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第3話 お披露目パーティ1

そんなこんなでパーティー当日になりました。

この一週間、ドレスを選んだり、アクセサリー選んだり、お父様お兄様達に溺愛される日々を送ってたらあっという間でした…。


最近ではメイド達も



「お嬢様…美しいですわ」


「ほんとこの職につけて光栄です」



などと言ってきて若干怖い。ただ褒めてくれるのなら嬉しいんだけど、なんかちょっと別の感情がありそうに見えるのは私の気の所為だろうか?



「さあディーナおめかししましょうね?」



お母様にそう言われ服を脱がされる。

メイドがお母様選んだドレスとアクセサリーを私に着せてくれる。ドレスは上は白、下はターコイズブルーのグラデーションになっていて、金色の刺繍と真珠が飾られている。それに合わせてアクセサリーは真珠のピアスとジャラっとしたネックレス、そしてティアラをつける。


自分で言うのもなんだが、なかなかの出来だ。ゴージャス、煌びやか、なのに派手ではない。上品で清楚な装いだが決して地味な訳ではなくなんだろう。神聖って言葉が似合うかな?



「さすが私のディーナ…」



メイド達もほぅ…っとため息をついている。

良かった一応私のお披露目パーティーなのだから少しは綺麗でいないと。


そんなこと思っていると、コンコンとドアがノックされる。



「お母様、ディーナ準備はできたかな?」


「ええ、できましたよ」



お母様がそう言うとお父様とお兄様達が入ってくる。



「ディーナなんて綺麗なんだ!」


そう言ってアレクお兄様は私に抱きついてくる。

ぎゅう、ぎゅうと抱きつかれていると急に引っ張られた。


「アレク触るな。ディーナ?今夜はもうパーティーなんかに出ないで俺と過ごそう?な?」



引っ張ったのは紛れもないロイお兄様。

ロイお兄様それはダメです…。色んな国のお偉いさんいらっしゃっているのだし…。



「それはだめですよ。ろいおにいちゃま。」


「ああ、可愛いディーナ」



そう言ってロイお兄様は私の髪の毛を一束持ち上げて、愛おしそうに見つめながらキスを落とす。


えっと、私の話聞いていますか…?



「ああパパもディーナをみんなの前に出したくないよ」



お父様まで何言ってるのですか!まったく!

こんなのが国王で大丈夫なのだろうか本当に心配だ…。



「さあその辺にして行きましょうかディーナ?」


「あい」



やっぱり私の味方はお母様しかいなかった。

そして、お母様が差し出してくれた手を握って私はいざパーティーへと足を運ぶのだった。




ーーー




「アレクサンダー・ベクトリア国王陛下、リリアーナ・ベクトリア王女、アレク・ベクトリア第一王子、ロイ・ベクトリア第二王子、アフロディーナ・ベクトリア第一王女のご入場です!」



従者が高々に宣言し私はお母様と手を繋ぎながらパーティー会場に入った。会場の人達はパチパチパチと拍手で迎えてくれる。


私はお母様に着いていき舞台のような物の上に立った。

お父様が手を挙げると一斉に静まり返った。

おお、初めて国王らしいところを見たかもしれない。



「今宵は我が娘、アフロディーナのお披露目パーティである楽しむが良い。ディーナよ言いたいことはあるか?」



そう言って私に話が振られる。

えっ、私なにか言わないといけないの聞いてないよそんな話。内心焦りながらも外見は動じていない。ここで前世の技術がいかせるとは…。とりあえずお嬢様っぽいこと言っとけばいいのかしら?


私はお母様と手を離し一歩前に出る。



「わたし、あふろでぃーな・べくとりあともうします。このたびは、わたしのおひろめぱーてぃーにきてかださりかんしゃいたします。みなさまとここでであえたこと、こころからよろこんでいます。ぜひこよいはたのしんでください。」



そう言ってにっこりと笑う。初対面、笑顔は大事。

一応好印象与えたとかないと。


しかし一向に拍手などが起きない。なぜだ!

なにか間違ったか!?


私は心配でチラリとお父様を見る。

するとお父様もハッと気づいたようでオホンと咳払いをする。



「では、楽しむように」



国王の言葉が合図で場は一気に賑やかになる。

私は用意された椅子に座りふぅ、とため息をつく。なんだかとってもやってしまった感が否めないが仕方ない。



そして私のお披露目パーティーはスタートした。

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