一日
一週間後
拓と龍二は停学が解け、さっそく学校へ行った。
正門の所には三年生二人が立っている。
「あんたたちから出迎いがあるとは、足を運ぶ手間が省けたな」
「約束を忘れてないよな?」
「あったりめーだ!こっちは暴れたくてウズウズしてんだよ」
拓は指の骨をポキッポキッと鳴らせながら近づく。
もう一人は龍二の方へと近づき「なら、俺の相手はお前か」と襲い掛かる。
「俺は参戦してねーぞ」と龍二は拳を避けながら言った。
「お前らの中で生き残った者だけが上へ行けるんだよ」
「俺ら二人以外にも誰か居るのかよ?」
「あぁ・・・お前らの大きな仲間もだ!」
一方、何も知らないゴリにも三年の刺客が来ていた。
「岡村剛だな?」
「呼び出してなんじゃお前?」
「勝った方が上へ行ける。言っておくが俺も経験者だ。甘く見るなよ」
「ったく・・・あいつらの仕業か」
屋上では信二達が待機して、しばらく屋上から小さな地域を眺めていた。
「懐かしいな・・・この場所から見る景色は」
「俺達もあいつらみたいに誰が一番強いかって試したことあったな~」
「もう三年か・・・来年には卒業だ・・・」
「あいつらこの階段を上ってくると思うか?」
「来るさ、必ず」
ポツポツっと雨粒が空から降ってくる。
やがて空は黒い雲に覆われる。
「やべっ雨降ってきたぞ!」
「とっとと行こうぜ!」
「な、龍二」
「どうした?」
「俺、今日傘持って来てないぜ」
「ハハ・・・俺もだよ」
ぴちゃぴちゃっと走るごとに足元で水が跳ねる。
拓と龍二は駆け足で屋上へと向かった。
ガチャ・・・
屋上の扉を開けると雨にうたれる二人の背中が見える。
「おーーい風邪ひかねーーか?」拓は大声で二人を呼んだ。
その声に気付き振り返る。
「ふん・・・やっぱり来たか」信二はにやっと笑う。
拓は体を震わせながら言う。
「とりあえず早く始めようぜ!寒くてたまんねーよ」
「まぁそう焦るな。」と首で合図すると、信二の仲間が前で出た。
それを見て龍二も自然と前へ出た。
「負けんなよ・・・龍二」
「おう!」
二人はお互いに構え、雨が地面に落ちる音だけしか聞こえず、静かに始まった。
体を動かすと雨が服や皮膚を弾く。
二人のスピードは速まり、まるでその周辺だけ雨が降ってないようにも見える。
パンッと突然、音が鳴る。さらにもう一度
その音が鳴ると同時に龍二の体が大きく揺れる。
龍二はさっきまでの相手の動きとは違う事に気付き、後ろに下がり間合いをとった。
相手は突然上下にジャンプし始めた。
・・・ボクシング?
龍二はその動きを見てそう思った。
二人は再び激しくぶつかり合う。
だが、龍二は相手よりもさらに速くボディーに一発その後ガードが下がったのを狙い顔面に拳を大きく振りかぶる。
相手は足から崩れ落ち、その場に倒れこんだ。
雨の音と龍二の荒い息が拓と信二の耳に聞こえる。
龍二は元の場所に戻り、拓とハイタッチした。
「やっぱりおめぇはつえ~な」
「拓・・・負けんじゃねーぞ」
「俺がもし負けたらその時はお前が代わりに取れ!」
「笑えねーよ」
「はは・・・そうか?」
拓はゆっくりと屋上の真ん中へと歩いて行った。
信二は倒れた仲間を担ぎフェンスを背もたれに座らせた。
「ごめん、負けちまった」
「もう喋るな、あとは俺が勝てばいいだけだ」
「勝てよ・・・信二」
「あぁ今日は最悪の天気だが最高の景色をまた見せてやるよ」
信二もゆっくりと拓の方へ向かった。
「いよいよだな」
「あぁ、悪いけど俺はお前を倒して天辺取るよ」
「簡単にはその夢叶わせないぜ」
「うおぉぉぉぉ!!!!」「おらぁぁぁぁぁ!!!!」
二人はお互いの胸ぐらを掴み叫び合う。
雨はまるで二人の心を表すかのようさらに激しさを増していく。




