院送りにしてそんな事考えられないようにしてやるからよ」

と倒れている東学生徒の髪を掴み手すりめがけて頭からぶつける。


もちろん龍二の前にもハル高の刺客が現れる。

しかもそいつはハル高の頭の右腕と言われている強敵。

コンクリートの壁に挟ませた狭い道で二人はガンをとばしあう。

「お前は桐嶋拓か?」

少し低い声で言う。

「あぁ・・・俺は二年の桐嶋拓だ」

龍二はあえて嘘をついた。

その頃、拓は成績の悪さから教室で居残り勉強をさせられていた。


「ハル高のあんたが何の用だ?」

「俺達は東学狩りってのを始めたんだ」

「東学狩り?」

「あぁ・・・その中でも三年の村田信二と二年の桐嶋拓を徹底的に潰す」

「そうか、なら負ける訳にはいかねーな」と言い、龍二はポケットから手を出し駆け出した。


一方、信二の方には多くのハル高生が集まって来た。

「くそ・・・」信二は舌打ちした。


「あ~もう分かんねーよ!!こんなもん脳に入れたら良い事でも起きんのかよ」

「将来に役に立つからしっかり覚えろ!」

拓は中学三年で習う英語にジタバタしていた。

「俺は日本人だあぁぁぁぁ!!」

「せめて英語検定4級はとっとけ!」

「もううぜぇ~よ!!!」

「先生に向かってなんだその態度は!?」

「だってよ~あんたが担任じゃなかったらこんなもん蹴っ飛ばして帰ってるぜ」

「敬語を使え!!」

担任の先生は拓にげんこつをした。

「いってぇぇぇ~」

「おい、拓・・・仲間とバカ騒ぎもいいけどな、ちゃんと学校生活を送るのも大切だぞ!」

「へいへい、「戻りたくても二度と今の青春には戻れない」だろ?」

「そうだ・・・学生でいられる時間なんてこの消しカスくらい小さく短いんだぞ!」

「俺は今の俺で満足してんだよ!とにかく早くこの問題終わらせようぜ」

「ったく、そのうちお前の頭でも考えれる時がくるさ」


太陽が沈みかけ、町は赤色で染まる。

龍二はぶん殴って倒れたハル高の生徒を見下ろしていた。

「俺は冨田龍二だ・・・拓には手を出させない」

そう言うと龍二は馬乗りして一心不乱に顔を殴り続けた。


午後6時40分

空は黒と赤を混ぜたみたいに奇妙な色をしている。

手に英語のプリントを数枚持って拓が学校の門を出ようとすると、一人の生徒が近づいて来る。

息を切らしながら拓に慌てて説明する。

拓は急いで病院へ行く。

病室のベッドには信二が眠っていた。

その周りには傷ついた東学の生徒が呆然と立っている。


「誰がやった!?」拓はその状況を見てすぐさま大声で言った。

「ハル高の奴らだ・・・俺達、東学の不良を片っ端から狩ってんだ」と一人が小さな声で言う。

「こんなことしやがって・・・絶対に許さねぇ・・・」

拓は手に持った英語のプリントをグシャグシャに握りしめた。


約一時間で東学はハル高の不良達に潰された。

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