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第四惑星  作者: ブルーベリージャム
第二章 探索
35/142

34話 子供達

漁は1時間程で終了した。

なので、まだ0610だ。

朝日が眩しい。

とりあえず、俺たちは朝食を摂りながら今日の予定を立てる。

「せっかく一晩待ったんですから、もう少し粘りましょうよ。大尉。」

「でもなぁ、目ぼしい情報があるとも思えんしなぁ。」

「今回の目的は5番艦を目指しつつ、この惑星を体験すること。空ばかり飛んでいてもダメだろう、ファルス。」

「それはそうだ。次に会うカッツェ族は、もう少し社交的で話が通じるかもな。」

「いいえ、カン大尉。この地の人々が私たちに常に友好的とは限りません。」

「そうですよぉ、カン大尉。手強い相手と上手に交渉して情報を引き出す。今回は良い練習相手だと思いますよぉ。」

「・・・つまり、まだここに滞在するんだな。」

「はい。」

「組み分けを変えよう。ファルスはホークと組め。

ホークはファルスの良き相談役だ。難敵に挑むには参謀が必要だろう。

レイチェルはパメラとだ。」

「了解。」

「そうしよう。ホーク、頼む。」

「はい、大尉。」


「で、どうする?ホーク。」

「そうですね。あちらから積極的に情報を話す様子がないようですから、こちらから話を振るしかないです。

話題は何にしますか?」

「そこなんだよ。ベア族と同じなら神様、神官、言い伝えだろう。

あとはカッツェ族の王国と、騎士か。」


「きゃあ、また来てくれたのね。」

「おっ、今度は5人か。」

「パメラおねぇちゃん、この人達は?」

「私の仲間よ。紹介するわね。クリス、レイチェル、リサ、よ。

みんな、こちらがエステル。お兄さんのオルトスとお友達のチエル。

エステル、そちらのお二人もお友達かな?」

「うん、朝のお魚を食べてね、お姉ちゃんのお話をしたら会いたいって。」

新しい二人は共に黄色地に黒毛が模様を描いている。

「そうなんだ。お二人は姉妹かな?」

「そうにゃ。」

「にゃ。」

「そっかぁ。お名前は無いんだよね。」

コクコク

「じゃあ、パメラお姉ちゃんが名前付けても良いかな?」

コクコク

「それじゃあ、」

パメラの腕をクリスが掴む。

「待て、パメラ。」

「えっと、クリス?」

「ごめんねぇ、ちょっとお姉さんたちで名前を考えてあげるからぁ、ちょーっと待っててねぇ。」

コクコク

「相手は2人、こちらは3人。どうする。」

「ひとり1つの名前を出して選択して貰うのは?」

「良いな。」

「でもぉ、相手は姉妹ですからねぇ。全然違う音感の名前というのも。」

「では姉が名前を決める。決まった名前を受けて妹の名前を再提案で。」

「決まり。では、パメラ、説明してあげて。」

「はい。」


「大尉。これはチャンスです。」

「どうした、ホーク。」

「お兄ちゃんのオルトス君は私と話をしてくれました。今もこちらを見てますから、呼べば来てくれますよ。」

「よし、任せる。」

ホークがオルトス君に手を振り、こちらへ招き寄せる。

オルトス君はするすると寄ってきた。

「オルトス君、いらっしゃい。魚を食べて来たんだね。」

「うん、おいしかった。」

「こちらに居るのはファルス=カン大尉。私の、」

「こんにちわオルトス君、ファルスだ。ホークのお友達だよ、よろしくな。」

「こんにちわ、ファルスさん。」


「じゃあ、お姉ちゃんの名前はケイティーね。」

「くっ。」

「あらぁ残念。」

「やりました。」

「次は妹さんね。次の3つから選んでね。」

「うーん。ラスティ。」

「オルティー。」

「ミスティー。」

「にゃ。」

「あら、妹さんはミスティー?」

「にゃぁ。」

「じゃあ、妹さんの名前はミスティーね。」

「くっ。」

「うー。」

「よろしくねぇ。ケイティー、ミスティー、私はリサですよぉ。」

「よろしくにゃ。」

「にゃぁ。」


「そうかぁ、騎士さんはそんなに恰好良かったか。」

「うん、銀の鎧に青い縦線が恰好良かったし、短剣も2つも持ってたんだ。2人とも恰好良かったよ。」

(大尉。)

(どうした、ホーク?)

(不思議です。先程はもっと幼い話し方でした。)

「それでね、今年15歳になる子供はいるかって、村長に聞いてたんだよ。」

「なにっ。それで、この村に15歳の子供はいたのかい?」

「ううん。いなかった。だから2人ともすぐ帰っちゃたから残念だったよ。この村では10歳でもう大人なんだ。」

「10歳で?」

「うん。」

「そうすると、15歳の大人はいるのか?」

「うん、いるよ。」


「オルトス君、水は飲むかい。」

「うん。」

「ちょっと待っててね。」

ホークは足元にあった太い枝の枯れ木を手にすると、それを細身のコップにした。

それに水を入れてオルトス君に差し出す。

オルトス君は差し出されたコップを手にしたが、その眼はホークを見つめている。

「すごい、短剣も使わずに。今のはどうやったんですか?」

「今のは魔法だよ。木の枝を持って、このカップになれ、ってイメージしたんだ。」

「へぇー。すごい!」

ああ、俺もそう思う。ホーク、いつの間にそんな技を。


「エステルとチエルのお母さんは漁師さんなんだね。」

「うん、毎日お魚とってくるよ。」

「とってもおいしいの。」

「ケイティーとミスティーのお母さんも漁師さんなの?」

「違うにゃ、うちとこは狩りする人にゃ。」

「にゃぁ。」

「ところで、お家は何処にあるのかな?」

「お家?」

「えーと、みんなはいつも何処で寝ているのかな?」

「木の上だよ。」

「にゃぅぅ。」

「あっ、ミスティーが眠くなってる。」

「寝るにゃ。」

「あの木に登ろう。」

「うん。またね、お姉ちゃん。」

「えっ?」

4人は木に登り始めた。

「木の上に行くの?」

「うん、お昼寝するの。」

「あらぁ、残念ねぇ。」

「まだお話ししてないぞ。」

「うん、私もお話聞きたい。ばいばい、おねぇさん。」

「またね、おやすみ。」


「あっ、エステルが木に登りました。お昼寝かな。」

「オルトス君も行くのかい?」

「僕はまだ平気です。」

「そうか、オルトス君は大人の人たちから、どんなお話を聞いているんだい?」

「お母さんからは弓と矢の作り方と漁の仕方です。あと、お祈りの言葉。まだ覚えてないですけど。」

「そう、お父さんからは?」

「お父さん?」

「ああ、ごめん。お父さんはいないのか。」

「うん、お父さんって人はいません。」

「村長とか村の男の人達からは、何か聞いていないのかい?」

「はい、大人の男の人は怖いので、近寄らないようにしてます。」

「そうなのか。」

「オルトス君、王国や神官、神様とかのお話は聞いた事あるかな?」

「神様は漁のお祈りの時に。僕たちの神様のオフィーリオ様と水の神様です。

あとの王国とか神官とかは知らないです。」

「そうか。」

「あのぉ、それは剣ですか?」

「うん?そうだ、これは剣だよ。見るかい?」

俺は剣を抜き、オルトス君の前に横たえた。

「うわぁ、すごーい。あの、持ってみてもいいですか?」

「ああ、良いよ。重いからな、気を付けろよ。」

「ほんとだ!重くて持ち上がらないよ。」

ホークがオルトス君の後ろに廻り手を貸し、一緒に持ち上げてあげた。

「うわぁ。」

「もうちょい大きくなって一人で持てる様にならないとな。」

「うん。」

オルトス君は剣を置き、俺は剣を収める。

「あっ、雨が降ります。」

「雨?」

「うん、直ぐに隠れないと。ホークさん、ファルスさん、ばいばい。」

オルトス君は空地を横切り木の上へと登って行った。


「雨が降る?」

「確かに雲はありますが。」

「ファルスたちも逃げられたか。」

「クリス、逃げられた訳じゃない。雨が降るそうだ。」

「身体が濡れるのを嫌う種族のようですから、避難したみたいですね。」

「そっちは何か聞けたか?パメラ。」

「いいえ。新しい子に名前を付けてあげたところで、お昼寝です。」

ポツポツ

「あら?」

「あっ、大尉。雨が降ってきたみたいです。」

「ヘルメット出しましょうか?」

パラパラ

「これぐらいなら、大丈夫じゃないか?木の下に行こう。」

バタバタバタバタ

「ファルス、これは木の葉に雨が落ちてる音か?」

「かなり激しいですね。」

ザアアアアア

「これは激しいな。」

「大尉、地面に水が溜り始めました。」

「カン大尉。これは、」

「ああ、木の上まで避難しておこう。」

バタバタバタバタ

ザアアアアア

バタバタバタバタ

ザアアアアア

ザアアアアア


ポツポツ

激しい雨は10分程で止んだ。

だが、地面の水溜りは引かず、俺たちは木の上で待つことになった。


次回35話「雨とスープ」。

お昼寝の後は一緒にご飯です。

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