BAN×2
3日後、朝から拓と龍二は学校内を暴れ回っていた。
「うはははは!!」
「もっとやったれ~タク~!!」
「お前等なんだ・・・ぶっ」
拓の右ストレートが相手の顔面に当たる。
その日の昼、2人はいつもの屋上で時間を潰す。
「あ~疲れた~腕いてぇーよ。なぁ、龍二ちょっと焼きそばパン買って来てくれよ」
「あ?自分で行けよ!」
「チェッ、なんだよ冷たいなぁ~」
拓はコンビニで買った今週号の漫画雑誌を読みながら、ストローで紙パックのオレンジジュースを飲む。
龍二は目をつぶって、少し温い風を感じていた。
パラパラパラ・・・拓が漫画のページをめくる音が聞こえる。
沈黙という慣れた空気が続く。
「なぁ龍二、後で三年の階に行こうぜ」
「一年はいいのかよ?」
「一年なんて眼中にねーよ。二年にはもう強い奴いないしな」
「ゴリは?」
「あいつは最後だ!三年にあいつよりも強い奴はいねぇ~だろ。ケリはちゃんとつけるぜ。それに俺達の名が広まれば一年の方から向かってくんだろ?」
「じゃぁ~行きますか」
「おう、やるからには本気でやるぞ!!」
その頃、屋上から2つ下の階にあるパソコン室では拓と龍二の暴走について3年生も集まっていた。
薄暗い部屋に4人各所に座っていて、そこにもう1人遅れてやってきた。
「わりぃわりぃ遅れちまってよ・・・で、話しって?」
「皆集まったか、話しは分かってるな?二年のバカ二人だ」
「桐嶋拓と冨田龍二・・・この二人ですね」
「はい・・・あともう一人柔道部の巨漢も冨田の仲間と思われます」
「あいつら調子に乗り過ぎたな」
「各自見つけ次第潰せ!」
そこに三年生の一人が慌ててやって来て「二年の奴らが三年のクラスで暴れてます」と息を切らせながら言った。