第3話 何かが来る
純・真央「!?」
純はバットを、真央は百科事典に手を伸ばす。
挟んでおいた石が、扉に砕かれていた。
純「・・・踏んだ?」
真央「踏んでやろうか?」
純「それだけはやめて。」
二人は軽口を叩きつつも、冷静になっていた。
純(この石は1キロくらいの重さはあったと思うが。扉だって、そんなに重くないのに。)
純は扉に触れ、開けられるか試す。案の定開けられなかった。
純「硬すぎてウケるわ。笑えねぇー」
真央「開けられない感じ?百科事典いる?」
純「まあ待て。どっか窓くらい空いてるだろ。」
純は近くの窓を確認する。しかし、開けられなかった。
純「鍵すらついてねぇ。○○しないと出られない部屋かよ。」
真央「セッ
純「やめないかっ!」
真央「ヒィン!」
純「しかし、マジでどうする。」
真央「警察呼ぶ?怒られちゃうけど。」
純「・・・背に腹は代えられん。」
純は携帯を取り出し電話をかける。
純「・・・つながらんわ。」
真央「マジ?・・・圏外になってる。」
純「・・・ここまでくると露骨だな。ふざけ倒していたかったが。」
真央「真面目に逃げる?」
純「ああ。真面目に、」
扉の前に行き構える。
真央は耳をとっさに塞ぐ。
純「ぶっ壊す!」
純は思いっきり蹴りこむ。
化け屋敷に衝撃が響く。
しかし、扉はびくともしなかった。
純「・・・まぁ、そんなこったろうとは思ったが。」
真央「・・・お兄ちゃん、ちゃんと鍛えてる?」
純「一応な。そうでなくとも格闘技やってんだ。それなりにいい蹴りだったはずだぜ。」
真央「・・・窓のほうは?」
純「バットで行くか。」
バットを構え、純は振りかぶる。
純「お前ボールな!」
こちらも傷一つつかなかった。
純「ってぇ!ジンジン来た来たぁ!」
真央「ふざけ始めてんじゃん。百科事典いる?」
純「お前の百科事典推しは何なんだよ。それよかハンマー出せ。」
真央は不貞腐れつつも、ハンマーを取り出す。
その間に純は持ってきた変身ベルトを巻き、扉の前に立つ。
純「ライ〇ーキック!」
純はベルトをぶっ叩き、思いっきり飛び蹴りを放つ。
しかし、効果はなかった。
純「テンション上げてもダメか!」
真央「だめだねー♪だめよー♪だーめーなのよー♪」
純「音痴め。」
真央「・・・ほら、ハンマー貸すよ。一回1000円ね。」
純「高いわ。モグラたたきにしてやろうか。」
真央「・・・音痴じゃないもん。」
純「そこ気にするところかよ。・・・出たらカラオケ付き合ってやるよ。」
真央「マジ?おごりあざっす!」
純「おごりとは言ってねぇ!」
今度はハンマーで何か所も局所的に窓をたたく。
どうしても壊せそうにない。
純「駄目だわこれ。」
真央「探索する?正直かなり怖いんだけど。」
真央は少し震えていた。無理やりハイにしていたテンションは、だんだんとローになっていく。
純「こういう時はな?ドラ〇もんの歌を歌うんだよ。音痴でもな。」
真央「音痴じゃないってー。」
純「まぁまぁ。一緒に行くぞ。せーの。」
純(!)
真央「あんなこっといいな♪歌えや♪ボケがぁ!」
真央は百科事典で純を叩く。頭を狙ったが身長的に届かなかった。
さらに、百科事典は純をたたいた反動で跳ね返り、真央の顔面にクリーンヒットした。
真央「痛ぁい!」
純「ちょ、黙れ。」
真央「ドイヒー!」
純は床に手を当て、耳を澄ます。わずかに振動が伝わってくる。
純「何かが来る。」




