8話「新スキルとダンジョンの産物」
レアモンスターであろう赤色スライムを絶対に倒すと決めた俺は、先手必勝を心に攻撃を仕掛ける。
くらえ、スプレー缶式火炎放射!
普段のスライムならこれで一発で倒せるのだが、赤色スライムはその効果技を避け、空中に飛ぶ。
しかし、甘いな。
小型のスプレー缶から隠し持っていた大型のスプレー缶に切り替え、使っていた火炎を引き継ぎ、浮いている赤色スライムに向かって大型の火炎放射をぶつける。
上手く避けれたと赤色スライムは思っていたのであろうが、レアモンスターがそういう素早い動きをするっていうのはラノベでも出ていた。
浅い知識だったが、役に立ったようだ。
火炎放射が直撃した赤色スライムは絶命したのかそのまま地面へと落ちていく。
レアモンスターなら落とすものもレアなものだと、相場は決まっているだろう。ラノベの知識だけど。
徐々に無くなっていく炎から現れたのは、スライムの魔石(極小)に似ているけど、今回のは赤色スライムと同じ色のものだった。見た目は魔石(極小)だ。
【レアドロップです。紅の魔石(極小)。スキルを覚えることが出来ます】
「おぉー! ついにスキルを覚えられるのか!!」
ずっと何も記載が無かったスキル欄にスキルを1つ記載出来る!
【紅の魔石(極小)を使用しますか?】
俺の目の前には、地下ダンジョンに初めて足を踏み入れた時の選択肢が現れる。
【Yes】
俺はなんの躊躇いも無く、使用することにした。
手に持っていた紅の魔石(極小)はピカッと一瞬光ると、光の粒子になり消滅する。
【スキルツリーを覚えました。確認ください】
ワクワクした気持ちで、
「ステータス」
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木下実
Lv1 50/100
BP:5
スキル:スキルツリー
称号:スライムスレイヤー
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さっそくスキルツリーをタップして、説明を見ることにする。
スキルツリー・・・覚えたスキルを枝状に表す。Lvが上がるとツリー下にあるスキルを取得可能。またスキルツリーの特殊能力でスキルLvを上げることが可能となる。スキルツリーポイントを使用Lvを上げる。
「ほう?」
ということは、俺はスライムを効率的に倒す為のスキルを覚えたわけじゃなくて、スキルを強くする為のスキルを覚えたというわけなのか? そうなると俺は、まだ火炎放射でスライムを倒す必要があるということか。
とりあえず、考えよう。
「スキルツリー」
スキルツリーと言った同時に目の前に透明な板が展開された。ステータスの時の同じ透明な板に文字が記載されてるわけではなくて、クリスマスツリーーー木のようなものが枝状のようなものの絵が描いてある。
その枝先には丸の円の中に?の絵が描いてあるだけだった。
ということは、スキルツリーの説明通りというわけになる。
今後俺がスキルを覚えるとスキルツリーの枝先の?の部分にスキルが追加されていき、スキルツリーポイントを使ってスキルLvを上げて行くことになるのだろう。
とりあえず、スキルツリーというスキルを俺が手に入れたのは事実で、スキルツリーの有用性も分かったと思っている。けど、試せるわけではないので、新しいスキルを手に入れるまではお蔵入りになってしまうということだ。
ワクワクしていた気持ちを落ち着かせ、俺はスライムを倒しに再び歩き始めるのだった。
昨日スキルツリーというスキルに関して残念って思いながらスライムを倒し続け、気が付けば21時だった。
その後夕食と風呂を済ませ、体に溜まった疲れが俺を眠りに誘った。
そして気が付いたら朝だった。どうにも最近疲れが抜けきらず、起きてもドンヨリとした気分になっている。
使っている布団も結構古いものを使っているせいか、それとも枕が悪いのか、正確には分からないが、ちゃんとしたやつに買い替えるべきなのかも知らないと思い始めている。
とりあえず今日は土曜なので、朝から地下ダンジョンに向かうことにする。が、その前に顔を洗い朝食を済ませる。しっかり食べないと地下ダンジョンでお腹が減って動けなくなるなるのは困るからな。
朝食を済ませた俺は皮袋にスプレー缶を数個入れたら、地下ダンジョンへ向かう為にトレイだった場所から地下へ続く階段を降りて行く。
1階層へやって来た俺は、今日もまた地図を見ながらスライムを探し始めると、敵マークがたくさん見つかり、俺は駆け出した。
しばらく倒すこと数十分経ったが、今日はどういうわけか魔石よりもスライムジェルが落ちる。すでに数が20個くらいになっている。
経験値も80/100となっており、もうすぐLv2に上がりそうになっている。このままLvを上げたいところだが、今日は起きたのが遅かったので時刻はすでに12時。一旦スライムを倒すのを辞めて、地下ダンジョンを出ることにした。
1階層と地下ダンジョンホームの出入り口のドアを開け、ホームに戻ると、
【スライムジェル×40個を確認。スライムジェルを用いて、スライムジェルベッドの制作が可能です。またスライムの魔石(極小)×10個を換金しますか?】
換金の方はいつも通りなので無視しても大丈夫なのだが、スライムジェルでスライムジェルベッドが制作可能?って記載があるが、どういうことだ。
ベッドは分かる。家には無いけど、出先で見たことはある。だが、スライムジェルベッドは聞いたことがないし、見たことがない。
いや、イメージは出来るのか。スライムジェルをベッドにする。うーん……スライムジェルのベッドか。
頭の中にイメージはあるのだが、あるんだけども、スライムジェルのベッドなんて作るのは本当に可能なのか?疑問でしかない。
けど、これも非日常の一部なのだろうととりあえず理解することにした。ちょうど布団を買い替えるべきなのだろうか考えていたのだから、タイミング的には良かったのだ。
そういうことで俺は、スライムジェルベッドを作ってみることにした。
「スライムジェルベッド制作を頼む。それと魔石の交換も頼んだ」
【スライムジェルベッドの制作を確認。スライムジェル×40個の提出及びスライムの魔石(極小)×10個の提出をお願いします】
俺は記載されている文字に従い、皮袋からスライムジェル40個とスライムの魔石(極小)10個を取り出し、提出した。
途端に2つは消滅して、
【しばらくお待ちください。しばらくお待ちください。しばらくお待ちください。しばらくお待ちください。しばらくお待ちください。スライムジェルベッドの制作完了しました】
しばらく待った後に、目の前にスライムジェルベッド?が姿を現す。
「これが、スライムジェルベッド、か」
見たことをそのまま説明すると、色はスライムの青色をしておりーーそれだけだ。全体全てがスライムジェルで出来ている。触った感触もプルンッとプリンのようにスライムのように、揺れている。気持ちの良い感じだ。
「あっ」
地下ダンジョンのホームにそのまま置いているので流石に狭く感じてしまった俺は、皮袋に一旦入れる。
そして設置する為に地下ダンジョンのホームから出た俺は、寝室にやって来た。
元から置いていた古い布団をどかして、皮袋からスライムジェルベッドを取り出して設置をする。
「よし」
試しに横になってみると、今まで使っていた布団よりも格段に気持ちが良いものだなって身体が感じてしまう。思わず意識が飛びそうだったが、どうにか耐えた。
「それにしてと本当に気持ちいな。スライムジェルベッド、作ったのは正解だな」
非日常だからこそ手に入れることの出来たスライムジェルベッドなのだと思ってしまう。
そうこうしているうちに、疲れの溜まっていた俺の身体はスライムジェルベッドの気持ち良さに包み込まれ、意識は切れてしまった。




