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第71話 延長戦

試合終了のブザーが鳴っても、勝負は終わらなかった。

36対36。

延長戦。

コートに立つ全員が息を切らしている。

それでも誰一人、下を向く者はいなかった。

「水!」

こむぎと桃華が急いでドリンクを渡す。

「ありがとうございます。」

悠真が受け取り、深呼吸をする。

凜空も汗をぬぐいながら笑った。

「まだ戦える。」

蒼は拳を握る。

「絶対勝とう。」

高橋先輩が全員を見渡す。

「延長は短い。」

「だから、一つのプレーが勝負を分ける。」

全員が真剣な表情でうなずく。

「最後まで仲間を信じろ。」

「はい!」

ピーーーッ!

延長戦開始。

最初に動いたのは青嶺高校だった。

落ち着いたパス回しからシュートを決め、

36対38。

再びリードを奪われる。

「切り替え!」

高橋先輩の声が飛ぶ。

悠真がボールを運ぶ。

相手の守備は最後まで崩れない。

それでも悠真は焦らず、ボールを回す。

蒼。

凜空。

遥斗先輩。

そして湊先輩。

全員が懸命に動き続ける。

「悠真!」

遥斗先輩の声。

悠真は迷わずパスを送る。

遥斗先輩はシュートを打つ――

と見せかけて、すぐ横へパス。

「湊!」

湊先輩がゴール下へ飛び込む。

シュッ!

38対38。

「ナイス!」

ベンチから佐々木先輩が大きな声を上げる。

こむぎも思わず拍手した。

「湊先輩!」

残り一分。

両チームとも譲らない。

しかし、少しずつ青嶺高校の動きに疲れが見え始める。

「今だ。」

高橋先輩が静かにつぶやいた。

悠真がボールを運ぶ。

凜空が走る。

蒼が相手を引きつける。

遥斗先輩が空いたスペースへ動く。

そして――

「湊!」

湊先輩がスクリーンで道を作る。

悠真は迷わずリングへ向かう。

相手が止めに来る。

その瞬間。

「高橋先輩!」

パスが飛ぶ。

高橋先輩はボールを受けると、迷わずジャンプした。

シュッ!

ボールはきれいな弧を描き――

ネットを揺らした。

40対38。

「よし!」

ベンチが総立ちになる。

残り時間はわずか。

青嶺高校も最後の攻撃を仕掛ける。

だが――

「守れ!」

高橋先輩の声に全員が反応する。

最後のシュートはリングに当たり、大きく跳ねた。

「湊!」

湊先輩が力強くリバウンドをつかむ。

その瞬間――

ピーーーーーッ!!

試合終了。

40対38。

準決勝、勝利。

歓声が体育館に響き渡る。

こむぎは思わず笑顔になった。

「勝った……!」

桃華も飛び跳ねる。

「決勝だ!」

部員たちは笑顔でハイタッチを交わす。

高橋先輩は静かに息を吐くと、仲間たちを見渡した。

「よく戦った。」

その言葉に、全員の顔に笑みが広がる。

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