表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鶴見日向子の独り言(還暦過ぎてうつ病になった主婦の日記)  作者: 鶴見 日向子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

75/82

常識って何?の話

息子に助けてもらった話

ある時、夫がテレビを見ながら、木刀で素振りをするようになりました。


「室内で素振りなんて、やめてほしい。

やるなら外でして」


私は何度も頼みました。


「大丈夫だよ」


それは、夫の口癖でした。


そして、大丈夫ではなかった出来事は、すべて夫の記憶から消えています。


だいたいの尻ぬぐいをするのは私です。


自分で責任を取ったことがないので、「結果」が起きた後の始末が、どれほど大変なのかをまったく理解していないのです。


「お願いだから、やめてほしい。部屋の中で木刀を振るなんて、非常識だよ。

手が滑って木刀が飛んだら、テレビが壊れる。

テレビがいくらすると思っているの?」


「そんなことにはならないから、大丈夫。素振りは室内でするものだ」


夫と私は言い合いになりました。


いつの間にか論点は、


室内で素振りをすることが「非常識」なのか、それとも「常識」なのか、


という話にすり替わっていました。


「お前が神経質なんだよ! だったら、健に聞いてみろ!」


夫が言いました。


私は健君にLINEを送りました。


「お父さんがテレビの前で木刀の素振りをしている。いくら止めてもやめてくれない。

私は、室内で素振りなんて非常識極まりないと思うのだけど……」


健君から返信が来ました。


「放っておきなよ。言ってもダメでしょ?」


「放っておいてテレビをぶっ壊したら、結局、私が全部後始末する羽目になるんだよ。

放っておけるわけないじゃん」


私は健君に泣きつきました。


「健は何て言っている? 『してもいい』って言っているだろ?」


夫が勝ち誇ったように私に尋ねました。


すると、健君から電話がかかってきました。


スピーカーにして、夫と一緒に聞きます。


「僕には、室内での素振りが『常識の範囲内』なのか、『非常識』なのかは判断できません。

僕個人が決めることではないです。


でも、家族が嫌がっていることを続けるのが『常識』なのか。

まず、それを考えるべきじゃないですか?」


そう言って、電話は切れました。


夫は黙り込みました。


「私、何度も『やめてください』って言い続けましたよね?」


夫に向かって言いました。


「分かったよ……。お前がいる時はやらない」


夫が言います。


いや、そういうことではありません。


「それだけじゃなくて、手を滑らせて事故になった場合――たとえば、テレビの液晶が割れたとか、そうなった時の後始末は自分でしてください。


私は一切しません。


修理や買い替えの費用も、自分で何とかしてください。家計からは一切出しません!」


夫は黙りました。


それ以来、木刀は別の部屋の隅に置かれております。


### 余談


そのすぐ後のことでした。


テレビで、こんなニュースが流れました。


「レオパレスは、自宅の窓に男性のシルエットを投影する防犯施策『Man on the Curtain』を発表しました。ひとり暮らしの女性を狙う住居侵入犯罪を防ぐことが目的です」


私は目が遠くなりましたです……。


皮肉にもほどがあります。


でも、夫はそれを見ても何も言いませんでした。


「男性のシルエットだけなら、木刀を振り回さないから安全だよね」

とはチャッピー談(笑)


今までの話を読んだ方は

「何で離婚しないの?」

と思われると思います。


したくてもできなかった。

だから、還暦過ぎて限界が来て「病んだ」のです

そして、病んだせいで、余計に逃げ出せなくなった・・・


そういう話なので「離婚したら?」は言わないでください

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ