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6話「バイト人生への区切り」

 昨日、Lvが1になって情報量に押しつぶされた俺は早めに寝てしまった結果、早めに起きてしまう結果になってしまったので、早起きついでに地下ダンジョン1階層へ来ていた。


 時刻は6時とまだ早い時間帯で、学校に行くのも8時なのでまだ時間に余裕がある。せめて30分から1時間はスライムを倒したいところだ。


 それに昨日、「スライムスレイヤー」を持っていることを知ったので、それの効果を試す為に今日は鉄棒でリベンジをしに来た。


 別にまあ負けたわけではないが、何回か叩いて倒してたのがどのくらい変わったのかを確認したいだけだ。


 地図でスライムの位置を確認した俺は、鉄棒の先をライターの火で炙り温度を上昇させていく。ライターではそれほど上がらない為、ある程度の時間炙ったらスライムとの戦いを始めることにする。


 Lv1になったということは元が0かなんかで、スライムと戦うにも一般人並みのステータスしか持ち合わせていなかった俺だが、BP:5+50%分上昇でどこまで簡単倒せるようになったのか。


 そういえば昨日も感じたが、足取りが軽くなったような気がする。最初の方は慣れない場所に重たかった足や身体も、今では軽やかだ。Lvの影響か慣れの影響かは定かではないけど。


 数回スライムを叩き、消滅した。


 うん。正直言って微妙すぎる。何が微妙かって言ったら、確かに叩く回数は減っていると思うのだが、それだけ。戦いやすくなってるかどうかが俺には分からない。


 とりあえず、いつも通りスライムを倒した方が手っ取り早い。それに時間をかけずにノルマを終わらせることが出来る。


 そこから俺はいつものようにスライムを倒し続け、気が付いたらスマホのアラームが鳴り始めた。スマホを取り出すと時刻は7時。


 最近地下ダンジョンが楽しくて時間を忘れることがあるのでアラームをかけておいたのだが、かけてたのは正解だったようだ。普通に時間を忘れていた。


 最後に1体だけスライムを倒し、俺は地下ダンジョンを後にする。


   ◇


 学校が終わり、いつものように家に帰るのではなく、今日は生徒会に用事があるので家に帰る前にそっちに向かうことにする。


 生徒会に用事と言っても大したことじゃないのだが、うちの高校はバイトをするのが禁止な高校なのだ。理由は進学校だからとか、有名な進学校だからとかよく分からないが、バイトが禁止なのだと。


 そんな高校に通う俺がバイトをしていたのは、先生に頼んで生徒会にバイトする許可をもらっていたわけだ。だがそれも必要なくなったので、バイトやめましたという連絡を一応しに来たわけである。


 ドアを3回ノックした俺は、


「どうぞ」


 その返事を聞き、ドアを開ける。


「失礼します」


 中に入ると、見覚えのある顔ぶりが1人優雅にお茶を飲んでいた。


「邪魔でしたか?」


「いや、大丈夫だよ。それよりも今日は何用かな? 木下君」


 この人はうちの高校の生徒会長。いつもお茶を飲んでいるが、何のお茶を飲んでいるのかは不明。まあ、知る気はないけど。


「どうかしたのかい?」


「あ、いえ。今日はですね、入学した日にバイトの申請出したと思うんですけど、もうバイトを辞めたのでそれの報告をと思いまして」


「おや? そうなのか。あれほどの家を支えるのに結構な資金が必要だと私は思っていたのだが。いや、変な詮索はやめておこう」


 カップに入った残りのお茶を飲み干すと、


「バイトの件は了解したよ。それでまたバイトをやる予定はあるのかい?」


「いえ、とりあえず今のところはですかね」


「そうかい。それでは木下君のバイトの特別申請の件はこれにて終了させてもらおう」


「はい。それでは失礼しますね」


 そうして俺はバイト人生を改めて終わらせ、学業と地下ダンジョンに力を入れることを改めて思った。


 あれ? バイトをやめた件はしばらく様子見してから説明をした方がよかったんじゃないかと疑問に思ったのだった。

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